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合鍵

 まず有希が泊まる部屋に荷物を運ぶのと部屋のチェック、それから各部屋の掃除のチェックと必要な物を探して買いに行く。

 最初は母親の部屋だ。

 

 「悪いけどこの母親の部屋しかないから、掃除して使ってくれ。

 俺の母親はこの部屋で死んだ訳じゃないから綺麗だと思うけど。

 下の和室は仏壇があるし、他の部屋は俺の部屋と父親の部屋しかないから。

 布団は新しいのを準備してある。」

 

 「ありがと、大丈夫。」

 

 「じゃあ、荷物を解いたり準備が終わったら下に来て。」 


と言って俺は1階のリビングに移動した。

 

 暫くすると有希が降りて来たので、一緒に掃除が必要かどうかと、必要な物がないかチェックして回った。

 

 有希は仏壇の前に行くと、俺の両親の遺影を見ながら線香をあげてくれた。

 

 「お兄ちゃんはお父さんに似てるんだね。

 お母さんも優しそう。」

 

 「…そうだね。」

 

 「お母さんは料理もちゃんとしてたんだね、調理器具は揃ってたから、食材以外は買わなくてもよさそう。」

 

 「そうだな、家にいる時はちゃんと作ってくれたよ。

 こんなに早く死んじまうとは…

 もっと早くに料理を習っとけば良かったな…

 手術室に入る前の会話が最期だったから…。」 

 

 「お兄ちゃんのお母さん程、美味しく作れるかは分からないけど、心を込めて作るから、これからも私の料理食べてくれる…?」


 「あぁ、暗い話してごめんね。 

 有希の料理は美味しいし、作ってくれるなら有難く頂くけど、無理して作らなくていいからね?

 有希には有希の生活があるんだから。」


と俺が言うと有希は俺の袖を掴みながら頬をプクッと膨らませて不機嫌そうに、


 「お兄ちゃん、他人行儀。

私は私の作る料理をお兄ちゃんが美味しいって食べてくれるから、私がお兄ちゃんにご飯を作ってあげたいって自分で思ってる。

 だから、無理してなんて言わないで。

 それに、お兄ちゃんのお母さんには悪いけど、あの部屋は私が貰っちゃうから。

 …あの…これからも来ていいですか…?」


 何故に敬語?(笑)


 何か可愛い生物いきものが目の前にいるよ…

 いいのかね、こんな可愛い子がこんな所に居ても。


 「あぁ、こんな所で良ければ、いつでもおいで。

 どうせ俺はずっと独りだから。

 来たく無くなるまで好きに使っていいよ。」


 俺は有希の頭を撫で続けた。

 有希は嫌がるかと思ったけど、目を瞑って顔を赤くしながらも大人しく撫で続けられていた。


 俺は有希がいつ来てもいい様に、合鍵を渡してやった。

 この4日間も使うかもしれないしな。


 …アレ…何かこれ、今更だけど、世間体的にマズくね?


 警察官の家に未成年が出入りしてるって…通報事案じゃないの?

 …ムムム…

 ちょうど有希は俺の事をお兄ちゃん呼びだし、周りにバレそうになったらこのまま親戚って事で押し通すか…

 婆さんにも話しておこう。


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