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俺たちは惹かれ結ばれ、別れを告げる。  作者: ゆ〜た
現代日本(?)編
6/23

5話

「ただいま〜」

「お邪魔します……」


はぁ、なんで俺がこんなことをしないといけないのか……


「あれ?お母さんが帰ってる。いつもならもっと遅いのに……」

「なぁ、俺、帰っていいか?」

「ダメ」


妙に力のこもった声で返された。親がいる家に入るとかもう完全に終わっただろ。


「お母さ〜ん?どこ〜?」


おい、なんで呼んだ。なんでわざわざ面倒になるようなことをした?

はぁ、もういいよ。こうなったらとことん付きやってやる。


「つ、付き合う!?」


どうやら声に出てしまっていたらしい。俺は訂正しようとして第3者の声によって遮られた。


「あらあら、今日はお赤飯かしら?」

「お、お母さん!?」


彼女は恥ずかしさからなのか奥の方にかけて行った。

この人が彼女のお母さんなのか……うん、やっぱり彼女の美しさは親譲りだったようだ。

っと、今はそれどころじゃなかった。早いところ訂正しないと取り返しがつかなくなりそうだ。


「それで、あなたがあの子の彼氏さん?」

「違いますよ。彼女の勘違いです。それに俺なんかが彼女に釣り合うわけないじゃないですか」

「……そうかしら?むしろあなた以外はあの子に釣り合わない気がするのだけれど?」


んなわけあるかい!おっといけない。思わず口に出してしまうところだった。


「まあいいわ。いつまでも玄関に立ってないで上がってちょうだい。今ご飯ができたところなの。食べていくでしょう?」

「いえ、いただくわけには……」


そこでぐぅーー、と俺の腹が鳴る。仕方ないだろ!?昼飯は時間が無くてほとんど食べてないし。こんなにいい匂いを嗅いだらそりゃ腹もなる。


「ふふ、身体は正直よ。ほら、上がっていきなさい」

「……はい。あ、後冷蔵庫借りてもいいですか?弁当の残りを入れておきたいんですけど……」


かなり失礼だが腐らせるよりかはいいと思う。

お母さんがいいわよと言ってくれたので入れさせてもらった。


「すげえ……」

「お、お母さん!?な、なんでこんなに!?」

「今日はお祝いの予感がしたから、早めに帰って準備してたのよ」


予感って……

今、テーブルの上には小さなパーティーを開けるほど美味しそうな料理が乗っている。どれも湯気が立ち上り、とても美味しそうだ。


「これ、本当にいいんですか?」

「ええ、たーんと召し上がれ」

「「い、いただきます!!」」


俺たちはすぐに椅子に座って料理をかきこんだ。

なんだこれめちゃくちゃ美味いぞ!?俺の作ったやつよりも数百倍は美味い!

俺たちは次から次へと料理を平らげていった。


「「ごちそうさまでした」」

「ええ、お粗末様でした」


はぁ……こんなに食べたのはいつぶりだろうか?俺はふと時計を見る。時刻はもう8時を過ぎていた。


「ヤバっ!もうこんな時間かよ!すみません、俺帰ります!」

「あら、そうなの?てっきり泊まっていくものかと思っていたのだけど……?」


何言ってんだよ……流石にこれ以上は無理だ。これ以上俺のライフを削らないでくれ。


「いえ、そういうわけにはいかないので帰ります。お邪魔しました」


俺は逃げるようにして帰った。

葉村(主人公)が帰った後の王野家の様子。


「で、あなた的に彼はどうなのよ」

「ど、どうってそれは………いいなぁ、とは思ってます……//」

「脈はあるのね。わかったわ」

「お母さん?」

「(あの子は絶対に確保するわ……)」


本人のいないところで面倒ごとが増えていた。

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