表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セブン・リングス  作者: しおばな
25/30

再会

ジーランド諸島を出港して45時間。


ガレ、ルー、リリー、メアの4人はニウ・カレトリア本島に到着した。


ニウ・カレトリアは天国のような島として有名で観光で訪れる人が多い。


ルーは初めてみるカレトリアの景色に感動していた。


ロストダリアやジーランドの海も美しいけれどカレトリアの海青さは別格だ。


貝殻が砕けて出来きた真っ白な砂浜に穏やかな波が打ち寄せる。


見ているだけで心が洗われる。

まさに天国のような島だ。


そしてここは、ガレの故郷。


ガレは懐かしそうに港を見回した。


「…俺は会わなきゃならない人がいる。その人の所へ行ってもいいか?この港町で宿をとって待っていてくれ」


ガレは3人に言った。


「もちろん。あんたの故郷だもの」

「うん。会いたい人がいるなんて素敵ね」


リリーが即答しメアもすぐに同意した。


「ルー、お前は…一緒にきてくれないか?」


ガレはルーを見つめた。ガレがルーを誰に会わせたいのかすぐにわかった。クロエさんに会いに行くのだろう。


「うん」


頷くとガレと共に歩きだした。


港でリリーとメアとは別れ、ガレとルーは海岸線を歩いた。ガレ曰くここをずっと歩いていくとリゾート地があり、その近くにガレの家があるのだという。


ルーはずっとガレに聞けずにいたことを聞いてみた。


「ガレって家族はいるの?」

「いない。俺は捨て子で、赤ん坊のときに海岸に捨てられてたそうだ。この地区の長老が俺を引き取ってくれた。でも俺は島の人達全員に育ててもらったようなもんだよ。みんな身寄りのない俺を自分の子供みたいに育ててくれた」

「…そうなんだ」

「長老は二年前に亡くなって、それから半年くらいは俺が住まわせてもらってたけど今はどうなってるかな。長く帰らないから好きにしていいって出ていったから。民宿にでもなってるかもしれない」

「ガレはカレトリアにはずいぶん帰ってないの?」

「1年半くらい前にカレトリアをでた」

「なんで?旅に出るにしても16になるまで待てばよかったじゃないか。クロエさんとのことがあったから…焦る気持ちもわかるけど14じゃ行動制限が多すぎるだろ」

「長老が死んですぐ俺のところにステファンって旅人の男が来てな。そいつはリングスだった」

「!」

「俺はステファンに金属の使い方とか、亡霊の倒し方とか教えてもらったんだよ。俺が本格的にセブン・リングス伝説を信じようって思ったきっかけもステファンだ。ステファンは…自分のことを話したがらないやつだったけど若い頃はセブン・リングス伝説を追ってたらしくて色々話してくれた」

「ステファンは今どうしてるの?」


ガレは少し表情を強ばらせた。


「もう死んだよ。俺が旅立つ前の日に」

「そうなんだ…」


ルーはなんと答えていいかわからなかった。なんとなく、深く聞いてはいけないことのように思えた。


歩いていくと、そのうちヤシの木が増えてきた。少し先にポツリポツリと建物が見えてくる。


ここから先がリゾート地なんだろう。


ガレは少しソワソワした様子で先へ進んだ。嬉しさと不安が入り交じっているような表情だ。


その顔は能天気モードのガレとは違う意味で子供っぽく感じた。年相応の少年がみせる表情だ。


さらに建物に近くとそこにはリゾート客用の宿泊施設とは別に、小さな飲食店があった。

オープンテラスの席に一組だけお客さんがいる。


ガレは飲食店には入らず待っていた。


すると店内から両手に料理を持った女の子がでてきた。


褐色の肌に白い髪。

ルーは一目みて誰だかわかった。


クロエだ。


彼女は料理を客席に運ぶとにこやかに接客をした。そして振り向き様にこちらをみた。


クロエはしばらく立ち尽くすと、ゆっくりとこちらに歩いてきた。


そしてガレとルーの目の前に立った。


クロエはガレをまっすぐ見つめたまま、何も話さない。


ルーは今までガレの記憶を通してクロエをみていたから朧気にしか姿を見たことがなかったが、生でみるクロエはとても綺麗な女の子だった。


セミロングの髪は白というより乳白色。褐色肌とのコントラストが美しい。そして何よりも特徴的なのはその瞳だった。乳白色の中に七色の虹彩が混じっている。


ルーの瞳にも似たような七色の虹彩があるが、黒いから光に当たらないと目立たない。けれどクロエの瞳は目立つ。思わず見つめてしまうほど美しい。


「ガレ」


クロエはよく通る声でガレの名前を呼んだ。その瞳には涙が浮かんでいた。瞳の色に反射して涙も七色に見える。


「ただいま、クロエ」


ガレも泣きそうな顔で返事をした。


そしてそれを合図に二人は抱き合い、


キスをした。


長くて深いキスだった。


ルーはそれを眺めていた。


ガレとクロエが再会でて良かった。

とても嬉しい。


しかし同時にルーの心の奥で説明ができない感情が沸き起こった。


もう見たくない。


そんな思考がよぎる。


ガレのキスをみるのが恥ずかしいから?いや違う。そんなんじゃない。


この気持ちはなんだ?


指輪が熱をもつ。


再会したガレとクロエ。


幸せそうな二人をみてルーの心に変化が起こりつつあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