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【資格マスター】な元社畜の現代ダンジョン攻略記  作者: SUN_RISE
第2章:朱き飃風は母を想いて舞い踊る

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21/215

2−14:良いアイデア、閃いた!


 いつも本小説をお読み頂きまして、ありがとうございます。


 作者より、読者の皆様にお知らせいたします。

 作者の資格試験日が迫っておりますため、1月20日以降の投稿が遅れる可能性があります。

 1月17日(水)投稿予定分までの2話は予約済ですが、その後の投稿が遅れる可能性がありますことを、先にお詫び申し上げます。


 遅れる場合は、活動報告並びに17日投稿予定話の前書きにて追記させて頂きますので、どうかご了承ください。



 また、1月9日をもちまして、5000名を超える方に本小説をブックマークして頂きました。皆様、本当にありがとうございます。

 今後とも、本小説をよろしくお願いいたします。



---ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ!

「ん、ちょうど時間か」


 第1層まで戻ってきたところで、午後3時を知らせるアラームがスマホから鳴り響く。最短距離でここまで撤退してきたが、それでも第3層でゴブリン10体、ブラックバット8体、ホーンラビット3体、第2層ではブラックバット10体、ホーンラビット4体との戦闘になった。もちろん全て無傷で倒し、魔石の他に武器珠が1つ、防具珠が1つ、装飾珠が1つドロップしている。

 第4層のあの大群と戦った後だと、散発的に出てくるモンスターとの戦闘が生温く感じてしまう。なるべく油断しないように気を付けてはいるのだが、どうにも気が抜けてしまうのだ。

 ……まあ、無駄に肩肘張らなくなったと捉えればプラスとも言えるか。ともかく、ここが危険な場所だという認識だけは常に持っておかなければ。

 魔力残量は、なんだかんだで3割ほど。余裕を持って今日の探索を終えられそうだ。


「……ではこ……んで、みな…んさ……ら」

「……ん?」


 ゲートに向けて歩いていると、何やらゲート前広場の方から声がする。他の探索者だろうか?

 そっと広場を覗いてみると、茶髪の男二人組がいる。背が低い方はカメラのようなものをもう一人に向けて構え、背の高い方がカメラに向けて手を振っているようだ。


「……もしかして、動画配信者か?」


 その姿にピンときた。おそらく彼らは、ダンジョン探索の様子を動画にして配信しているのだろう。

 今は個人がチャンネルを持ち、誰もが気軽に動画を配信できる時代だ。競争相手が多くなり、レッドオーシャンとなった界隈では常に新しい何かを皆が求めている。配信者も、視聴者も。

 そういう意味で、日本では一般開放されて3ヶ月も経っていないダンジョンは、両者の目にはさぞ魅力的に映るのだろう。そのうち、彼らのような配信者はダンチューバーとか呼ばれるようになるのかもしれない。


「ん? そう言えば、普通はダンジョン内って電波届かないよな?」


 だからこそ、録画したものを編集して配信しているのだろう。電波が届かず、生放送が実現不可能なのだから仕方な……あれ、ちょっと待てよ?


「……!!」


 それ、【資格マスター】で解決できるんじゃないか?



 ☆


資格名:第二級陸上特殊無線技士

効果:頭頂を中心とした半径5メートル以内にある無線機について、ダンジョン第15層まで電波が届くようになる


 ☆



 今の状態ではさすがに無理だが、資格を取得した後は魔力の消耗度合いは確実に減る。一考の余地はあるのではないだろうか。

 動画配信の経験は皆無だが、腹案として持っておこう。


「………」


 名も知らぬ動画配信者の2人には、心からの感謝を申し上げておく。どうもありがとう。


 ゲートから退出していく2人を見届けた後、広場を通って脇道に入る。さすがに他の探索者を見たあとで、堂々と広場で荷物整理する度胸は俺には無かった。

 ……最初からこうするべきだったかもな。反省せねば。


「"アイテムボックス・一覧"」



 ☆


・ブルースライムの魔石×1

・ホーンラビットの魔石×59

・ブラックバットの魔石×99

・ゴブリンの魔石×124

・ラッキーバタフライの魔石×2


・装備珠(赤・ランク1)×9

・装備珠(赤・ランク2)×2


・装備珠(青・ランク1)×8

・装備珠(青・ランク2)×3


・装備珠(黄・ランク1)×7

・装備珠(黄・ランク2)×1


・ホーンラビットの角×6


(以下略)


