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遠山家到着

 俺の家は東京の多摩市というベッドタウンにあり、両親が建てたどこにでもある広くも狭くもない2階建ての一軒家だ。

 

 既に父親がローンを払い終わっているので、今後は悪くなってくる箇所を直していく事になるのだが、今のところ不具合は無い。

 

 1階は駐車場、玄関、リビングダイニングキッチン、風呂、洗面所、トイレ、和室、2階は個室が3室ある。

 残念ながら、庭というものは無い。


 両親の遺品整理は終わっていて服とかも捨てたが、家具は殆ど残っている。

 後は写真が手つかずだ。

 両親しか写ってないモノだが、あれは捨てられない。

 

 新しく買って来た歯磨きセットは洗面所、布団セットは母親の部屋に置いておいた。

 掃除も気付いたところはやっておいたが、後は有希にやってもらおう。


 俺の4月の始めの仕事予定を見たら有希が帰る日しか休みが合わなかったので有給休暇をブチ込んでおいたから、有希が行きたい所に行けるハズだ。

 しかし、年頃の女の子が行きたい場所なんて判らないな…

 来たら聞いてみよう。


 休みになったから箱根に迎えに行けるのだが、有希が


 有『今後も独りで電車で行ける様になりたいから、お迎えはいいよ。』


との事で、家で待つ事になっている。


 『ピンポーン』


 来たかな。


 「いらっしゃい、荷物重かっただろ。」

 

 俺は荷物を預かって中に入る様に促した。


 「お邪魔しまーす。

 駅から歩いて来れるんだね、駅もデパートがあるし、うちとは比べ物にならないや。」


 「有希の家は広くて庭があるし、ウチは買い物に便利ってだけだよ。

 取り敢えず座って、冷たいお茶しかないけど。」


 俺はリビングに通すとソファーを指差した。


 「うん、ありがと。」


 「来るのにどのくらいかかった?」


 「3時間くらいかな。」


 「荷物と乗り換えが大変でしょ。」


 「そうだね、疲れた。」


 「はい、お疲れ様。」


 俺はグラスでお茶を出した。


 「おうち綺麗だね、掃除したの?」


 「そりゃな、汚いと恥ずかしいじゃん。」


 「掃除しに来たのにな。

 あとご飯作りに。」


 「まぁまぁ、普段箱根周辺から出ないでしょ?

 俺も休みだし、行きたい所とかあったら連れてくから。

 何処かある?」


 「行きたい所はここと、お墓参りかな。」


 「誰の?」


 「お兄ちゃんのご両親の。」


 「何で墓?

 観光とか買い物とか無いの?」


 「買い物はお婆ちゃんと御殿場に出ればショッピングモールあるし、観光ならまた機会はあるでしょ?

 お兄ちゃん、お墓参り最近行ってる?」


 「まぁ、命日くらいかな…。」


 「だよね、私もご挨拶したいし、掃除も兼ねて行こっ。」


 「そう…まぁ、いいけど。」


 その後有希と話し合い、今日は家で必要な物を買い出しに行って夜は外で食事、2日目は墓参りと買い物、3日目は料理を作りつつ休み、4日目に山梨経由で箱根に帰る事になった。



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