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短編集

魔王と勇者

 

 魔王、この世界で最も強い者に与えられる称号。もちろん誰かが「はい、貴方魔王ね」と与えるわけでない。自然と名前が付く。


 この世界の魔王は今十六代目、最も凶悪と言われている。


 人を食い物の様に扱う、刃向かった部下を世界の反対まで吹き飛ばしただの、攻め込んできた勇者を手も足も使わず声のみで追い返し、それ以来その勇者を見たものはいない。などの悪名が出回っている。


「でね、カナンくん、あの時、俺怖かったよ~」


 誰であろう。その者である。


 世界から見た魔王→超凶悪 

 実際に見た魔王→糞ほどビビり


 事実と出回る話はよくずれるというがここまで酷いのはそうそう無い。


 人を食い物の様に扱う→「あ、手料理ごちそうするね!」

 刃向かった部下を――→「新婚!? 世界旅行に言ってきなよ!」

 攻め込んできた勇者を――→「え、話聞いて、わとわーーーー」

 それ以来その勇者を見たものはいない→魔王城に住んでる


 という感じだ、勇者は自分たちの勘違いに驚き一緒に住まない? と言う提案に乗り嘘ならば後ろからぶった斬ろうと思っていたがめちゃくちゃいい人で和んでしまい外に報告するのを忘れるくらいだ。


 だが時とは無情に過ぎていく。


 魔王と心を交わした勇者はあくまでも人間寿命がある、魔王の部下も世代が変われば心持ちも変わってしまう。


 勇者達は死んでしまい。


 自分の部下だった者達は自分の息子に自分の座を明け渡し離れていき、その座に就いた部下の子達は魔王の穏やかすぎる考えに付いてきてくれなどせず、独立していく形でドンドン一人になってしまった。



 そんなときだった、また新しい勇者一行が来た。


 その勇者一行は変わっていた、話を聞いてくれないのはいつもなのだが、勇者一向には基本的に力関係みたいなので中心がある、なのにもかかわらずこの勇者一行は中心が勇者でなく後ろの男だった。


 この勇者一行と戦ってみて分かった、勇者と同等……いや、戦いながらの成長度は比じゃない。なんなのだコイツはと思い、話してみると答えてくれた


『自分は異世界より来た者、転生者だ』と


 昔に呼んだことのある古い本にあった、何時になく現れ、世界を変えて去る者。それが転生者だと。


 戦いながらこのままではいつか自分はやられると素直に思った。


 でもそれでいいと思っていた、自分と親しくしてくれた者は全員死んでしまった。ここで自分は死んだことにすればこの者が大きく世界を豊かにしてくれる。そんな希望を持った、持ってしまった。


 だが、死ねばそれが見れない。それは嫌だ


 ならばどうすれば良いか。


 簡単な事だ。未来に行けば良い


 最後の一撃を態と避けないようにしていたと見破ることが困難だろうと思えるギリギリで攻撃をくらい、自分は自分自身に転生魔法をかけた。



 最後にこの面白い子の世界を見てからそっちに行くよ、待っていてくれ……皆



 ◇◇◇◇◇



 ふと目が覚める、そんな感覚だ


 起きると世界は一変した


 空が下にある


 そうか……世界は反転したのか


 未来(革新的)だな………


「いや、そんなわけないか!!!!」



 ぎゃァァァァァああああああああぁぁぁ








 ま、まずい


 角が……刺さって出れん


 いや、地面が冷たいし頭を冷やして情報整理しよう



 まずなぜあんな空中に落とされたか


 これはあれだな地盤沈下、もしくは我が城を平地にされたかだな


 転生魔法は発動させた場所に寸分の狂いなく同じ場所に出されるわけだからな



 上空からの景色だが絶景であったな


 俺が生きていた時代になかった天を突くような天楼がいくつもあった


 平和な世界か




 ふむ、とりあえず格好がつかんな


 出よう



 とりあえずで地面を流動させ自分をそのままの体勢で押し出させた



「おい! 魔王!」


 地より吐い出されるとそこに男が立っていた


 若い男?……見覚えが……というか俺が転生する時にいた勇者か?


