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【資格マスター】な元社畜の現代ダンジョン攻略記  作者: SUN_RISE
第4章:そして始まる、現代ダンジョン探索元年

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4−87:VSニードルカクタス


 階段前から、広場の端に生えた3本の巨大サボテンをジッと見据える。夜なのに意外と周囲は明るく、巨大サボテン改めニードルカクタスの姿がここからよく見えた。

 天上に、ほぼ真円に近い形の月が出ているからだろうか。満月の夜は比較的明るいものだが、それはダンジョン内でも適用されるようだ。


「"ライトニング・サークル"」

――ゴロゴロゴロ……

――カッ!!


「"ウインドスラッシャー"」

――ヒュッ!!


 ほぼ同時に、俺と菅沼さんが魔法を行使する。俺は長射程広範囲攻撃のライトニング・サークルを放ち、菅沼さんはウインドスラッシャーという名前の攻撃魔法を選択したようだ。

 ……雷鳴が轟き、風切音が響く。


――ドゴォォォッ!

――バヂバヂバヂッ!!

――ズバババッ!!


 ニードルカクタスへの着弾は、ほぼ同時だった。雷撃がニードルカクタスの内の1体に着弾し、電撃の輪を広げて3体とも巻き込めば……菅沼さんは無数の小さな風の刃を飛ばし、ニードルカクタス3体を等しく切り刻んでいく。


「「「ギィッ!?」」」


 魔法攻撃を受けたニードルカクタス共が、それぞれ悲鳴をあげながら砂地から飛び出してきた。そうして、ニードルカクタスの全貌が顕わになる。


 見えているだけでも1メートルはあったが、砂地に隠れていた分も含めると体長2メートルはあるようだ。巨大サボテンに手足を付けて無理矢理人型にしたかのような見た目だが、オノドリムとは違って顔や口にあたる部分がどこにも見当たらない。一体どこから声を出してたんだろうな?

 そして、一番の特徴である長く鋭い棘は全身に生えているようだ。【鑑定】によれば、ニードルカクタスはこの棘を飛ばして攻撃してくるそうだが……射程距離はどれくらいなんだろうか? 可能ならば検証しておきたいところだ。


「ギィ……」


 ライトニング・サークルの雷撃を直接浴びたニードルカクタスは、砂地から出てくるとそのまま地面に倒れ伏してしまった。体が完全に痺れてしまったようで、動く気配が全く無い。体から白い煙も噴いており、1発で相当なダメージを与えることができたようだ。

 このダメージなら、雷属性は弱点の可能性が高そうだ。【鑑定】レベルが上がるまでは変わらず検証が必要となるので、色々試しながら情報を蓄積していくとしよう。


「「ギィ……!!」」


 一方で菅沼さんが放ったウインドスラッシャーは、攻撃の大半が長い棘によって遮られてしまったようだ。ニードルカクタス本体には思ったほどダメージが入っておらず、代わりにバリアの役目を果たしたであろう棘が、何本かスッパリと切れているのが見える。

 あと、雷撃を直接食らっていないニードルカクタス2体の動きが明らかに鈍っているが……これはおそらく、ライトニング・サークルの拡散電撃を受けた影響が出ているのだろう。手足の動きがややぎこちなく、かなり動きにくそうにしている。


 魔法の威力は菅沼さんの方が上なのに、結果がここまで違うとはな。ニードルカクタスに風属性耐性は無いはずだが、どうやら弱点属性以外の攻撃は一定の割合で防ぐという、厄介な特性を兼ね備えているようだ。素の耐久力はあまり無いようで、俺の基本魔法でも一撃で戦闘不能にできる程度でしかないようだが……。


「「ギィ!」」


 と、ここにきてニードルカクタス共がようやく俺たちの存在に気付いたようだ。指を差すような仕草を見せてから、2体がこちらに向けてのそのそと歩いてくる。

 1体はまだ倒れたままだが、少しずつ動けるようになってきているらしい。微妙に手足を動かし、どうにか立ち上がろうとしているようだ。


 ……ただ、巨大なトゲサボテンが不気味に(うごめ)く様を見ると、死にかけのスズメバチみたいな近寄り難さを感じるな……。


「なんか、奇襲で蜂の巣にされそうよね。あまり近付きたくないわ」

「朱音さんが言うとシャレにならんのよな……」


 朱音さん、冗談抜きで1度生命の危機に陥ったことがあるからな。確か"クリスタルスパイク"だったか、ゴブリンキングが使ってきた魔法で体を刺し貫かれて、瀕死の重傷を負ったことがある。ポーションのおかげで後遺症も傷跡も残さず全快したが、その出来事が少しトラウマになっているそうだ。

