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渡鹿野島の特攻基地  作者: 広瀬修一
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志摩半島の戦争遺跡

志摩半島の特攻基地その他のトーチカなどネットで調べた基地一覧です。

これ以外にも人知れずに眠っている基地跡もかなりあると思います。


【加布良古基地】(鳥羽市安楽島)第60震洋隊

この加布良古かぶらこ基地は特攻艇『震洋』の基地で約20の壕が

掘られていました。

これらの壕は海岸から100メートル以上離れていました。

終戦間際の1945年7月に第60震洋隊が配置されて震洋1型が44隻、

震洋2型4隻が配備されました。

第60震洋隊は、全部で170名の部隊で、搭乗員は甲13期(土浦海軍航空隊)と

甲14期(滋賀海軍航空隊)の予科練から長崎県大村湾の川棚訓練基地で訓練を

受けた20歳前後の若者が中心でした。 

幸いに伊勢湾に米軍が上陸することはなく、敗戦後、特攻艇震洋は、

米軍により破壊されたり接収されました。

 

【鳥羽小型潜水艇基地】 鳥羽市小浜

鳥羽に小型潜水艦基地・伊勢防備隊魚雷調整場がありました。

この小型潜水艦というのは、小型潜水艇『海竜』や『蛟竜』ではなく終戦間際に

完成し始めていた波号潜水艦「潜高小型」でした。

しかしながら管轄していた第四特攻戦隊に、波号潜が配備された記録は

ありません。

基地には、魚雷格納庫を含め24本の壕が掘られ、4本の壕が現存してます。

当時とは海岸線の位置がかなり変わっており、崖全体が草木に覆われております。


【江原陣地】 鳥羽市相差おうさつ

相差は、的矢湾の北側に位置しており、砂浜の海岸が比較的広く、

アメリカ軍の上陸が想定されていました。アメリカ軍には、伊勢湾に上陸する

意志も計画もありませんでしたがこの江原陣地は、千鳥ヶ浜の北端にある丘陵を

全長約25メートルほどの地下壕が貫通しています。

コンクリート等は、まったく使用されておらず、岩盤を素掘りにしてあります。


【鳥居崎基地】 (磯部町的矢)第7海龍隊

終戦までに鳥居崎基地は、特殊潜航艇・海竜用の格納庫壕が3本掘られていました。

しかし現在は、海竜格納用の壕は戦後に消滅しており居住壕と思われる壕が

残っているだけです。           


【金着浦基地】(志摩市阿児町)第7海龍隊・蛟竜隊 

金着浦かなつうら基地は、小型潜水艇『海竜』『蛟龍』の基地で

約20の壕が掘られました。

的矢湾の基地では最も規模も大きく、的矢湾周辺基地の中心的な基地であったと

思われます。

基地周辺は、草木が茂り、海岸からは、基地は見えません。


【七尾田トーチカ】(大王町畔名口)

ここには本土決戦用の機関銃用のトーチカが完全な状態で残っております。


【浦渡基地】(度会郡南伊勢町迫間)第8海龍隊

ここは壕がコンクリート製のため完全なかたちで残っております。


【英虞基地】(志摩市浜島町迫子)蛟竜隊

この英虞あご基地は蛟竜用の基地でした。

素掘りされた壕は崩壊していますが、コンクリート製の発電機室用の壕が

残っており、蛟竜を海中へ降ろしたり、引き上げたりする斜路も残ってます。


その他にも的矢湾には阿児町安乗に震洋の格納壕が、磯部町三ヶ所にも格納壕が

掘られたという渡鹿野島に配属された三重空予科練生の証言もありました。



私も子供の頃に近所の山の中腹にあったトーチカの中で遊んでいました。

それがなんであるかも分からずに秘密基地として遊んでいたのですが

本物だったわけです。

現在では草木に覆われていて外からは見えません。

もしかすると取り壊されているかもしれません。

他にも今ではサーフィンで全国的に有名になっている国府の浜の海岸の

北側の付け根の岩山の裏側に防空壕があったので中に入って探検ごっこをして

いたのですがその奥にはいくつかの横穴がありそのひとつが上の方に伸び

一番先には天穴が開いていて登りきると長く伸びた海岸線が一望できるように

なっていました。

今思うと米軍の上陸を見張っていたのでしょう。

残念ながら現在では入り口が完全に埋められていてその上に建物が立って

しまっているので見ることは出来ません。


「参考文献」

「志摩半島の戦争遺跡--第19突撃隊を中心に」 岩脇 彰

『三重の戦争遺跡』(三重県歴史教育者協議会 つむぎ出版)

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