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体育祭⑦謝罪

 有希は少し考えた後、白石に近付いた。


 「私は白石さんに理不尽な理由でイジメられて、精神的にも肉体的にも追い込まれて、自殺を考えて大涌谷に行きました。

 でも、そこで自殺を止めてくれた人に出逢いました。

 その人は私と同じ様な過去を持ちながらも明るく前向きに生きていて、私のイジメの話を真剣に聞いてくれて、私のために泣いてくれました。

 イジメの解決方法や、『死ぬ気でやれば、何でも出来る』という心構えも教えてくれました。

 そして学校にまで一緒に来てくれて、イジメを握り潰そうとした先生方と闘ってくれました。

 その人は学校に私の居場所を新しく作ってくれた後、自分は嫌われ者だから、と見返りを求めずに私の元から立ち去ろうとしました。

 事実、彼はその後も自分から私に連絡はして来ませんでした。

 私はなんと素晴らしい人と出逢えたんだろうと思いました。

 人生を捨てにいったら、人生最大の出逢いが待っていたんです。

 私には彼が付いていてくれるので、もう貴女が怖くはありません。

 私の心はもう二度と貴女に屈しない。

 そして、私は生きることを二度と諦めない。

 私は貴女を訴えない、だから貴女も顔で選ぶ男なんか忘れて、本当の出逢いを見つけてください。

 私は貴女を許します。」


 有希はそう言うと、横たわっていた白石を起こした。


 白石は項垂れたまま暫く沈黙した後、


 「…ごめんなさい…

 私が悪かったわ…

 本当に…ごめんなさい…。」


 と初めて謝罪を口にした。


 付近で騒動を見ていた人が通報したのか、学校の先生と思われる男性と女性が現れ、白石を連れて行こうとした。

 白石は振り向きざま、


 「…で、あんたのその横にいるのが、出逢えた人?」


 有希が頷くと、白石は


 「…ないわー。

 私にはもうちょっといい男が現れないかしら…。」


と微笑しながら先生に連れられて行った。


 …有希の顔は、ミッフ○ーちゃんみたいに口がバツになっていた。

 多分俺も口がミッ○ィーちゃんになってたと思う。


 やっぱなー、こういうオチなんだよなー、本当…

 長生きしたくないわー、早くあの世からお迎えが来て欲しい…。


 俺がそう思っていると、有希が腕に抱き付いて来た。

 はわー、柔らけ。


 「お兄ちゃん、ヘンな事考えてるでしょ。

 白石さんの言った事は気にしないのっ。

 あれは白石さんが思ってる事で、私は違うんだからね。

 さ、職員室行って今回の件を説明して来よ。

 どうせボイスレコーダーのスイッチ押してあるんでしょ?」


 「よく判ったな、白石の顔は画像で見て知ってたからさ、絶対に何かあるんじゃないかと思って学校にボイスレコーダー持って来てたんだ。」


 「さっすがお兄ちゃんだよねー。

 それが終わったら、2人で隠れてお弁当食べながら、先生のメモと生徒から抱きつかれてた件を聞かせてもらうからねっ。」


 更に腕がギューっと締め付けられて…はわわー、幸せ…。


 この後、幸いにも警察には連絡が行ってなかったので、学校の処分だけで済ますという方針が決まった。

 俺達は大変だっただろうから帰ってもいいと言われたのだが、有希が最後の体育祭なので、閉会式まで居残りたいとの一言により、借り物競走とリレーも参加する事になった。

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