学園祭⑥
体育館に移動してロミジュリ開演を待つ。
最初は真由ちゃんの顔バレを警戒していたが、誰も気付かない様だ。
逃げやすい様に体育館後方のパイプ椅子に座っていると開演時間となり、館内は暗くなった。
………………………………。
終了した、結論は面白かった。
真由ちゃんと外に出る。
「まさかコメディに全フリして来るとは思わなかった、この台本書いた高校生はやるな。」
「ねー、最後は実は魔法が使える世界で、2人は生き返って違う国で幸せに暮らしました、って凄いゴリ押しだったけど、面白かったー。」
「この後どうする?
お腹空いた?」
「そうですね、出来れば有希ちゃんのカレー食べたいかな。」
「じゃあ、有希にクラスに行くって連絡するね。」
俺は有希にSNSで連絡。
遠『有希、真由ちゃんが有希のカレー食べたいんだって。
今は何処に居るの?』
有『今は教室…ところでお兄様…
真由ちゃん名前呼びになっていますね…
どういう事でしょうか。』
うっ…敬語になっておられる…
遠『えっと…本人が名前で呼べ、と。
それは置いといて、有希はお昼食べたの?
有希は一緒に食べる事は可能?』
有『そうですか、置いておかれるのですね。
まぁこの話はその辺にしておいて、私も一緒に食べたいけど、クラスの中では食べられないかな。
私ウエイトレスもやってるし。』
遠『なんと…有希のウエイトレスさん…見てみたい…じゃなくて、1つ提案。
何処かで3人で食べようよ、いい場所はない?』
有『あー、今なら替わってもらえるかも。
じゃあ調理実習室の近くに空き教室があるから、そこで食べようよ。
1度調理実習室に来てくれる?
実習室にも作ったカレーが置いてあるから、そこで用意するね。』
遠『りょ。』
俺は真由ちゃんと調理実習室に移動した。
廊下で暫く待つと有希が到着し、真由ちゃんと有希は笑顔で手を振り合って距離を縮めた。
「有希ちゃん久しぶりー!
日傘ありがとね、実家に届けてくれて。」
「真由ちゃん久しぶりだねー!
来てくれてありがとう。
真由ちゃんの実家、本当に家から近かったんだね!
なんで今まで会わなかったんだろ。」
「多分学区が違うし、私子役やってたから、あんまり家に居なかったしね。」
「そうなんだね。
あっ、ちょっと待っててね、カレー用意するから。」
有希は調理実習室に入って行くと使い捨ての容器に入れたカレー3人前をお盆に載せて戻って来た、1つは大盛だ。
俺はお盆を代わりに持ち有希の後に付いて行くと机と椅子が端に重ねて置いてある空き教室へと入って行った。
俺はお盆を有希に預け、埃が舞わない様に机と椅子を用意すると、机と椅子に付いていた埃をハンカチで拭った。
有希はお盆を机に載せる。
俺は有希に4人分のカレーの代金を払った。
「お兄ちゃん、1人分多いよ。」
「いいんだよ、この大盛2人前くらいあるだろう?
もらっておいて。」
「うん、じゃあいただきます。」
「真之さん、ゴチになります。」
真由ちゃんはペコリと頭を下げて笑顔で言い放つ。
真由ちゃん流石だ、奢られ慣れていらっしゃる。
それぞれ椅子に座って
「「「いただきます。」」」
「…うん、やっぱり美味い。
俺、このジャガイモ使わないカレー好き。」
「本当だ…じゃがいも入ってない…でも美味しいね!
これ市販のルーなの?」
「うん、横浜〇〇亭っていう商品名の中辛。
そうそう、2人共…今日はもう一緒に回れないかも…。」
「えーっ…マジで!?
折角真由ちゃんも来たのに…。」
「そうだよね…もうちょっとシフトがどうにかならないか粘ってみるけど、なんかスゴい売上げみたいで…。
今日はチキンカレーとビーフカレーの日で、明日はポークカレーとカツカレーの日なのね?
それでお客さんが、今日と明日の味が違うなら今日は今日で絶対に食べておかないと…って行列作ってて…
クラスの皆もこんなに儲かるならって、売れ切れにしないで材料も買い出しに行って調達して来て…
テイクアウトも出来るから、スゴく売れててね…
真由ちゃん、折角来てくれたのに、ごめんなさい…
時間は大丈夫?」
「まだ大丈夫だけど、そんなに長くは居れないから、行ける様になったら連絡して?
それまで真之さんお借りします。」
「うん、お兄ちゃんならヒマだから、よかったらボディーガードにして。」
「やった!本当の意味でSPだねw。」
ドナドナー!




