表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【資格マスター】な元社畜の現代ダンジョン攻略記  作者: SUN_RISE
第4章:そして始まる、現代ダンジョン探索元年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

232/256

4−81:神秘なる第20層


「……よし、抜けたか」

「危なかったネ〜、他のヘビータートル来てたヨ」

「ざぶぅっ!」


 湖畔の道をさくっと通り抜け、湖の中にいるであろう他のヘビータートルに遭遇する前に再び森の中へと入ることができた。ハートリーさん曰く、かなり近くまでヘビータートルが来ていたらしいが……まあ、あれだけ派手に音を立てればそりゃ気付くよな。

 ただ、ヘビータートルは図体のわりに臆病なところがある。フェルに投げ飛ばされた仲間よ姿を見て、近付いたはいいものの攻撃を躊躇したのかもしれないな。


「……それにしても、モンスターの気配が全くしないですね。ずっと風で探ってはいるのですが……」

「ひゅいっ」

「コチも見つけられていないようです」


 そして、今までならこのタイミングでステルスネークやフォレストスパイダーの襲撃を受けていたのだが……今回は、モンスターが近付いてくる気配さえ感じられない。強敵グリズリーベアの気配すらも感知できないのだ。その理由は、やはり……。


「ぐぉぉぉぅっっ!!」

――ドスンッ、ドスンッ!


 間違い無く、俺たちの前を歩くフェルの存在だろう。フルサイズのフェルが放つ強烈な威圧感に加えて、森に棲むモンスターは総じて火に弱いのばかりだ。ステルスネークにフォレストスパイダー、グリズリーベアも火に弱いのだから、余計にフェルを怖がって近付いてこないのだろう。


 まあ、ヘビータートルは属性相性的にフェルの方が不利なので、フェルを知らない個体ならまだ相対してくる可能性はあるのだが……同階層に2箇所も湖があるとはさすがに考えにくいので、帰途につくまでヘビータートルと戦うことはもう無いだろう。そうなれば、後は森の道を進んで下り階段を見つけるだけだ。




「お、着いたな」


 そして歩くこと、数分後。遂に俺たちは、第20層への下り階段までたどり着いた。


「ぐぉぉぉぅっっ!!」

――シュルシュルシュル……


 フェルの体がみるみるうちに縮んでいく。そうしていつものミニサイズになったフェルは、定位置である俺の頭上に移動した。


 俺たちは早速階段を下りて、途中のステップ部分に腰掛ける。ここなら


「……さて、どうするみんな? ボス戦は明日にして、先に寝るか?」


 ダンジョン内は常に一定の光量があるので、時間感覚がおかしくなりがちなのだが……外は既に夕方を越え、夜もだいぶ深まってきている。加えて疲れが残った状態で、未知のボスと戦うのは良くないのではないかと思ったわけだ。

 ……そう思って聞いてみたが、案外みんなケロッとした様子だ。


「うーん、思ってたよりも消耗してないからな。すぐにボス戦でも、俺は構わないぜ」

「私も、恩田さんたちのおかげでだいぶ楽させてもらったもの。十分に余裕はあるわ」


 嘉納さんと菅沼さんは大丈夫そうだ。無理している様子は一切無く、本当に余裕があるように見える。

 ……これを見ると、いかにステルスネークの存在が2人にとってネックだったかがよく分かるな。第15〜19層を抜けるなら、やはり斥候役は必須というわけだ。


「あ、私もいつでもオッケーなのです」

「私もいけます」

「私も、いつでも大丈夫です」

「ワタシもいいネ〜」

「ひゅいっ!」

「ざぶぅっ!」


 九十九さん、帯刀さん、三条さん、ハートリーさん、コチとシズクも問題無さそうだ。


「きぃっ!」

「ぐぉぅっ!」

「ぱぁ」


 ヒナタとフェルがやる気満々で、アキがあまり興味無さそうなのもいつも通りだ。


「いつでも良いわよ、高良さん?」


 ……うん?


「朱音さん?」

「あら、どうしたのかしら?」


 何でもないように朱音さんが言うが、その目と名前呼びなところをみれば何となく意図は伝わってくる。『いつでも良い』と言ったのも、持たせた意味はおそらく1つだけじゃないはずだ。


「……後でな」

「期待してるわよ♪」


 朱音さんが、とても楽しげな笑顔を浮かべる。それにつられて、俺もつい笑ってしまった。

 ……よし、良い感じに肩の力も抜けたな。


「それじゃあ、先に進もうか」


 早速、第20層へと突入する。ここにも情報封鎖の呪いがかかっていることから、ボス戦があるのはほぼ間違いないだろう。

 さて、第20層ではどんなボスが出てくるのだろうか……?



