第29話 イレギュラー
その日の出来事を僕は一生忘れないだろう。
死んでもまだ覚えてるし、ずっとの方が良いか。
とにかく…桜が舞い散るその季節。
忘れもしない、忘れられない出会いが僕に訪れた。
「またあの時の記憶か。過去を引きずる自分が嫌になる」
僕は…あの忌々しくも、どこか愛おしい青春の記憶を思い出し、苛立った。
あの頃の記憶は、まだ自分が未熟で思い出すだけでも吐き気がするからだ。
しかしこの空間には娯楽と呼べるようなものは無い。こんな糞みたいな記憶でも、時間を潰すのには丁度良いのかも知れない。
「でも今はちゃんとしないとダメ事もあるし、頑張らないとね~葵君と約束もしたし元々は僕達のせいなんだからしっかりしないとね。それに、僕からしても、葵君の妹は保護対象だし」
そう言いつつ僕は準備を始める
もう間違えないためにも、もう失わないためにも
〈清水紗智〉
「…お兄ちゃんが死んだ?」
教団の人が来てそれを伝えられた
訳が分からない
任務に行くとき帰ってくるって約束したよね
なのに…何で?
何でお兄ちゃんが死んだの?誰のせいなの?
殺した人?指示を出した教団の人?それとも、止められなかった私のせい?
ヒッグッ グスン
「嫌!嫌だ!何で、私を置いてくの?何で、私を一人にするの?何で私だけこんな思いをするの?他の人が気づきもしない、当たり前の小さな幸せすら、私から奪わないでよ!憎い…憎いよ。私は、お兄ちゃんがいれば、それで良かった。なのに、それすら奪うの?神様は不公平だよ。――――――――――――そうだ。私以外の人も、私と同じくらい不幸になればいいんだ。そうなればみんな平等になる。うん!いい考えじゃないかな?この世界のすべてを不幸にしよう!」
ふと見ると隣に魔法陣の様な物が浮かんでいた
「これ…なんだろう?」
恐る恐るそれに触ると人が出てきた
「え?どう言う事?」
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紗智の固有『英霊召喚』の初回発動条件
1呼びたい人物に深い縁のある物を触媒にする(その人物の死体でも可)
2目的を決める
3力が欲しいと強く願う
4自身が制御できないほどの感情をその身に宿す
――――――――――――――――――――――――――――――――
『英霊召喚』は本来自身が強くなり、強敵を打ち倒し、それにより高揚感を感じ、相手の力を認めて、更なる強敵の為にその人物の死体を触媒に召喚する様な、言わば『死霊術』の様な使い方が本来の用途である。
この時点の紗智は、1を達成していない為、本来『英霊召喚』を使う事は出来ない。しかし、ここでイレギュラーが起きる。紗智の先祖は誰か?…そう転移者である。1の条件は、深い縁があれば良い。血縁者は深い縁の言えるのではなかろうか?
こうして、英霊召喚が発動した。
ここは、どこだ?僕は、あの時……確かに死んだはず。ならば僕は何故ここにいる?疑問が尽きない。
ふと、辺りを見渡すと、隣に驚いた顔の少女が座っていた。
よく観察する。顔は整っている。体は、今後に期待と言った所だ。髪は白髪で
体つきも、顔つきもあの子とは全く違う。だが…何より、雰囲気とでも言うべき物があの子にそっくりで―――――――――――――――――――
「君。名前は?」
「清水紗智。そう言う貴方は誰なの?」
「……白夜。今は、それだけ覚えてくれ。それだけで十分だ」
このイレギュラーが今後どう影響するのか?それを知る者はまだ誰もいない
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