対決①
小鳥遊学園女子高等学校は神奈川県下にある私立女子校で併設型の中高一貫校であり学校法人小鳥遊学園が設置していて、進路は姉妹校の小鳥遊学園女子大学をはじめ、指定校推薦枠を活用した私立大進学の多い比較的人気のある学校であるが、SNSのクチコミを見るといくつか、イジメがある、イジメられた、と卒業生、在校生と思われるカキコミがある。
…この戦、絶対に負けられない。
正門にいる警備員にアポがある旨を話し、許可を得て車で中に入った。
駐車場に車を止めて高等学校の職員室に彼女の案内で入っていくと、土曜日なのにチラホラと人の気配がある。
「校長はおいでかな。」
婆さんが尋ねると、職員室のとある机に座っていた40代位で髪は七三分け、眼鏡を掛け、とぼけた顔をした灰色のくたびれた背広を着た男が立ち上がり、コチラに近寄って来た。
「あぁ、お待ちしておりました、片山さんのお婆様。
以前三者面談でお会いしました片山さんの担任の門川と申します。
…こちらは…?」
俺のことを訝しげに見る担任に向かって、
「私は有希の親戚の遠山といいます、本日は付き添いで参りました。
担任の先生なら片山家の事情は御存知でしょう。
先生に中々取り合って貰えない、という事でしたので、私も心配になりましてね。」
先制攻撃した。
「…これから校長室へご案内します。」
…シカトか…
後で見てろよ。
門川が校長室の扉をノックすると中から、
「どうぞ。」
と低い声が聞こえた。
我々が中に入るとそこには50代位の白髪混じりのオールバックで眼鏡を掛け、歯並びが悪く顎が尖って神経質な感じの紺色の背広を着た男が、校長と書かれたプレートが置かれた机に座っていた。
「私が校長の高橋です、どうぞお座りください。」
とソファーを勧めてきたので、婆さんと彼女と俺が並んで座り、対面に校長と門川が座った。
「して、要件はイジメとの事ですが。」
「電話で少し話したが、孫へのイジメの件についてじゃ。
孫が同じクラスの子複数から暴力を含めたイジメを受けておる、学校としての対応をして貰いたい。」
「片山さんのクラスは2年A組でしたか、門川先生、イジメは把握しているのかね?」
「いいえ、皆良い子で、そんなの見た事も聞いた事もありません。」
「そんなのって…!
先生、私は何度もイジメについて相談をさせてくださいとお願いしたのに、何故取り合ってもらえないんですか?」
「私には片山さんが何を言っているのか解りません、私は一度も片山さんからイジメの相談など受けていませんよ。
何かの間違いではありませんか。」
俺は腹が立ったが冷静を装い、
「なるほど、そこからですか…闇は深いですな…
ではもう一度確認させてください、門川先生は片山さんから一度もイジメに関して相談は受けていない、これで間違いありませんか?」
「間違いありません。」




