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【資格マスター】な元社畜の現代ダンジョン攻略記  作者: SUN_RISE
第4章:そして始まる、現代ダンジョン探索元年

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4−93:亀岡ダンジョンを取り巻く状況


 馬堀駅で普通電車から降車し、改札を出た後は線路下を通る道をくぐって保津川方面へと回り込む。周りには俺たちと同じ目的地に向かっているのであろう、老若男女様々な人たちが歩いていた。

 そうして遠目に見えてきた亀岡ダンジョンは、相変わらず無骨なコンクリート造の外見をしていた。


「あ〜、この風景を見るとなんだか帰ってきた感じがするなぁ」

「私と居ると特に、でしょう?」

「うーん、朱音さんとは3日前も一緒だったからなぁ……どちらかと言うと、隣に居ることが自然になってきた感がある」

「あら、そう? うふふ……♪」


 横浜ダンジョンにいた2週間も、探索中はどこか据わりの悪い感じが続いてたしな。そういう意味では、朱音さんの言うことは正しいのかもしれない。

 ……俺なりの方法でたっぷりと思いを伝えたからか、今日の朱音さんはこの上なく上機嫌だった。


「それにしても、また更に混雑が激しくなってなかったか?」

「確かに、今日も人が多かったわね。しかも、私たちと一緒に馬堀駅で下りる人も結構多かったし」

「……目指す場所は一緒かな? あっちのトロッコ乗車予定の人たちも居ると思うが」

「半々くらいじゃないかしら? ほら、結構バラけてる感じだし」

「本当だな」


 馬堀駅から見れば、トロッコ亀岡駅がある方角と亀岡ダンジョンがある方角はほぼ真逆だからな。朱音さんの言う通り、馬堀駅を下りた人たちの行き先も半々くらいでバラけているように見える。

 ……それにしても、相変わらず嵯峨野線は利用者が多かったな。しかも、今乗ってきた普通電車は以前より更に混雑が激しくなったような気がする。特に嵯峨嵐山駅を過ぎてからも人が減らず、ここまで座席に座ることはおろか、吊り革に掴まることすらもできなかった。

 それでも、俺が探索者として相当レベルアップしているからなのか以前ほどの疲労感は無い。他の人たちはしんどそうにしてたけどな。探索者ではない人も多いのだろう。


「ところで、そろそろゴールデンウィークに入るよな? 朱音さん、本業の方は大丈夫なのか?」

「そうなのよね〜、今年も忙しそうなのよ〜、高良さん……」


 一転、朱音さんがげんなりした表情になったのに俺は思わず笑いそうになってしまった。

 色々と海外事情が変わっていても、京都は変わらず人気の観光地らしいからな。最近は日本人観光客も少しずつ戻ってきたそうだし、サービス業に従事する人からしたら忙しさはあまり変わらないのだろうさ。






 およそ2週間振りに来た、亀岡ダンジョン。その周辺状況は、2ヶ月前と比べると大きく変化していた。


「……なんか、やたらと車が多いな?」

「最近また増えたのよね」


 ライブストリーミング配信後、車で来場する人がかなり増えた。そのために亀岡ダンジョンでは、急遽ダンジョン前広場のスペースを拡張して駐車場を設置しているのだが……100台規模ではもう足りなさそうだ。

 かといって、これ以上駐車場を拡張するのもなあ。途中の道もそこまで広くないし、車で来る人が多くなりすぎるとダンジョン周辺が渋滞でとんでもないことになってしまう……いや、駐車場の規模はあまり関係無いか? 来る人は駐車場が少なかろうがなんだろうがなんだろうが、意地でも車で来るからな。隣の亀岡駅近くに大型のサッカースタジアムがあって、コインパーキングが充実しているのも拍車をかけている気がする。

 来場は公共交通機関で、と言ってもあまり効果が無いようだし。鉄道路線がほぼ嵯峨野線の1本しか無く、その嵯峨野線も沿線に観光地が多すぎて、乗車率は常に高止まりの状態が続いている。最近は8両編成の電車も増えてきたが、抜本的な改善にはとんでもない費用と時間がかかってしまうようで、なかなか厳しい状況らしい。


