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君と世界がマワル時  作者: A1n_06
依頼編
42/52

第41話 準備

侵攻歴三十四年九月一日


夏休みも終わり、依頼の日まで残り一週間。

依頼当日の予定が気になり、僕は生徒会室に足を運んだ。


コンコン


「失礼します。会長依頼当日の予定を聞きに来まし…た…」


会長の膝の上には美香さんが座っており、頭を撫でられていた。

その光景に一瞬体がフリーズする。


「蓮君!?何でいるの!?誤解だから!疾しい事はしてないから~」


「失礼しました~」


「待って蓮君!」


 僕を制止する声を無視し、廊下に出る。

 美香さんに誤解だと言われたが、そんな訳無いだろう。あれは間違い無くヤル事ヤった後の空気だった。返事を聞く前に入った僕が悪いとは言え、朝から変な事するなよ!全く…あと会長は最初から気づいてたよね?入った瞬間に目が合ったから絶対気づいてたよね?…って事は見せつけか?酷くね?


 先程の光景のせいで目的を忘れる所だったが、本来の目的の予定を聞こう。

 そろそろ、リア充会長(ヤった後の様な姿)から、リア充会長(いつもの姿)に戻っている頃だろう。


そう思い中に入ると――――――――――


まだ変わっていなかった。


「………」


「ちょっと克己?早く離してくれない?…ほら蓮君も呆れた目で見てるから!汚物を見るような目だから!」


「最近は忙しいし、ストレスも溜まってるから、美香からレイロニウムを補給しないと僕は狂ってしまう。エネルギー補給の邪魔をするなら、蓮は放置すれば良い!」


リア充会長は、リア充であると同時に変態だった。

…僕は、もう諦めた。


「会長。もうそのままで良いので、依頼当日の予定を教えて下さい」


「えっ蓮君スルーするの!?」


「一日目は、午前に政府施設にて正式に依頼を受け、午後に裂け目に入る。裂け目探索の進捗次第だが、見張りをしながら裂け目内で一晩過ごす事になる。二日目はモンスターを狩りながら最深部を目指す事になるだろう。モンスターを狩ることに関しては先生方が勝手に決めてしまって…決定を覆す事が出来なかった。すまない。これで終わりだ。何か質問は?」


「無いです。では、失礼しました」


「蓮君!私の事は無視なの!?」


パタン


これ以上、あの空間にいては邪魔になるだけだと思ったので生徒会室を出た。

会長は()()さえ無ければ、ただの有能なのにな…美香さんも、美香さんだ。双葉が言っていたが、美香さんは怪力だそうだ。その為、本当に嫌だと思ったなら、すぐに生徒会長の拘束から出られるのに出ない。つまり、美香さんの本心は『会長とイチャラブするのは良いけど、人前では恥ずかしい』だ。…何で、こんなに真剣に考察してんだろ…



 …気を取り直して!今回の裂け目では、サポートだけだと聞いていたが、会長の話だとモンスターを狩る事になりそうだ。それならば、護身用として部長の作った拳銃型の魔道具を持って行きたい。何かあった時の保険はなんぼあっても良いですからね。


ガラッ


「部長!あの魔道具貸してください」


「蓮君じゃないか!あの魔道具だね。えーっと確かこの辺に置いたはず?あれぇ無いな~…蓮君。僕どこに置いたか忘れちゃった☆…探すの手伝ってくれないかな?」


部長のいたずらがバレた子供の笑みにイラっとしたが、我慢だ。我慢。このタイプはこっちがキレてマジになるだけ不利になる。


「分かりました。一緒に探しましょうか」




一時間後…



「あったー!蓮君!あったよ!いやー長かった!ようやく見つかったね~」


何なのこの部室!何で爆発物置いてんだよ!危険物を部室に置くな!それと、何で骨董品っぽい刀があるんだよ!美術館に置かれている様な物を適当に扱うな!


あと、魔道具の形変わってね?


「部長。()()の形変わってますけど、何かしました?」


「君の手に合うように少しグリップ部分を改良したよ!どうかな?ぴったりだと思うけど…」


「確かにしっかり手にフィットしてる。あれ?何で部長は僕の手の大きさ知ってるんですか?」


「勘だよ!」


「そうですか…」


「他に何かあるかい?」


「部長。そう言えば、この拳銃型の魔道具って名前あるんですか?」


「DX・デザートイーグルだよ」


あ…うん。僕は良いと思うよ?部長のネーミングセンスは独特なんだな~

まあ、何が良いと思うかは人によるからね。………僕は良いと思うよ?DX・DE…略すなら、『DD』で良いのかな?でもな~…よし!今日から君は『XE』だ。『XE』も結構ひどいけど『DX・デザートイーグル』や『DD』よりはマシだろう。お前は決して、『DX・デザートイーグル』何て名前じゃないぞ。良いな~?


「蓮君?君、僕のセンスを疑ってるよね?」


「…何の事ですか?」


「恍けるんだ?君の考えてる事は何となくだけど()で分かるんだからね!恍けるのは無駄だよ」


「すみません部長」


フン!


「……」


「あのー部長?文句があるなら何か言って欲しいのですが…」


部長は僕から目線をそらし、目を合わせようとしない。

『どうやって乗り切ろう』と考えていたその時、僕にとっての救世主が現れた。


バンッ!


わたくしが来ましたわ~」


雫さん!?この状況で部室に入ってくるなんて…神か?


「あら?蓮さんじゃないですか。ここにいると言う事は貴方も今回の依頼の準備ですか?」


「雫さん!そう言う雫さんも?」


 この場の空気を変えるために雫さんの話題に全力で乗る。部長の目線が凄いが、絶対に無視だ。無視。


「えぇ!依頼について先輩であるユメさんに相談しようと思いまして」


「…!良いよ!何を聞きたいの?」


相談と言われ部長が反応する。僕の事でないので、普通の反応だ。

雫さんありがとう。


必要な物。持っていた方が良いと思われる物。今回、同行する人の素性と普段の行い。急な依頼だが、こう言った事の前例は今までにあるのか?そして、今回の依頼は組合からの物なのか?それとも、政府からの物なのか?などの事を聞いていた。

人に頼られた事が嬉しかったのか部長は上機嫌になっている。ちょろい。


自分以外の人は何を持って行くのか気になったので聞いてみる事にした。


「雫さんは、今回の依頼にどんな武器を持っていくの?」


「その事について今悩んでおりますの。私のスタイルから考えると、軽いメイス。もしくは、長い鞭になるのですけど、どちらの方が良いのか決めかねていまして………蓮さんはどちらが良いと思います?」


「雫さんの固有や相手によるけど…鞭の方が良いんじゃない?威力が出せるなら、距離を取って一方的に攻撃できる方が強いと思う」


「やはりそうなのでしょうか?ですが、鞭だと剣などの鋭い物で切られそうで…心配でして……」


「基本は鞭でメイスは予備として持って行けば良いんじゃない?」


「確かにそうですわね!お恥ずかしい事にわたくし、武器は一つだけしか持って行けないと思っておりましたわ!今回から二つ持って行くようにいたします!」



これで僕達の準備は終わった。

少し心配だが、当日は頑張ろうと思う。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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