「ワタシ魔王、違う」


「そうか、それはすまなかった……って騙されるか!」


 ダメか


 やり直(時を戻)そうか


「お前は……勇者か?」


「ふっ、知っていたか」


「名前は知らんがな」


「おい!」


「で?」


「ふっ、まぁ良い、貴様を待っていた。この200年間な! 今こそ貴様を討ち取り俺が勇者であると証明するのだ」


「え〜別に世界を壊したりしない善良な魔王だよ?」


「善良な魔王ってなんなんだよ、と言うよりかは知らんな、俺が勇者に選ばれたというのにもてはやされるはリョースケのみ、我も頑張ったのに!」


「開始数秒で自分語り&愚痴かよ、てか、目立ちたがりか!」


「うるせぇー、いいんだこのまま貴様の首を」


「大丈夫か? この世界は転生者が作ったのだろ?」


「ん? だからなんだ?」


「伝え聞いたことによると転生する前の世界ってのは平和で天を突くような天楼がいくつもある世界と聞くぞ?」


「……だからなんだ?」


「空から落ちる時にその天楼がいくつも見えたが? そのリョースケとやらが世界を牛耳るならば貴様の持っている(なまくら)は許されるのか?」


「……………貴様の首を」


「逃げんな!」


「う、うぐっっっ! うるさいぞ、俺は婚約者もいたのに俺の活躍がないとの事で彼女はリョースケと結婚した!」


「おい、それ俺関係ないやん、八つ当たりやん」


「う、うぅぅうううう」


「まぁ良いや、もう1回転生するか」


「え、もう行っちゃうの?」


「子供か!」


「ゆ、勇者を騙ったとして俺は国を追い出された! 俺を選んだん国王様(あんたやん)って思っても何も言えずに追い出されて今この現状、これが支えで、でも間違ってるのはわかってた、寂しくてしょうがないんだ!」


 はぁ……見えてないなぁ


「その魔法、歳をとらない、もしくは遅くなる魔法だな」


「あ、ああ」


「かけたのは?」


「リョースケだ」


「1度会いに行ってこい」


「なんでだよ!」


「答えはそこにある、勝手に走りすぎだな」


「………」


 意外にも離れていく


「絶対にまだ転生するなよ!」


「わかってるわ!」



 透明化の魔法を自分にかけて後ろをつけた



 ════════════════════════


 昔むかし、あるところに魔王がいました


 この魔王はどんな敵にも負けず人間は歯がたちませんでした


 ある時、天よりあるひとりの人間が降り勇者と協力をしてこの魔王を退治しました


 ですが、大きな問題がありました


 天より遣われた人の力と人々は口にいつしか勇者のことを責め人々は勇者を見放し自分たちの目の届かないところに追いやりました


 勇者と天より遣われた人はとても仲良く離れていく勇者と離れるのが嫌でした


 そんな中勇者の頼みで勇者に永い時を生きれる魔法をかけました


 一方人々は天より遣われた人と国王の娘との結婚で大いに盛り上がりましたが天より遣われた彼は彼で好きな人が、国王の娘は勇者のことが心の底から好きでした


 ある時、3人で集まり1つの決断として偽装結婚をしました


 天より遣われた彼は国王の娘経由で権力を持ち


 国王の娘は勇者の行き先を


 天より遣われた彼の恋人は陰ながら天より遣われた彼を支え続けました



 ある時、世界に震動が走ると勇者は帰ってきました


 天より遣われた彼が作った国で全ての真実を国民に話し、彼の全てを自分で取り戻させました


 その後、勇者と国王の娘、天より遣われた彼とその恋人は末永く国を支えながら栄華を極めました


 ════════════════════════


 とさ、さてと



「魔王としての最後の仕事が()()()()()()なんてつまらないな」


 あー


 物語の最後の〆はあれだな


『天に昇る光弾が世界を灯し何時までも幸せを続けたとさ』


「だな!」



失われし魔法(ロスト・マジック)自爆魔法(エンド・マジック)時差殲滅広域遅滞呪蓮(エンド・フレイズドア)



No.4

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