ホテルにて
俺達は2人して顔が真っ赤だったと思うが、夕陽が当たっていたのでハッキリとは判らなかっただろう。
キスをして暫く抱き締め合った後、また恋人繋ぎをしながら車に戻ってホテルに向かった。
2人してポーッとしていたのか、会話をしたかどうかもあまり覚えてはいない。
本日の宿は黄金崎からすぐ近くのプール付きのホテルだ。
ここのプールは宿泊客なら誰でも利用出来、チェックインの前でも泳いでいい事になっている。
夕食も朝食もバイキングで夜はアルコール、ソフトドリンクも飲み放題のプランになっている。
部屋に持って来てもらった少量の料理をちまちま食べるより、好きなモノを好きなだけ食べれるこのプランの方が俺は好きだ。
有希はどうかな、今回は俺が予約してしまったが、今後出掛ける時はよく話し合って決めよう。
ホテルに着いたが、見慣れたマイクロバスが…
デカいオカマがクネクネ歩いている。
「さっきぶり、オネェ様。」
「貴方達…今日の宿泊先はココだったのね、じゃあ一緒に飲むわよっ!」
そう言いながら俺に肩パンしてきた。
「い…痛ぇ…オネェ様、ココロは乙女かもしんないけどさ、身体能力はスゴいんだから手加減してよ。」
「アタシだって、こんな身体に生まれて来たくはなかったわよっ!」
と笑っていた。
いい旅を、とか言って別れたのに、また会ってしまった気マズさを勢いで誤魔化したな(笑)。
「オネェ様達は個室で食事じゃないの?
俺達はバイキングだから。」
「まぁ宴会場だけど、1人や2人増えたって判りゃしないわよ、こっちは40人くらい居るんだから。
食べたらいらっしゃいな。
アタシちょっと貴方達の馴初めに興味あるわ。」
「馴初めって(笑)
まぁ色んな職種の人と触れ合うのは有希にもいい経験になるから、有希がよければお邪魔しようかな。」
「私も進路決まって無いし、色んな職業の人の話を聞きたい。」
「よっし、じゃあお邪魔するよ。
宴会場の会場名は?」
「まんまSBTよ。」
「了解、ではまた後で。」
オネェ様と別れると、まずチェックイン、仲居さんに部屋に案内されてひと通りホテルの説明を受け、仲居さんが退出すると部屋を見回した。
普通の部屋だなー。
窓際にテーブルと2脚の椅子、冷蔵庫、タオル掛け、和室、トイレ、風呂、洗面所がある。
まぁでも眺めはいい。
下はホテルのプール、その先は海が見える、波は穏やかだ。
俺達は早速温泉の大浴場に行く事にした。
大浴場の入口付近までは有希と一緒に来たが、後はそれぞれ男湯女湯の風呂に入り、先に出た方がフロントに預けた鍵を受け取って部屋で待つと決めた。
中に入り服を脱ぐと内風呂の脇にある洗い場で身体を洗い、まずは内風呂に入る。
ふぃー。疲れたなー、日帰りじゃ無くて本当に良かった、身体を動かした後の帰りの運転は眠気との闘いだからな。
居眠り運転したら死んじまう。
ここは露天風呂もあるので、勿論入りに移動する。
ぷふー。ここの効能は何だろうなー…とか考えてたら、
「何だ…
何故エキストラがここに居る?」
日野涼真が横で不機嫌な顔をして温泉に浸かっていた。




