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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

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超覚醒(3)

「オイ! こいつら天然ものだぞ! 見ろよ! 奴隷の刻印がないぞ!」

 魔人たちはざわめき立った。

「養殖ものじゃないんだ! 天然か! 久しぶりだな天然もの!」

「兄貴! と言うことは、この黄金の弓も、俺が貰っていいんだよな! だって、そいつら食べちゃうんだから!」

 3人目の魔人は一番下っ端なのだろうか。

 大岩の上の黄金弓を手に持ち、エメラルダを掴む長兄魔人に嬉しそうに声をかけた。

「ああ! いいとも! その代わり、お前が食うのは、あのひょろっとした男だからな!」

「ちぇっ! いいよな。兄貴たちはいっつもおいしいところばかり持って行って。俺も女のやわ肉の方がいいよ」

「その代わり、お前はその黄金の弓を持って行くんだろうが!」

「うん……でも、人間の女の肉の方がいいなぁ……」

「このデカい女は俺のだからな! 分かったな!」

「分かったよ……」

 残る二人の魔人はうなだれた。


「ちょっと待て! その巨乳は俺のだ!」

 ――だれだ! 俺たちに喧嘩を売るのは!

 その声の主へとに3人の魔人たちの視線が集まった。

 そこには、偉そうに胸を張るタカトの姿。

 カッコいいぞ! タカト君!

 ただ、下半身はガクガク! ブルブル!

 今にも、腰が砕けてしまいそうな雰囲気だ。

 カッコ悪いぞ……タカト君……

「なんだと、小僧! お前から先に食ってやろうか!」

 エメラルダを掴む長兄魔人の緑の目が、タカトをにらむ。

 ひっ!

 その威勢に、ひるむタカト。

 だが、おびえながらも小剣の剣先を長兄魔人に向けた。

「は……はなせ! エメラルダの姉ちゃんを放せよ!」

 長兄魔人は鼻で笑うと、立てた指先を軽く動かし指示を出す。

 それに応じるかのように、三匹のゴリラの魔物が、ゆっくりとタカトに体を向けた。

 ――あかん! あかん奴や!

 既に、震えは、下半身から全身へと感染し、顔面は涙で完全崩壊していた。

 だが、それでも剣先は降ろさない。

 タダ……剣先が、小刻みどころか、ガタガタと音を立てながら揺れているため、うっとおしいったらありゃしない。

 そんなタカトを見かねたのか、半魔犬のハヤテが、タカトの前に躍り出た。

 牙をむき、頭を低く下げ、ゴリラたちを威嚇する。

 低いうなり声をあげるその鼻すじには、何本ものしわが渓谷のように深く刻まれていた。


 しかし、ゴリラたちの歩みは止まらない。

 まるで、半魔の犬など、眼中にないかのように、そのスピードは変わらなかった。

 そこからゴリラたちが加速する。

 それに応じるかのようにハヤテもまた、先頭のゴリラへと突進する。

 一方、タカトは、腰が砕けた。



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