 ☆



「……見間違いじゃなかったか」


 大変気になる物が1つあるが、売却額が不明なので後回しにしておく。


 今日1日、ずっと探し求めていた武器珠ランク2と装飾珠ランク2。それが出たのは普通に嬉しい。武器珠ランク2はまた明日1つ使い、武器珠ランク2と装飾珠ランク2は朱音さんのために取っておこう。

 あとは、武器珠ランク1が2個、防具珠ランク2が2個を予備として取っておいて、残りは全て売却しよう。ランク1の装備珠が1個1000円、ランク2は3000円で売れるので、ランク1が22個とランク2が1個で、これだけで売却額は2万5000円になる。

 魔石は……数が多すぎて暗算ムリだなこれ。えっと、電卓、電卓っと。

 ブルースライム、10円。ホーンラビット、5900円。ブラックバット、9900円。ゴブリン、1万4880円。装備珠の売却額と合わせて、合計は……。


「ご、5万5690円……」


 ……嘘やろ、昨日の12倍を超えたぞ。

 今日は第4層まで行けたが、あの危険に見合うだけのリターンはあるってことか。2度と戦いたくはないのだが……まあ、そうもいかないよな。


 さて、最後はこれか。


「ホーンラビットの角……」


 ホーンラビットの角とはなんぞや?

 ……いやまあ、文字通り"ホーンラビットの角"以外の何物でもないんだろうけど、俺が言いたいのはそういうことではなく。なぜ急に、これだけの数の角がドロップしたのかが分からないのだ。

 これまで俺が見てきたドロップパターンは、"確定"・"確率"・"メモリアル"の3種類になる。だが、角のドロップパターンはそのどれとも違う気がするのだ。

 ドロップに何かしらの条件がある、ということだろうか? 特定の条件を満たしていればドロップする……いわゆる"特殊"とでも言うべきドロップパターンがあるのかもしれない。

 ……やっぱり、角を失ったホーンラビットを倒すと手に入るのかなあ。角を折った記憶は無いが、あの時は必死だったので細かい記憶があやふやだ。もしかしたら、何かしらの攻撃で角を折ったのかもしれない。

 まあ、それは明日ホーンラビットと遭遇した時にでも試してみるか。


 それで、角を換金に出すかどうかだが。魔石や装備珠と違い、ホーンラビットの角はパンフレットに値段が書かれていなかった。少なくとも初心者向けの内容ではないということだ。

 であれば、それなりのお値段となることが予想される。まずは1本出してみて、様子を見てみるか。



「"アイテムボックス・取d"……ん?」


 視界の端にブルースライムの姿が映る。それを見て無性に気になった。

 特殊ドロップ……もしかして、ブルースライムにも?


「………」


 ふと、ブルースライムの体内に浮かぶ丸い物体に目が留まる。ブルースライムの核とでもいうべきか、それが強酸性の体に守られるようにブルースライムの中心で浮いている。


「……おりゃっ」


 スタスタと近付き、意を決してブルースライムに左手を突っ込む。


「いだっ!? いだだだだだ!?」


 ジュウジュウという音と共に凄まじい痛みが手に走るが、構わず奥に進める。

 そして、核をしっかりと掴んだ。そこでさすがに限界が来たので、核ごと勢い良く手を引っこ抜く。


「っっっつぁ〜〜、ヒ、"ヒール"」


 焼け爛れた手にヒールをかけつつ、ブルースライムを見る。核を奪われたブルースライムは、苦しそうに体をグネグネさせた後……地面へ溶けるようにして消えていった。

 後には、魔石と()()()()()が残った。これで売却額は5万5700円になった。




「………」


 しばらく左手にヒールをかけ続けていたが、治療が終わったようなので魔法を止める。

 自分で治した左手を開いて、閉じて……突っ張るような感じも無いし、もう大丈夫そうだ。ついでに、ブルースライムの核自体が酸性を帯びているわけではないらしく、持っていても手は痛くならないようだ。

