何事もやってみるべし……例えそれが無駄だったとしても。
どうするか思案したところで、それを実現できるかどうかはわからない。
相変わらず誰もこなかったし、来る気配もなかった。
幽閉かよ。とかも思った。
それぐらい孤独で、静かだった。
結局私は、いつかアニメやゲームで見た「ピッキング」というのをやってみることにした。ピッキングとは、何か特別な道具などでカギや錠前をいじって、ドアを開けたり、鎖や手錠を外すことである。成功できたことはないけれど、何事もやってみなければ始まらない。
こういう監禁された状態を考えて、いつもヘアピンを髪につけてた時期があった。が、最近は面倒になって、つけない日が多かったから、今回は運が良かった。
とは言っても、手がヘアピンに届くかどうか。。。
ガチャガチャ。なんとかして髪からヘアピンを抜こうとする。
が、届かない。。。
私の両手は手錠で繋がれ、さらにそれを上から引っ張り上げられている状態だ。
頭の方を手に近づけようとしても、首輪で壁に固定されている状態で、下手に動けば即刻首が締まり、息ができなくなる。まあ、首をぐるりと回そうと思えば回せるけど、それでも部屋に監視カメラがあるのを発見した時、かなり痛かった。
首輪だけは異常にきつく締められている。呼吸はできるけどね。
一言で言ってしまえば、SMプレイが好きなドSでゲスなマニアが好みそうな拘束のしかたである。
はい、ピッキング失敗。つーかヘアピンすら取れないから失敗というより不可能だ。
じゃあ人が来るまで待つ?
つーか誰か来るの??
そう思った時、扉の向こうで異常な音がした。
シュー。
なんか。。。強烈に圧縮された空気が抜ける音?みたい。
よくアニメである、なんか白くてでかい丸状のドアがついてる超重要金庫を開けたみたいな感じかな。
それからまた
ガコッ。ガコン。
って音。そして鉄格子の奥の鋼鉄で分厚そうな扉が開いて、
ガチャ。ギー。
。。。とうとう鉄格子も開いた。
。。。。。。やっと人が来たようである。