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紅茶とりんごパイ①

 散歩が終わって車に乗るが、すぐ近くの湖に面した喫茶店に着いたので車を止める。

 1階が喫茶店、2階が紅茶や雑貨を置いている店になっていて、俺はここが好きで何度も訪れている。


 「いい雰囲気だよね、テラスもあって。

 ここは通った事はあるけど、入った事はない。」


 「冬でなければテラスがいいんだけどね。」


 「前から気にはなってたけど、高そうな雰囲気がねー。」


 「確かに。

 でもそこは社会人だから。」


 「何か気後れするー。」


 「まぁまぁ、ここを出る時には気分は違ってると思うよ。」


 「えー、本当かなぁー。」


 今日は寒いので室内の湖が見える窓際の席に座った。


 注文するのは紅茶とりんごパイのセットだ。

 ここの紅茶は日本紅茶協会が認定する、紅茶が美味しく飲める店で、本当に美味しい。

 いつも種類が多過ぎてよく解らないが、何を頼んでもハズレは無い。

 

 さぁ、出て来たぞ。

 まず、紅茶は1人1つポットで運ばれて来る。

 中は数杯飲める程大量に紅茶が入っている。

 これを飲み切るのは大変なのだ、俺は貧乏性だから毎回全部飲んでしまう。

 うーん、良い香りだ。

 今日の紅茶はマスカットの香りがする。

 

 夏場はアイスティーが美味い。

 ここのアイスティーは氷も水ではなくアイスティーの塊で、凄く拘っている。


 ここは気に入った紅茶があれば2階で同じ茶葉が売っているので、買って帰る事が出来る。 

 婆さんにもお土産に持って帰ろう。

 ちなみに紅茶を淹れる茶器等も2階で扱っているので、後で必要かどうか有希に聞いてみよう。

 

 さて、本日お目当てのりんごパイがワゴンで運ばれて来た。

 りんごパイ自体は薄い感じでボリューム感はあまり無い。

 そしてりんごパイが皿の片側に寄せてあるので、半分は白い皿の部分が目立つ。

 そこで女性の店員さんがワゴンの上でりんごパイが盛り付けられている皿の白い部分に5種類もの色違いのフルーツソースを垂らしていく。

 そして垂らしたソースを金属の棒で突付いたりなぞったり…すると、何とそこには美しいお花の絵が出来上がっていた。

 最後にバニラアイスとミントをりんごパイの上に乗せれば完成。

 

 そう、このお店は客の目の前でドレッサージュをしてくれるのだ。

 俺は初めてコレを見た時に、女の子を連れて来たら絶対に感動するだろうな、と思っていた。

 だが、同時に女の子を連れて来る事は一生無いだろうとも思っていた。


 くっ…俺は初デートにして、この…この店に、女の子を連れて来る事に成功したっ…!

 

 ……我が生涯に、一片の悔い無し……。

 

 俺は右手を突き挙げながら、心の中で血の涙を流していた。

 

 ……俺は死ぬのか……

 

 なぁ…俺の人生は…幸せだったのかな……。



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