第27話 亡霊の記憶
ここは…どこだ?
気が付くと俺は黒い空間にいた。
周りを見回すと、複数の人型の影がある。
その影の一つがこちらに近づいて来る。
「君は…君は何故ここに来たんだい?君はここに来るべきじゃない。
ここに来るのは…過去に捕らわれた亡霊だけでいい。そこに扉を作ってあげるから、それを通って明るい方に行きなさい。心配しなくて良い。それをするくらいの力はまだ残っている。さあ、行きなさい。君はまだ戻れる」
何の事を言われている?今出現した扉は何だ?
「何の話だ?あの扉は何だ?そもそも、俺は誰なんだ!」
「君の大切な記憶はまだあるの?あるなら、教えてくれ」
こいつは、認知機能に問題があるんじゃないか?
それとも、人の話を聞いてないのか?…もう良い。こいつに話を合わせよう
「妹がいたんだ。俺の命よりも大切な。覚えているのはそれだけだ」
「そうか…思ったより深刻だね。まあ、分かった。君の妹は僕が責任をもって
見守ろう。だから君は早く扉を通って。そろそろあれの時間だ」
影にそう言われ、扉の方に押される。その力は強く、躓きそうになる。
俺は扉に手を掛け、それを開けると扉の中は光っていた。
光に向かい一歩、また一歩と歩を進める。進むにつれて、意識が遠のく。
薄れゆく意識の中、影の言葉が聞こえた
「ごめんね。葵。君の妹は僕が守るから。だから安心してゆっくり休んでくれ。過去の僕の罪は僕自身が背負うから」
そこで、俺の意識は途絶えた。
また、目覚めるのか。永遠にこの状態なのかは、まだ誰にも分からない。
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