 ただ、左手をヒールで治すのに1割くらい魔力を消費した。昨日使った時に比べて5倍近く魔力を使ったが、ダメージの大きさに比例して魔力消費量も増えるらしい。

 【資格マスター】の消耗度合い軽減効果をもってしてもこの魔力消費量……即効で怪我を治すのには、それなり以上の対価が必要ってことなんだな。しっかりと肝に銘じておこう。


 それにしても、なんとなく思い付きでやってみたが……やはりブルースライムにも、特殊ドロップ的なものがあったのか。こうなるとブラックバットやゴブリンにも……?


「……"アイテムボックス・収納"」


 とりあえず、ブルースライムの核は売りには出さない。何か面白い使い道があるかもしれないので、今はアイテムボックスの中に収めておく。ついでに整頓のため、ブルースライムの魔石も一旦アイテムボックスに収めた。


「"アイテムボックス・取出"」


 そうして、改めて売却品を取り出す。収納と同じく一度に取り出せる個数に上限があるようで、ピッタリ50個だけリュックの中に出てきた。


「……むっ」


 リュックが少し重くなった。残りの個数的に……多分、あと5回くらいは唱えないといけないか。




「……まあ、なかなかの重さだな」


 全ての売却品をアイテムボックスから取り出した頃には、リュックの重みはかなりのものになっていた。どれくらいだろう、20キロくらいだろうか? もう少し重いかもしれない。

 その割にあまりキツくないのは、モンスターと戦って成長したおかげだろうか。あるいは、運動不足が解消されて筋肉が付いてきたってことか。

 ……後者は無いな、うん。たかが3日で筋肉が付くなら、探索者は今頃みんなムキムキだろう。ここはダンジョンの恩恵ということにしておくべきだな。


 さて、ゲートをくぐって退ダンだ。今日は換金所のおっちゃん、驚くだろうなぁ。


 いつこの設定を出そうか悩みつつ、早めにここで"特殊ドロップ"を出しました。

 特殊ドロップとは、モンスターを特定の状態で倒した時にのみドロップするアイテムです。例えば、今回のホーンラビットの角は"角が切り離された状態でホーンラビットを倒す"と入手できます。折っても切ってもオッケーで、とにかく角がホーンラビット本体から完全に分離していれば、確定でドロップします。ブルースライムはお読みの通りですね。

 本小説は基本的に恩田視点なので描写はしていません(つまり、本人はその場面を見ていません)が、ルビーレーザーで偶然にも角だけを切り飛ばされたホーンラビットからドロップしています。高低差のある場所で乱戦となったがゆえの、偶然の産物というわけですね。


 ちなみに、特殊ドロップは全モンスターに設定されています。ブルースライムにも、ブラックバットにも、ゴブリンにも……もちろん、ラッキーバタフライにも。今後出てくるモンスターにも、必ず1つは設定する予定です。



◇□◇□◇読者の皆様へ◇□◇□◇


 なろうに数多ある小説の中から、私の小説を読んで頂きまして誠にありがとうございます。


 読者の皆様へ、作者よりお願いがございます。


 皆様の率直な判定を頂きたいので、ページ下部より☆評価をお願いいたします。

 ☆1でも構いませんので、どうかよろしくお願いいたします。

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↓新作始めました
魔法に傾倒した大魔法士、転生して王国最強の魔法士となる ~ 僕の大切に手を出したらね、絶対に許さないよ? ~

まだ始めたばかりですが、こちらもよろしくお願いいたします。
― 新着の感想 ―
[一言] 複数ランクに分かれていて門外漢でも一番下のランクなら取りやすい資格なら、衛生管理者や知的財産管理技能士もおすすめです。 逆に言えば、一番下のランクがあっても現実社会ではさほど意味はないのです…
[良い点]  戦闘シーン以外も、ちゃんと書き込まれていて、リアリティがありますね! [気になる点]  ただ、配信モノにするなら、タグに書いておいてほしかった。(苦笑)
[一言] 作者様 資格試験頑張ってください。 この作品 面白くて投稿がたのしみなのですが、無理をせず長く続かせてください。
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