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仕訳人、始めました  作者: 伊乃
第一章『ヒトゴロシ、承ります』
13/67

4-4(了)

「あグ――――」


「お願いしますよー。教えて貰えないと困るんでー」


 ごきん。


「こんなに頼んでもダメですかねー。や、参ったなー」


 ぐしゃ。


 ばきん。


「あ、あ、あ―――」


「あ、ヒトの言葉でお願いします。翻訳とか私無理ですんで。指とか一本ずつやってみよっかなー」


 ごき、ごき、ごき、ごき、ぼきん。


「そろそろ楽になってきました? お願いするのも、骨が折れるんですよねー。あ、折れてるのはお兄さんの方か」


 めきっ、めきめきめき。


「しまった。喉やったら喋れないじゃん。ま、いいかー」


 ごりごりごり。



「もういいや。めんどくさくなってきたし。


んじゃまあ、




―――――死ねよ」




 ごきぃ。



「っと。いやはや、折った折った。骨折り損のくたびれ儲けってねー。あ、使い方違うか」


 あっは。

 水仙は嗤う。

 支部に居た五人の人間は、残らずその生涯を喰われた。何となくの思いつきのまま、何の感傷すら抱かず、殺し切った。


「あ、上泉さんですかー?後片付けをお願いします。場所は――――」


 後の処理をクライアントに押しつけながら、水仙は撤収を始める。と言っても、ただこの部屋から出ていくだけだが。

 結局わからず仕舞いのターゲットの情報。どこに居るのかなど、クライアントに調べさせれば良い。ただ、手を出しにくい場所に居られては困る。内に、内に、閉じこもってくれれば理想。この警告が上手く作用してくれれば楽になる。まあ、そう簡単にはいかないのだろうが。

 電話を切り、ワイシャツの胸ポケットに携帯を入れる。

 しかし、もう少しスリルが欲しいものだ。

 血沸き肉踊る体験のためならば、面倒事も承りましょう。

 自分の命が無価値であるなら、少しでも面白ければそれで勝ち組。

 だってそれ、人生楽しいってことでしょう?


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