 ……まあ、そのおかげで未知のモンスターに対する警戒心が養われたわけだから、一概に悪い思い出だとも言えないのだが。亀岡組の全員がモンスターの挙動により気を配るようになり、探索の安定感が増したのは収穫と言えるだろう。


「……まあ確かに、遠距離攻撃だけで倒せるならそれに越したことはないな。それでどうする、朱音さん?」

「ちょっと試したいことがあるの。高良さん、闇属性のエンチャントをお願いできるかしら?」

「分かった、"エンチャント・ダーク"」


 朱音さんに闇属性のエンチャントをかける。植物は光合成するものだから、それと相反する闇属性が弱点である可能性は十分にあり得る。

 ……さあ、どうなるか。


「"飛双刃・闇夜"」

――ヒュッ


 朱音さんがソードスピアを鋭く振り抜いた。そこから真っ黒に染まった飛刃が2つ、音も無く飛翔していく。


「「ギッ!?」」


 攻撃を察知したニードルカクタス共だったが、弾速の速さから回避を諦めたようだ。腕を前に出し、2体とも防御体勢に移る。

 ……あの様子だと、どの角度で攻撃が入っても必ず棘に当たるな。これで棘バリアが発動すれば、闇属性は弱点ではないと考えられるが……果たしてどうか?


――スンッ……

「「……ギィ?」」


 漆黒の刃がニードルカクタス共の体を通り抜け、無音のまま虚空へと飛び去っていく。


 ……だが、何も起こらない。ニードルカクタス共は小さく首を傾げてから、再び歩き出そうと一歩前に踏み出して……。


――ズズズ……

「「ギッ!?」」


 その胴体が、ガードした腕ごと斜めにズレていく。あまりに斬れ味が良すぎたせいか、ニードルカクタス共は斬られたことにさえ気付けなかったようだ。


「「ギィ……」」

――ボフッ!


 2体は許容量を超えるダメージを得て、魔石に姿を変えていった。さすが、ランク5の武器で放つ攻撃は鋭さが違うな……とも思ったが、それにしては棘バリアが全く役目を果たせていなかった。おそらくだが、闇属性もニードルカクタスの弱点なのだろう。


「ぐぁぅっ!」

――グォォォ……


 それを見たフェルが、口から黒い炎のようなブレスを吐く。【ダークブレスⅠ】だ。

 狙いは、ジタバタと必死に立ち上がろうとしているニードルカクタスだ。


――グォォォォッ

「ギッ……!?」


 闇の炎がニードルカクタスの身を灼き、体力を奪っていく。やはり棘バリアは発動せず、そのまま攻撃が通っていった。


「ギッ……」

――ボフッ


 結局、最後のニードルカクタスも魔石に姿を変えていった。雷魔法を食らい、もう体力がほとんど残っていなかったのかもしれない。これで3体のニードルカクタスを、無事仕留めることができた。


「………」


 最終的に怪我人は1人も出なかったが……これは、砂漠地帯を通り抜けるのは手間がかかりそうだ。

 第21層ともなれば、よく出てくるタイプのモンスターでさえゴリ押しで倒せるものではないらしい。アメリカの探索者が踏破に相当な時間を掛けたのも納得である。


 まあ、とりあえずニードルカクタスの強さは大体分かった。他のモンスターも当然いるとは思うが、どれもニードルカクタスより強いのは間違いない。おおよその難易度が分かっただけでも、俺としては大きな収穫だ。


「"アイテムボックス・収納"っと。さて、夜も遅いしそろそろ第20層に戻――








――ウォォォォン……

「「「「――!?!?」」」」


 不意に、凄まじい悪寒が全身を駆け抜ける。

 周りを見ると、全員が俺と同じ感覚を覚えているらしい。表情に色濃い恐怖を浮かべ、全く同じ方向に俺以外の全員が目線を向けていた。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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↓新作始めました
魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~

まだ始めたばかりですが、こちらもよろしくお願いいたします。
― 新着の感想 ―
主人公ダンジョンに呪われてるか祝福されてるよなぁ、、、
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