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命の危機

 その日は、ある日突然やって来た。

 

 繁華街の交番に勤務中、夜に無線の注意喚起音がピーピーとけたたましく鳴り響いた。

 

 『ヤクザ風の男1名が、中華料理店から包丁を奪って行った。』


 『ヤクザ風の男1名が、包丁を持って繁華街をうろついている。』


と続々と110番が入電する中、俺や他の同僚は騒然となりながらも、次々と対刃物用の資器材を着装、準備をし、現場へと急行した。

 これは現実で、本当に起きているんだ、と110番の本数の多さで実感した。

 

 現場へ到着し付近を見回していると、同僚の1人が、


 「いたぞ!」


と言いながら刃物を持ってスーツを着たヤクザ風の1人の男を指差した。


 辺りは過去に経験したことの無い、目に見えるのではないかと思う程のモヤモヤとした異様な雰囲気を醸し出していた。

 

 俺はその雰囲気に呑まれ、男に近付くのを一瞬躊躇した。

 耐刃防護衣、耐刃手袋、警棒を着装していたのにもかかわらず、


 『俺は刺されて死んでしまうのではないだろうか』


という恐怖を感じ、体が強張ったのである。

 

 しかし、


 『誰が奴を捕まえる…

 俺以外に誰も捕まえる奴はいない!

 俺がやらねば誰がやる!!』


と心の中で叫んだ次の瞬間、俺は恐怖を振り払い、次の一歩を踏み出した。

 警察官としての使命感と勇気が俺をそうさせた。

 

 過去、こんなに腹を括って一歩を踏み出した事は無い。


 俺を含む数人の警察官が男の周りからジリジリと近付き、同僚が背後から警棒で男の刃物を叩き落とした瞬間に俺が男の右腕を掴み制圧し、窃盗と銃刀法の所持で現行犯逮捕した。


 何故この男が中華料理店から包丁を盗んだかというと、違う組のヤクザ同士がつまらない理由から2対1のケンカとなり、素手で負けた男が近くの中華料理店に入って包丁を盗み、その包丁でヤクザ2人を刺そうと探してうろついていたそうだ。


 過去、警察官は刃物で幾度も殺されている。

 銃で撃たれて死ぬ警察官、爆弾で吹っ飛ばされて死ぬ警察官や家族もいる。


 …死ぬ覚悟を持ってこの世界に入ったつもりだったが、やはり人間の生存本能は強いんだな…。


 …彼女の顔が見たい…。


 あー、よく刑事ドラマとかで逮捕した直後、すぐ飲みに行こうぜ!

とか、誰かに犯人を預けて自分は何処かに行っちゃう、とか出来ないから。

 逮捕してからが大変なんだよ、山の様な書類を作らないといけない。

 よく、大変なのは捕まえるまでが3割、捕まえてからが7割とか言うんだけど正にそんな感じ。

 あと被害者側も、犯人が捕まったら自分は関係ないみたいな感じで何処かに行っちゃったりするけど、絶対そんな事無いから。

 被害届出したり、実況見分したり、供述調書を作成したりするから、警察署に何時間も拘束されるから!



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