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メカニカルワルキューレ ─未来を取り戻す物語─  作者: ハムスターマン
第三章 ティターニア編
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第107話 反撃の刃


リリィは倒れた兵士を近くに居た他の兵士に預けると跳躍しローレンツの元に舞い戻る。


「ありがとうございます……ローレンツさん」

申し訳なさげに言う彼女にローレンツはため息を零す。


「……謝るなら最初からしないでくれよ……


でも……」


ローレンツはライフルのマガジンを交換しつつ続けた。

「……仲間の救出、感謝する。」


その言葉を受けたリリィはローレンツの顔を覗き込むもローレンツは顔を逸らした。


ミサイルの雨が上空のメカニカルワルキューレに向いたのを確認すると、

ローレンツはそのままハカセに駆け寄り一言謝罪を述べる。

「すみませんベル博士、失礼します」

そういうなりハカセを小脇に抱えるとリリィにもリーナを持つように指示を出す。


「っ!ちょっと!?」

ハカセはパワードスーツで簡単に持ち上げられ、それを見ていたリリィもリーナの車椅子ごと持ち上げた。


「ふふっ…お手柔らかにお願いしますわね、リリィ」

リーナは孫のネガ・メガミドライヴをお腹に抱いたまま笑顔を浮かべていた。安心してもらえるのは嬉しいが、時間は無い。


リリィはパワードスーツのスラスターを吹かせるとホバー移動を始める。

生身の人間の脚力に比べたら圧倒的に速いが、メカニカルワルキューレの速度に慣れているリリィには鈍足に感じられた。


しかしローレンツには驚きしか無かった。

リリィが慣れないパワードスーツの出力調整をミスし、速度を出し過ぎていると感じたのだ。

しかし、彼女に運ばれているリーナに不安定さは感じず安定感すらあった。


「あれが、メカニカルワルキューレか……」

ローレンツが零した言葉を彼の妹であるロゼッタは聞き逃さない。


『おやおやぁ?お兄ちゃん、ずっとリリィさんの事ばかり見ちゃって……ほほぅ……これはこれは……』


ローレンツは無言のまま背中の妹をライフルで小突いた。


リリィ達の視界にヴァルハラの碇泊している湖が見えた。


そこではナギサが二振りのサムライソードを構え、単身ヴァルハラを警護しているようだった。


……確かにヴァルハラにはある程度の武装はあるが、火力はメカニカルワルキューレ頼りの設計になっていた為、ティターニアのネガ・メガミドライヴ機が現れた場合、単機での対抗手段が無いのも事実だった。


それを補う為、ナギサだけが残ったのだろう。


ローレンツがハカセを地面に下ろすと、ハカセは一瞬よろめいた。

「……ありがとうローレンツ君。

それにしても、まさかほぼ全機のメカニカルワルキューレを同時に出すなんて……私が居ないからって皆好きに動いたわね……」



ナギサはメカニカルワルキューレではなく、大型で低性能なパワードスーツを装着しているリリィを見て驚く。


「……どうしたリリィ……それにその御仁がアトラスの……」


リリィが車椅子をそっと下ろすとリーナはナギサに挨拶を述べた。

「お初にお目にかかりますわ。

私の名はアヴェリーナ・アレクサンドロヴナ……アトラス専属の科学者ですわ。

メカニカルワルキューレ第一世代にして接近戦の鬼、赤い稲妻のナギサ……」


リーナが自身のことを細部まで知っていることに驚くも、ナギサも挨拶を交わした。

「……私はナギサ・ムラクモ、よろしく頼む。"アベ"さん。」



「"アヴェ"リーナ……ですわ。」



「ナギサさん、武器スロットからコンバットメイデンを出してもらえますか?」

二人のやり取りを見終えたリリィはナギサに自身の相棒である可変式剣を要求する。



「ん……あぁ、構わないが……いったい何が……」


そこまで言いかけたナギサだったが、言葉を止める。

無言でコンバットメイデンを武器スロットから取り出すと、それを地面に突き立ててそのまま跳躍。

ヴァルハラに迫っていたミサイルを斬り落とした。


「……理由は後で聞く。とにかくお前達はあのデカブツを切れリリィ!」



ナギサの言葉に頷くとリリィとローレンツは再び巨大兵器の元へと駆け出した。



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