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⑤俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部4章~ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編  作者: ぺんぺん草のすけ
第一部 4章 ダンジョンで裏切られたけど、俺の人生ファーストキスはババアでした!~美女の香りにむせカエル!編

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アイナちゃん!妊娠!

 かろうじて足先が性書に触れた。

 その反動で、性書はふわりとバウンドし、地面に倒れこむ。

 それは、まるでM字開脚する女性のように、大きくページを見開いていた。


 ──セーフ……!


 オオボラとタカトは、同時に胸をなでおろす。


 ……が、触手のカリ頭の様子がおかしい。

 身を震わせながら、じっと性書を睨みつけている。


 ──怒ってる……?


 タカトはそう思った。


 先ほどオオボラが見せていたのは、中ほどのページ。

 露出はないが、縄跳びが体操服に絡み、浮き上がる肉感がいやらしかった。


 だが今、性書は確かに開かれているものの――明らかに、片側のページが薄い。


 ──まさか、1ページ目……?


 それは制服姿のアイナちゃんが教室でにっこりほほ笑んでいるページ――いや、それはそれでアリだ。アリなのだが……!


 性書を熟知しているタカトには分かってしまった。

 これは、“抜きどころ”を外したパターンだ、と。


 タカトはオオボラに目配せした。


 ──オオボラ! ページをめくれ!

 ──何ページ目だよ!

 ──どこでもいいんだよ! とにかくめくれ!


 このままじゃヤバい。

 怒り狂ったカリ頭の矛先が、こっちに向くのは時間の問題だ!


 先端に開いた小さな口から――白くてドロッとした毒液を、ドピュっと噴射してくるかもしれない!


 ……そうなれば、もう終わりだ。

 タカトとオオボラ、めでたく妊娠確定!

 参政党も卒倒するレベルのミラクルが爆誕だ!


 オオボラが、そっと性書へと近づく。

 だが、それに気づいたカリ頭が、ピンと鎌首をもたげた。

 まるで──「俺のオンナに手ェ出すな」と言わんばかりの威圧感である。


 さすがのオオボラも、思わず気圧された。


 ……だが、ここで引くわけにはいかない。


 オオボラは逃げ腰のまま、そっと手に持った鉈を伸ばす。

 届かない。

 あと少し……ほんの数センチが、届かない。


 プルプルと震える腕。

 一生懸命に、鉈の刃先を性書へと近づける。


 だが、やはり届かない。

 こんなにも「あと少し」が遠いことがあっただろうか。


 ……この瞬間ほど、すでに折れた鉈が憎らしく思えたことはなかった。


 その刹那──カリ頭の先端が、わずかに膨張した。

 童貞諸君ならご存じだろう。いや、経験豊富なご婦人方のほうが、むしろ敏感かもしれない。


 夜な夜な執り行われる聖なる儀式の終盤、ついにフィナーレを迎えるあの一瞬。

 毒液を吐き出そうとするカリ頭は、ほんのひと息──

 まるで空気をため込む風船のように、張りつめた膨らみを見せるのだ。


 そう、これは“発射”の兆候。


 異変をいち早く察知したタカトは、全身を総毛立たせながら叫んだ。

「オオボラ! よけろ! 毒液がくるぞ!」


 3!


 2!


 1!


 ダァァァアァァァ!


 もはや「ドピュッ♡」なんて表現は生ぬるい!

 まるで決壊したダムが一気に放流したかのように、白い液体が洪水のごとく吹き出した。

 まさに、天井知らずの大噴水──これはもう、白い津波だ!


 ――これでオオボラは……ママに……

 一瞬、目を背けたタカトは、恐る恐る視線を戻した。


 しかし、ママになったのはオオボラではなくアイナちゃんだった。

 うん? 意味が分からない?

 分からないよねwwww


 あの瞬間、カリ頭の先端から噴き出した毒液は──オオボラではなく、地面に横たわる性書のアイナちゃんへと飛んでいった。


 そのページに描かれていたのは、亀甲縛りで淫らな姿をさらすアイナちゃん。

 よく見ると……お腹がぷっくりと膨れ上がっているではないか!


 どうやらカリ頭が見ていたのは──1ページ目ではなく、最終ページ!

 そう、言うまでもなく、教育委員会やPTAが発狂する“問題のラストカット”だったのだ!


 それを目の当たりにしたオオボラは、心の中でそっと思う。

 ――ていうかコイツ……写真まで妊娠させるのかよ……


 な、わけあるかいwwww

 冷静に考えれば、写真の上に盛り上がった白い毒液なだけの話。

 まぁ、体操着が白いから勘違いしたのかもしれないけど、ファンにとっては絶望的なシチュエーションであることには変わりないよね。


 しかし、絶望を感じたのはファンだけではなかった。


 今まで、夜な夜な“聖なる儀式”と称して愛を囁き、蜜を交わしてきた男が……!


 よりにもよって、見ず知らずの女に! しかも目の前で!!


 とんでもない量の白濁液を──まるで決壊したダムのごとく、ドバァアアッ!! と噴き出したのである!


 羞恥? 配慮? そんなもん一切なしの無差別放水!!


 しかも、どう見ても自分たちのときより多いって、どういうこと!?


 ……それって、何? 本命ってこと? スペシャルってこと!? ふざけんな!!


 その瞬間、万毛たちの中で──いや、雌たちの中で──何かがはじけ飛んだ。


 これはもうジェラシーとかいうレベルではない。

 雌としての誇りが、ぐっしゃり踏みにじられたのだ。


 きっと彼女たちは、こう思ったに違いない。


 ――なんで私たちは、こんな雄に惚れたんだろう。

 ――どこに惹かれた? この軽率なタマキンの、どこに色気を感じた!?


 怒りがふつふつと沸き上がり、ぶわっと逆立つハナゲの体表。


 その怒りの矛先は、言うまでもない。

 そう──中心に立つ、あの調子に乗っていた珍毛に一直線!!


 ――死ねぇええ!! この浮気おとこぉおおお!!

 ――このタマキンがぁあああ!! 潰れちまえぇぇぇぇええ!!!


 女のプライドを裏切った男の末路は、実に悲惨である。


 次の瞬間、万単位の万毛たちが一斉に跳ねた!


 ジャンプキック! ジャンプキック!

 そして……超滞空! 渾身のッ! ジャンプキィィィイイイックッッ!!!


 鳴り止まないラッシュ! 止まらない金的連打!!


 その中で、珍毛はきっとこう叫んでいたに違いない。


 「や、やめてくれぇ……! オレのタマキンが……砕け散るぅぅぅ!! うひぃっ♡」


 ……だが、その無様な断末魔を、オオボラは黙って見ていた。


 痛みを共有するでもなく、同情するでもなく──


 ただ、静かに立ち尽くしながら。

 




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