表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第三部 第一章 病院ではお静かに

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

315/636

第353話 続・ショッピングバトル!(3)

「やめてえ!」

 弓を降ろしたエメラルダが、住人たちを助けようと、とっさに足を踏み出した。

 しかし、その肩をカルロスが制止する。

 ――アイツの目的はそれだ!

 カルロスは、いやらしく微笑むネコミミオッサンの目をにらみつけていた。

 ――おそらく奴は、エメラルダさまの性格を熟知している。


 カルロスに守られたエメラルダには、容易に近づけない。

 それは、先ほど実証済みだ。

 しかも、元騎士であるエメラルダ自身も、なかなかの手練れ。

 こう、完全に身構えられてしまっては、暗殺者全員でかかったとしても、確実に命がとれるか怪しいものだ。

 だからこそ、エメラルダ自身が油断していた、あの初撃で決めたかったのである。

 しかし、タカトの投げた指輪によって、その刃先は、ずれてしまった。

 ならば、プランBによる、4人の一斉攻撃で確実にしとめるつもりであった。

 だが、やはりそこにはカルロスがいた。

 このカルロス。鬼教官と言われるだけあって、年の割にはなかなか強い。

 カルロスが近くにいては、エメラルダに刃が届くことは難しい。

 ならばどうする。

 簡単な事である。

 エメラルダをカルロスから離してしまえばいいのである。

 どうやって?

 目の前で、人を殺してやればいいのだ。

 あのお人よしのエメラルダの事、とっさにカルロスから離れて、飛び出してくるに違いない。

 そんなネコミミオッサンの思考を、カルロスは感じ取っていた。


 カルロスは、更にエメラルダを肩を掴む手に力を込めた。

 なぜなら、エメラルダが、懸命にカルロスのその手を振り払おうともがいていたのである。

 ――今のエメラルダ様には、冷静な判断はできない。

 カルロスは感じ取っていた。

 ――元騎士の時であれば、おそらく、今ほどは取り乱したりはしなかったであろう。

 そう、それは、あくまでも戦場における指揮官としての役割を認識していたのである。

 ――しかし、今は違う。

 醜悪な男たちの蛮行によって完全につぶれたエメラルダの心を、優しく包み癒してくれたスラムの住人達。

 その住人たちの優しい笑みの積み重ねが、今のエメラルダをココに立たせてているのである

 まさに、家族のようなつながり。

 エメラルダにとっては、心のよりどころなのである。

 その住人たちを、目の前で殺されていれば、冷静な判断は無理からぬこと。

 必死に駆けつけようとするエメラルダを、カルロスは懸命に静止する。

 ――だが、このままではエメラルダ様は、駆けていく……

 くっ!

 カルロスは唇をかみしめた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