大涌谷再び
なんだかんだ喋っていたら大涌谷に着いた。
良かった、誰もいない。
寒いなー、でも今日は心は寒くない。
何故なら、女の子を連れてるからだ。
喋っているだけで楽しい。
俺は車の外に出て、駐車場の路面にキャンプ用シートを敷いて有希に寝転がってもらった。
彼女の服装は寝転がってもいい様に、黒のフード付きダウンジャケット、白のタートルネックセーター、紺のジーンズを着ている。
その上に膝掛け毛布を掛けた。
「わぁー、こうやって見ると綺麗だねー…。」
「街中で見上げても周りが明るくてあんまり見れないでしょ、ここなら周りが暗いから、良く見える。」
「だねー、今まで星を見上げる余裕ってそんなに無かったかも…。」
「だよね、俺も学生時代はこんな趣味無かったんだけど、心が疲弊して来ると何だか見たくなるんだよね。
在り来りだけど自分はこの世界でちっぽけな存在なんだから、小さい事でクヨクヨするな、みたいな。」
「あー、解る気がする。
ここに来た時に、最初におっ…お兄ちゃんが寝転がってるのに気付いてたら、変な人がいる、って帰ってたかも。」
「言い辛いなら別な呼び方でいいよ、ゆっ、有希。」
「お兄ちゃんもねw」
「だって、女の子の名前なんて呼び捨てで呼んだ事なんてないから!
そのうち慣れるから。」
「ゆっ、有希があの時寝っ転がった俺を発見して帰ってたら、今ここでこうやって2人で寝っ転がってないんだから世の中は不思議だよな…。」
「うん、そうだねw」
「…天の川って見た事ある?」
「うーん、無いかも。」
「以前、2回程富士山の5合目に車で行った事があるんだけど、その時初めて肉眼で天の川を見たんだ、綺麗だった…。
2回目も天の川を見たいと思って行ったんだけど、2回目は満月で、月が眩しくて星が見れなかったんだ、月が眩しいって初めての体験だった。
その時に雲海が見れて。
雲海の中は雷が凄くて、ずっとビカビカ光ってた。
あれも凄かったなー。
いつか有希にも見せてあげたい。」
「いいなぁ、私も見てみたい。
いつか連れて行ってね。
その時は誰と行ったの?」
「友達と。
あの時は俺の父親が倒れて落ち込んでた時に、友達が連れて行ってくれたんだ。」
「ふーん、いい友達だね。」
「紹介しないからね!?」
「何でそんなに焦ってるの?」
「そ、そうかな?」
アイツ等に紹介なんかしたら、絶対に有希が惚れられるに決まってるからだよ。