 ◇



「………」


 第20層へと足を踏み入れる。そこには、圧巻の光景が広がっていた。


「……これは、凄いわね」

「……ああ、そうだな」


 第20層も、引き続き森林地帯のような風景が広がっている。ただ、第15〜19層で見たような雑多な感じの森ではなく……どちらかと言えば、よく手入れされた鎮守の森ような神聖さを感じる風景だ。

 枝葉が低い所に全く無く、それでいて幹が太く背の高い木……どこぞの千年樹かと思うようなそれが、道を作るように両脇に並んでいる。メタセコイア並木を見たことがあるなら、それを思い浮かべてもらえばイメージとしては分かりやすいだろう。葉は夏場の深緑色をしており、天を覆うように生い茂っている。


「明るいな」


 木の枝葉で空が覆われているわりに、不思議と周囲は明るい。木漏れ日かと思ったのだが、上を見てみるとどうも違うようだ。


「……あれのおかげか」


 木の高所部から伸びた枝葉が、ところどころ発光しているのが見える。これが光源となり、俺たちの視界を照らしてくれているようだ。それでいて奥の方が光っておらず、薄暗くぼやけて見えるのは……ボスの姿をうまく覆い隠すための演出か。

 ……それにしても、光る木というのは初めて見るな、なんとも不思議な木だ。日◯のCMじゃないけど、こういう木がもし外にあったら間違い無く観光名所になるな。


「……いいねえ、この雰囲気。気が引き締まるというか、なんというか」

「第10層もそうだったけど、『強いモンスターがこれから出てくるぞ!』って感じが凄いするのよね」

「燃えてきたのです、私の魔力も昂ぶっているのです」

「せっかくここまで来たのですから、絶対に勝ちましょう」

「私の刀が、果たしてどこまで通用するでしょうか?」

「楽しくなってきたネ〜♪」

「きぃっ!」

「ぐぉぅっ!」

「ぱぁ」

「ひゅいっ!」

「ざぶぅっ!」


 アキ以外の全員が、静かに気を昂らせている。アキはいつも通り、自然体で朱音さんの


「さあ、先に進みましょう、高良さん」

「おう」


 定規か何かできっちり揃えたかのように、全く同じ間隔で立ち並ぶ巨大な木々。その間を、俺たち13人はまっすぐ進んでいく。


 ……やがて、並木が大きく円形の広場を形作っている場所まで来た。どうやらここが、ボスと戦う場であるらしい。


「ボスは……」


 周囲を見回すが、広場の中央に大きな木があること以外には、特に変わったところは無い。その木はまさに日◯の木といったような見た目をしており、樹高はそこそこながら枝葉が大きく平面方向に広がっている。

 ……ということは、まさかコレが――




――ゴゴゴゴゴゴ……

「っ! 全員、戦闘用意!」


 突如として地面が揺れ始め、なんと広場中央の日◯の木が幹を軸にゆっくりと回転し始めた。

 そして、木がちょうど180度回った時。その立派な幹には、明らかに人のような顔が浮かび上がっていた。


「まさか、この木が第20層のボスか!?」

『……ヨクキタナ、ニンゲンドモヨ』

「やっぱり喋りやがった!」


 ゴブリンジェネラルやゴブリンキングもそうだったが、ボスというのは言語能力を標準搭載しているらしい。その分、知能は他のモンスターに比べて段違いに高いのだろう。


『ワガナハ、"オノドリム"。キニヤドリシ、ジャアクナルセイレイデアル。

 サア、ニンゲンドモヨ。コノサキニススミタケレバ、ワレヲミゴト、ウチタオシテミセヨ!』


 幹に浮かび上がった顔が、こちらを鋭く睨みつける。

 第20層ボス、オノドリムとの戦いが始まった。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓新作始めました
魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~

まだ始めたばかりですが、こちらもよろしくお願いいたします。
― 新着の感想 ―
 邪悪な割に、名乗りが紳士。
「どうも~!巨大な樹に宿った邪悪な精霊で~す!」って感じのピン芸人な雰囲気が……(笑) 『☆のカービィ』シリーズの最弱の中ボスキャラに似てるので、つい「落としてくる木の実をぶつけたら楽勝クリア出来そう…
自己紹介で邪悪な精霊言われても……なんか定型文読んでる感じが有るw むしろキチンと自己紹介出来て好感度上がるまである。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