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ペアリング

 進路の家族会議の翌日、御殿場のショッピングモールにペアリングを買いに来た。

 どうやら有希は忘れていなかった様だ。

 

 「お兄ちゃん、ペアリング…忘れてないよね…?

 明日は御殿場に行くんだよ…?」


 何だか背後からゴゴゴゴゴ…と音が聞こえて来そうな程、凄く迫力がある気がする…


 「あ、あぁ、忘れてはいないよ、うん…行こうか…。」


 そして今に至る。

 

 ここに来れば、大体のモノは手に入る。

 なんかなー、場違い感がハンパない。

 アクセサリー店とか、ものスゴく入りたくないんだが…

 下着の店も一緒に行ってくれとか言われてもイヤだけど…

 イヤ、絶対にそんな事一生言われないだろうから考えても仕方ないが、とにかくスゴいヘンな汗が出て来る。

 

 「いらっしゃいませ。」


 パリッとした制服を着たお姉さんが近寄って来る。

 

 あー、来ないでーっ!

 遠くから生温かい目で見ててよ、話しかけないでーっ!


 「何かお探しでしょうか?」


 「ダイジョブデース。」


 そしてお姉さんから遠ざかる。


 「ちょっとお兄ちゃん、何で逃げるのっ?

 お姉さんから話を聞こうよ。」

 

 「イヤ、苦手なんだよ、商品じっくり見てから最後に話を聞きたいのに、最初から俺のパーソナルスペースに入って来て余計なプレッシャー掛けて来るから、商品見る前から逃げたくなっちゃうんだよ、これは服屋さんとか寄って来る店員さん全てに当てはまるんだけどさ、解るかなー、解かんないだろうなー。」


 「お兄ちゃん、マシンガントークだね…

 ヘンな汗かいてるし、本当にイヤなんだね…

 私とペアリングするの、そんなにイヤ…?」


 有希が泣きそうな目で俺を見上げて来る。


 あぁ、違うんだよ、有希を悲しませたい訳じゃないんだ…


 「じゃあ、チョット引き気味で見てていい?

 俺は寄って来る店員さんが苦手なだけなんだ、有希と一緒がイヤな訳じゃ無いんだよ…。」


 「本当…?」


 「あぁ、本当だよ。

 でもまだ1店舗目だよ、店員さんと話すのはデザインを色んな店で見て決めてからでもいいんじゃないのか?」


 「それもそうだね。」


 有希もまずは気に入ったデザインを見つけてから店員さんと話す事に納得してくれた様だ。


 「お決まりでしたらお伺いします。」


 「「ダイジョブデース。」」


 2人してお姉さんから遠ざかりながら笑った。


 

 その後、数店舗を見て回った時にプラチナの曲線が優美なペアリングを見つけた。

 プラチナ製なのに他の店より大分安かったので手に取って見たところ、ナルホド、リングの裏側が少し空洞になってる。

 空洞の部分の材料費分が安いんだな。

 見た目的には問題無いし、これでいいんじゃないかな…という目で有希にアイコンタクトしたところ、有希も頷いていたので、店員さんを呼ぶ事にした。

 

 

 ふぅ、買った買った。

 サイズがあって良かった。

 

 アクセサリー店の外に出て次に食事をしようと店を探したが、どこも満員で客が列を成していた。

 土曜日だもんな、厳しいな…。


 「やっぱりねー。

 こんな事だろうと思って、お弁当用意して来たから、どこかで食べよう。」


 「さすがだねー、いつもココに来てるから状況が解ってる!

 俺も有希の弁当の方がいい。」


 「お兄ちゃん、私の料理好き?」

 

 「あぁ、好きだよ。

 もう有希に胃袋掴まれちゃったなぁ。」


 と俺が笑うと、有希はポッと耳まで赤くして恥ずかしそうに、


 「お兄ちゃん、どこか景色のいい公園でも探そう。」


 と俺から顔を隠す様に後ろを向き、暫く振り返らなかった。 

 俺達は車まで戻った後、絶景の公園を目指して移動した。

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