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桃源郷

 河口湖の北側にあるパン屋はホワイトチョコとナッツが入っているパン等が美味しいので、俺と有希の分をいくつか買う。

 帰りに腹が減ったら車の中でこれを食べてもらおう。


 このパン屋の横の湖畔では富士山と湖をバックにいい写真が撮れる。

 有希が、

 

 「私独りじゃ寂しいよ。」


 と言うので、ここでも2人で写真を撮る事になった。

 こんな美人と近寄るのはやっぱり慣れないな、緊張する。

 有希が俺の背中にまた手を回して来た。

 俺も手を回したりなんかしちゃったりして…

 イヤ、ダメだダメだ。

 

 箱根神社では笑ったつもりが全然笑顔になってなかったので、今回はもっと笑ってみよう。

 撮れた写真を有希が確認する。

 

 「www」


 どれどれ、俺も確認するが…ニヘラッとして、いやらしい顔になっていた。

 もう俺はどうしたらいいのか…

もう笑うのはヤメだ、普通でいいや。

 

 有希に撮り直しを頼んでもう1度撮ったが、ニヘラッとしたのは消さないそうだ、これはこれでいいとの事。

よく解らん…。



 次は山を越えて勝沼へと向かう。

 山を越えた所で、山という山、周辺全てが桃色に染まっているのが車窓から見えた。

 

 「凄い…これ全部が桃の花?」


 「そうだよ、正に桃源郷。

 今日の見せたかったうちの1つだね。

 桜が満開の頃に来ると、見渡す限りの山が桃色に包まれるんだ。

 この時期にしか見れない景色だよ。」


 「うわー……

 綺麗だね、初めて見た。」


と有希はニッコリ笑顔になる。 

 

 そうだ、俺はこの笑顔を見るためにここに来たのだ。

 

 有希に、有希の知らない世界を色々と見せてあげたい。

 俺の出来る範囲で有希に色々と体験させてあげたい、そして笑顔にしてあげたい。


 生きていれば、楽しい事はこれから沢山あるんだよ、って…。


 これから彼女は様々な出会いと別れを繰り返し、きっと彼女に相応しい男が現れるだろう。


 彼女の横に立つ男が俺じゃないのは解っているが、そんな男が現れるまでは、俺が彼女の手を引いて歩いていきたい。


 この時俺はそう思った。


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