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黄金崎➄エキストラ

 俺は4日に1度夜勤があるから、1度でも見逃すと悲しいので連続ドラマは見ない様にしている。

 

 このドラマは既に放送が始まっている、耳が聴こえない障害を持つ男と健常者の女が出逢って恋愛をするという物語だ。  


 主演はどちらもイケメンと美少女で、芸能人に会う機会など無いから間近で見れるのは良い事だとは思うが、まぁ興味は無い。

 もう今後会う事も無いしな。


 主演俳優は日野涼真ひのりょうまという20代後半のスラッとした背の高い爽やかイケメンと、主演女優は高坂真由こうさかまゆという18歳で同じくスラッとして背は高いが出るところは出ている黒髪ロングの綺麗系演技派現役女子高生だ。


 ちょうど昼時で、ロケの連中もその主演2人を中心にバーベキューをしている。

 あんな大量の食事の準備もして、ADの人達も大変だろうなぁ…。


 取り敢えずコチラもレジャーシートを展開して、少し食休みだ。

 ついでに日焼け止めの追加も忘れずに。


 俺達は遊んでていいと言われていたので撮影を気にせず、海に入る前にレジャーシートを折り畳み、また岩場に隠してシュノーケリングを楽しんだ。


 すると、オネェ様からメガホンでお呼びが掛かる。

 

 「さぁ、給料払うんだから、仕事をしてもらうわよん。」


 「オネェ様、何をすれば?」


 「いいと言われるまでソコの波打ち際で2人並んでイチャイチャしてて。

 カット!って言う声と、用意…ハイ!って言う声の間はラクにしてていいから。

 カメラの方は見ちゃだめよ?」


 「「了解です!」」


 俺達はラッシュガードを着ていたが、オネェ様がメガホンで、


 『オマワリ、女の子は仕方ないとして、オマワリは上着を脱ぎなさい。』


 「何だよその呼び方…

 仕事中みたいでイヤだな…。」


 『聞こえてるわよ、これだって仕事中なんだからね、シャキッとしなさい、シャキッと!』

 

 「イエス、マム!」


 撮影隊中で爆笑が起きる。

 すると日野は独りだけ苛立たしげに、


 「監督、エキストラなんて放っといて、撮影を進めましょう。

 暑くて堪らない。」


 「アラ、涼真ちゃんごめんなさいね、早く終わらせましょう。」


 撮影が進んでいる間に有希が小声で、


 「お兄ちゃん、日野さんがオネェ様の事を監督って言ってたけど、オネェ様はディレクターっていう役職じゃないの?」


 「あぁ、ドラマのディレクターは監督も仕事のうちなんだよ。

 ディレクターは現場の総指揮をするんだ。」


 「へぇー、お兄ちゃんて何でも知ってるんだね。」


 「イヤイヤ、有希より長く生きてるしな。

 以前調べたのを覚えてただけ。」


 『オマワリ、もうちょっと静かにしなさい。』


 「へーい兄貴あにち、ガッテン承知の助でさぁ。」


 『オマワリ、お前本当はいくつなの?

 オネェ様とお呼び!』


 「エッ?俺?

 18の時、36に見えるって言われた事あるよ。」


 またもや俺達の遣り取りは笑いを誘う。

 高坂さんも笑ってた。

 それを見た日野は悔しそうな顔を俺に向けていた。

 イヤー、ブサイクが笑いを取ったってイケメンに影響は無いだろうに…

 そんなにブサイクがお嫌いですか?

 それか、飛入りのエキストラが目立ってるのが腹立たしいのか。

 あぁ、高坂さんに気があるのかもしれない。

 日野さんよ、悪かったな。


 

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