第19話 信者たちの行動
突然のことに頭が混乱している
頭の中はなぜと言う言葉が埋め尽くしている
…なぜ大地君達が刺されているのか。
…なぜ刺した人物が葵なのか
…なぜ坂本愛は声を上げずじっとしているのか
坂本愛が声をあげなかった理由は、次の瞬間に分かった
「なんで戦闘系の固有を持った首席じゃなくてこいつを狙ったの?彰吾」
「仕方ないだろ…一之瀬と明空はスキがなかったし、蓮はその二人に挟まれていたんだから。それならポーションって回復手段を潰す意味でも、それが一番良かったんだよ」
「でも首席三人相手とか厳しくない?」
「大丈夫だって、なっ葵」
「三人の固有の詳細は分からないが、明空は剣系統これは確実だ。
一之瀬は未来視系統の可能性が高い。過去のログで鑑定の固有持ちが一之瀬の家の近くに私用で行った事になっているからな。蓮は魔力量を増やすタイプの固有だ。だから、時間稼ぎだけで良いなら俺達だけでもどうにかなる」
「そこまで分かってたのか。さすが葵」
「お前たちは……お前たちは何なんだ!どうしてこんな事をした!」
睦月君が声を荒げてそう言った
「そうか状況が分からないか。じゃあ冥土の土産に覚えとけよ
それじゃあ、改めて自己紹介をしよう。
光神教、枢機卿候補 司祭、山本彰吾」
「同じく、坂本愛」
「光神教 司祭、清水葵」
「教皇様の為、お前達Sクラスの人間を殺しに来た
先に言っておくが援軍は二十分間は来ねえぞ」
光神教?この前双葉君が言っていた危険な組織の名前だ
そんな事を考えていると
「考え事かなっ!」
そう言いながら彰吾が短剣の様なものを
投げてきた考えてる場合じゃない
僕はその飛んできた短剣にマジックスピアを当て
軌道を変えた
「おおさすがにこれは防ぐか…じゃあ今度は近接戦だ」
そういって彰吾が走ってくる。二十メートルほど離れていたが
一瞬で間合いを詰められた。まずい!そう思った瞬間
キンッ
「蓮を狙うなら、お前の相手は俺がする」
そう言って睦月君が相手の剣を受けたかと思うと
ドンッ
彰吾の事を蹴って、吹き飛ばし、その後を追ってどこかに消えた
それを見ていると双葉君が話しかけてきた
「二対二と一対一お前はどっちがいい」
「一対一」
僕はそう言って双葉君と別れた
どうやら僕の相手は葵君らしい
「どうして俺達がこんなに苦労しなくちゃならないんだ。大人しく保健室に行ってくれていれば……は~そう言っても、過去は変えられないし…無駄な事を考えるのはやめよう」
葵君はそう言った
ならば、あの時保健室に行くかと言っていたのは
僕の体調を気遣ってでは無く、僕を殺すため?
その事を理解した瞬間激しい怒りと憎悪が芽生えた。僕を殺そうとしている?僕はまた死ぬのか?また、何もできないで死ぬのか?
そんなの…あんまりじゃないか………嫌だ
僕は、今回もまだ何もできていない……嫌だ
友人も、恋人も、兄弟も、…嫌だ
友達と、馬鹿な事をすることも、…嫌だ
結婚して、妻と子供と幸せに暮らすことも、…嫌だ
弟たちの、晴れ舞台を見ることだって、…嫌だ
まだ出来て無い!
それなのに……こんなところで…こんな奴のせいで僕が死ぬなんて、嫌だ!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
「僕を殺そうとするのなら君が死ね」
初めて明確に殺す意思を持って、発した言葉は
自分でも驚くくらいの低い声が出た
そしてその激情に身を任せ、二つのマジックスピアを放った
片方は足、もう片方は腹を狙う
ヒュンッ
二つのマジックスピアは、風を切り、真っすぐ、何物にも邪魔をされず
飛んで行く
足に向けて放った物が避けられ土煙が舞う
足の方は避けられたが、腹の方は確実に当たった感覚があった
これなら、念のため土煙が晴れてから、物量で弾幕を張れば…確実に殺れる
そう思い土煙が晴れるのを待つ
土煙が晴れ視界が戻ってくる
…葵がどこにもいない!?どこだ!
そう思った瞬間
後ろから衝撃が走って
ドスッ
僕は葵に後ろから刺された
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