「ナンバーは……京都と大阪、あとは滋賀と、少しだけ兵庫もあるか?」


 亀岡ダンジョンの周辺にあるダンジョンとなると、滋賀県東部にある長浜ダンジョンと奈良県北部にある平城山ダンジョン、そして兵庫県の姫路ダンジョンになる。姫路だけやたら遠いが、ここより西となると一番近いのがそこになるわけだ。距離的に尼崎や三ノ宮、あるいは三田辺りにあってもいいはずなんだがな……。

 そういうダンジョン間の位置関係だからなのか、亀岡ダンジョンが最寄りの人は西に広い。大阪の南側は和歌山県に御坊ダンジョンがあるので、さすがにそちらの方が近いようだが……それ以外の人たちは、わりとこちらのダンジョンに来ているようだ。


「………」


 最初に俺が来た頃の、誰も居ない静かな亀岡ダンジョンが懐かしいな。まあ、探索者の人数が増えるのはトータルで見ればプラスになるんだけどな。






「おう、恩田探索者」

「権藤さん、おはようございます」


 亀岡ダンジョンバリケード内に入ると、早速権藤さんが出迎えてくれた。ちなみに、今日は澄川さんは居ないようだ。

 【疾風迅雷】の澄川有紗。自衛隊時代から権藤さんと共に、迷宮探索部隊の一員としてダンジョンを攻略してきた実力者だ。今は亀岡迷宮開発局員として、変わらず権藤局長のもとで仕事している。


 ……ただ、俺から澄川さんのことを口に出すことは無い。なぜかは分からないが、澄川さんの話題を口にすると朱音さんが一気に不機嫌になるからな。せっかく機嫌の良いところに、水を差すような真似をすることもあるまい。


「それにしても、また随分と探索者の人数が増えましたね?」


 ライブストリーミング配信以降、亀岡ダンジョンを訪れる探索者の人数は爆発的に増えた。以前を知っている俺からしたら、どこか隔世の感がある光景だが……俺が横浜ダンジョンに行っている間に、また更に増えたような気がする。それでも横浜ダンジョンには及ばないが。

 ただ、横浜ダンジョンは巨大なビル1つが丸々迷宮開発局の建物だったので、内部スペースにかなりの余裕があったのだが……亀岡ダンジョンは言ってしまえばコンクリートの箱でしかなく、とても大人数を捌けるような構造ではない。今も探索者がひしめき合い、なかなか大変な状態となっている。どこかのタイミングで、駐車場同様こちらも拡張工事が必要になるだろうな……。


「全ては恩田効果、というわけだな。一般探索者としては日本で初めて第20層を突破した者の1人で、横浜ダンジョンでもライブストリーミング配信をして知名度を更に高めた……その結果がこれというわけだ」

「そのわりに、あまり俺はジロジロと見られた記憶が無いのですがね……」


 まあ、どこにでも居るような平凡顔だからな、俺。内面も外見もただの一般人なので、知名度があっても目立たないのはむしろありがたいところだ。

 ……それに、俺があまり目立たない理由はもう1つある。


「……うふふ」


 朱音さんの方が、めちゃくちゃ人目を惹きつけるんだよな。俺が隣を歩いてると、余計に視線が朱音さんの方へと集まっていくのだ。さっき道を歩いてる時もそうだったし、今もそうだ。

 本人は最近わりと慣れてきたようで、涼しげな顔で視線を受け流している……というより、最初から周囲を意識すらしていないな、これは。


「ああ、そういえば横浜ダンジョンからの荷物を預かってるぞ。後で確認してくれ」

「了解です」


 多分、ダミーで送り付けた装備品のことを言っているのだろうが……すぐ取りに来いと言わない辺り、俺がアイテムボックスに主力装備を入れてることに、権藤さんも気付いてるみたいだな。どうやら黙認してくれるようで、ありがたい限りだ。


 そうして、俺たちは装備へ着替えるためにロッカールームへと向かう。事前に、今日は九十九さんと帯刀さんが来られないことは聞いているので……今日は俺と朱音さん、ヒナタとフェルとアキの5人での探索になる。

 ……ヒナタはともかく、フェルがそろそろ我慢の限界にきているらしい。さっきからリュックがゴソゴソと動いていて、早く出せと催促されているみたいだ。

 ったく、もうちょっとだけ待ってな。装備を着替えてダンジョンに入ったら、すぐに出してやるからさ。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~

まだ始めたばかりですが、こちらもよろしくお願いいたします。
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