おはだけ
なんだコイツ、居たのか。
「俺達は元々ここの予約を取っていたから、別に芸能人や撮影隊を追っ掛けてここに泊まってるワケじゃない。
それにエキストラも急にやってくれって言われただけでエキストラをやるためにここに来たワケじゃないしな。」
「そうか、それならもう2度と会う事は無いだろう。
ではな。」
後で会うかもなと言っても仕方ないので、俺は黙って見送った。
アイツが居るっていう事は、明日もこの辺りで撮影するんだろう。
俺も長風呂では無いので、有希より先に部屋で待っていよう。
浴衣は部屋で着る分にはいいんだが、この後バイキングで歩き回るし、宴会場に行っても動き回るから、有希の浴衣がはだけたりしたら、有希の下着とかを他の男に見られてしまう…
だから有希が帰って来たら、普通の服装で行こうって言おう。
やはり女の子は長風呂だ、食事の時間まではまだあるが、部屋に帰って来ないのが何だか心配になって来る。
俺って結構独占欲があったらしい。
独りソワソワして部屋で待っていると、有希が浴衣で帰って来た。
旅館の普通の浴衣なのに、有希が着ると、
「可愛い…。
やっぱりダメだ、普通の服装でないと。」
「えっ、何がダメ?」
突然ダメ出しをされた有希は困惑顔でコチラを見ている。
俺は、
「浴衣だと、はだけて有希の下着が見えてしまうかもしれないから、夕食と宴会場には普通の服装で行って欲しい。」
と伝えたら、
「えっ…うん、そうだね、浴衣は部屋の中でだけ着るね。
お兄ちゃん…私の下着が見える所、想像したの…?」
有希がちょっとイジワルな顔で畳の部屋に座り込み、女の子座りになって聞いて来る。
浴衣が少しはだけて、脚の隙間から何か見えそうな気がする…ってちょっとちょっと、有希ってこんな小悪魔要素あったの?
午前中の日焼け止めを塗る時もそうだけど、有希って少しSっ気があるのかな、それともただフザケてるだけ…?
俺はMでは無いよ?
Sでも無いけど…
でもヤラれるくらいならヤるかな、だからやり返してしまえ。
「うん、想像しちゃった…
他の男には絶対に見られたく無いよ、俺って独占欲が強いのかもしれない…。
だから、俺にだけ見せてくれる?」
俺は正座しながら真顔で有希の顔を見つめると、有希は真っ赤になりながら両手で顔を覆い隠し、思いっ切り恥ずかしがりながらも、
「…はい…。」
と答えたので、もうイジるのは止めにする。
きっと俺も赤くなっているだろう。
「ゴメンゴメン、有希が俺の事をからかって来るから、俺も仕返ししちゃった。」
「………ッ!」
有希は声にならない声を上げ、俺の胸をポカポカと叩いてくる。
なんか毎度お馴染みになって来たな(笑)
俺は有希の頭を撫でた後、そっと抱き締めた。
「有希…俺も男の子だから、いつかは有希と、その…
そういうコトもしたいと思う。
でも、無理はしなくていいんだ。
有希がそういうコトをしたいと思える時が来るまで、俺はずっと待つから。
そしたら、俺と…その…
してくれるかな…?」
「…うん…私も普通の女の子だから、そういうコトに興味が無いワケじゃないの…。
でも、まだちょっと怖いかな…
お兄ちゃんが怖いとかじゃ無くて、その…痛いとか聞くし…
もう少しだけ待ってください…。」
「あぁ、俺は有希と出逢わなければ、今後もずっと独りだったと思うから、有希さえイヤじゃなければ、いつまでだって待つよ。」
「お兄ちゃん…大好き…。」
「あぁ、俺も有希が大好きだよ…。」
2人は暫くイチャイチャしていた。




