第38話 魔道具の試運転
後日…
銃型の魔道具の試運転の為、部長に連れられてトレーニングルームに来た。
入学式の頃に先生が使って以来、一年生用の物は使われて無かったらしい。僕はこれがある事すら知らなかった。部長にその事について聞くと、「本格的に授業に取り入れるのは一年の後期からだからね~」と言われた。
…僕がここに入るのは大丈夫なのか?「ここは、うちの部活専用だからね。大丈夫だよ」何で分かったんだろう。心が読めるのか!?
そう思い、部長の方を見ると、下手な口笛を吹いている。分かりやすッ!だが、本当に心が読めるなら、こんな分かりやすく誤魔化すか?いや…でも、この部長ならやりそうだからな…
部長との茶番が終わり、試運転を始める。
まず線の上に立ち、十五メートル先の的を狙う。
銃型の魔道具を起動し、魔術を展開する。銃口を中心に十の魔法陣が展開される。僕の中の厨二心が刺激される良いデザインだ。
しっかりと的を狙い、放つ。
パンッ
魔術は当たったが、弾かれた様な音がした。
よく見ると、数字が浮かんでいる。
ゲームでよくあるダメージを表記するカカシみたいな感じかな?
その後、色々と気になった事があったので検証した。
まず、同時に打つ事によってショットガンの様に抉り取る事が出来るようになった。これは、魔術が広がって威力が落ちないように、近距離で使おう。
そして、少し時間をずらし、発射をする事で、マシンガンの様に弾幕を張る事も出来る様だ。双葉君と睦月君には効かないと思うし、乱戦はこれが良いかな?
着弾点をそろえる事で、遠距離の狙撃で威力を出す事も可能になった。
ただこれには欠点があり、並列思考を使い、魔術の速度、対象との距離、対象の動作、同じ位置に着弾する角度を計算しないといけない為、一度に一発しか発射できない。それでも、一発の威力は凄く向上しているので、使う機会はあるだろう。
それと、部長に説明された時、普通の弾も打てると言っていたので、撃ってみた。前世では撃った事が無いので、少し怖かったが、反動は意外と少なかった。普通の銃弾を打つ場合、拳銃の為五発しか打てず、当たり前だが、打ち終わった場合リロードしないといけない為、この魔道具を使う時は魔術をメインで使う事になるだろう。
ここまで試運転して、部長に対する印象が少し変わった。
正直ただのヤバい人かな思ってたけど…部長は意外と凄い人だったのか。
もちろんヤバい人なのは変わらないが…
「蓮く~ん!どうかな?僕の発明は凄いでしょ!それは力作だからね。満足してくれたかな?僕の事を崇めてくれても良いんだよ!」
少し上がっていた好感度が元に戻った。間違いない。この人は今天狗になっている。大体、僕がいなければ、これはただの産廃だろ……それなのに力作って…
部長が少しウザかったので、あの時双葉に使った『不壊の鎖』で拘束した。
拘束された部長は、「れッ蓮君!落ち着いてくれ!僕が、ちょっと調子に乗ったのは謝るから!早くこれを解除して~」と言い、涙目になり芋虫の様に動き、偶に飛び跳ねていて面白かったので、そのままで少し部長で実験する事にした。
その後、部長で実験した結果、拘束系の魔術は、この銃型の魔道具を使っても意味が無い事が分かった。正確には意味はあるが、ゲームのハメ技の様になるだけだったので、意味が無いと思った。これで捕まえられる人にハメ技を使う必要は無いし、ハメ技を使いたくなるような相手は、そもそも、この魔術では捕まえられない可能性が高いからだ。残念だ…双葉に使った物を重ねて発動すると、どうなるのか気になったのに…本当に残念だ
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