第14話 邂逅
自己紹介をするまでの自由時間に学年首席の一之瀬君が話しかけてきた
「ちょっとこっちに来てくれないか」
そう言われついていくと廊下に出た
「お前は誰なんだ?何でここにいる?」
一之瀬君がそう言った。名前がわからないのは普通じゃないか?
今日が初対面のはずだから
「僕は四条蓮、四条家の跡取りだよ。何でここにいるのか、
その質問はどういう意味?」
僕がそう返答すると一之瀬君はこう答えた
「四条家の跡取りは三年後に入学してくるはずだ。
それなのに何でお前がここにいる?そして、跡取りの名前は楓だったはずだ」
そう言われて分かった。一之瀬君が転生前に謎の空間でナニカに教えられた
この世界の例外の一人だ。
それが分かると同時に絶望感が襲ってきた
学年首席。転生した僕より明確な強者。前世の知識を利用した僕よりも先に進んでいる男。そんな人がいても運命に抗えない‘‘運命‘‘がどんなものか…考えただけで恐ろしくなった。早くここを離れよう。これ以上此処にいたら、胃に穴が開きそうだ。その緊張と恐怖で痛くなったおなかを抑えながら、僕は言った
「君がこの世界の規格外の一人なんだね。僕は‘‘ここ‘‘とは別の世界で死んでこの世界に新しく生まれた者。楓は僕の弟だ。僕も君もお互いに聞きたい事があると思うけど、また今度にしてほしい。あと五分で自己紹介をする時間になるからね」
そういって僕はその場を立ち去った
教室に戻ると試験の時243番だった子が話しかけてきた
「試験の時ぶりだな!学年首席に呼ばれてたけど何があったんだ?
って顔色悪いけど大丈夫か、保健室行くか?」
「ありがとう、でも大丈夫だから。あんまり気にしないで」
「本人がそう言うならそれでいいけど…
あの時はお互いに名前を聞いてなかったな。俺の名前は
清水葵。呼び方は…葵でいいから」
「僕は四条蓮だ。四条でも蓮でも好きに読んでね」
「おう分かった。そろそろ時間だ、座って待ってようぜ」
そういって葵と別れ席に着く
この入学式の直後だと言うのに今日はいろいろなことがあった
ドンッ
何か大きな音が鳴ったな。そんな事を考えていると、一分後先生が入ってきた
「けが人はいないか」
そういって入ってきたのは、入試の時の先生だったどうやら彼が担任みたいだ。
彼が慌てているので、何だろうと思っていたら彼は言った
「保健室で、小規模だが爆発が起きた。その時一之瀬が保健室にいたが、
固有のおかげでどうにかなったらしい。誰が爆弾を仕掛けたのかまだ不明のため、今日はもう下校と言う話になった。おそらく犯人が見つからなかった場合
三日後に登校再開になる。みんな気をつけて帰るように」
先生はそれだけ言うと、何処かに行ってしまった。周囲には、急にそんな事を言われて戸惑っている生徒ばかりだ。その中で、僕は下校の準備を始めた。
こんな時に学校にいると、面倒事に巻き込まれる。
そう僕の感が告げていたからだ
〈一之瀬双葉〉
あいつと会話をしてからずっと頭を整理していた
転生者の事、あいつが、この世界の規格外。と言っていた存在の事
そしてあいつが、そこまで悪人に見えないこと
その中で、結論を出した。今回のもしもはあいつであると…
そんなことを考えていたら、保健室についた。
考えをまとめる時は、横になる癖があるので、ここに来た。
そこで、ふと気になる事ができた
「あいつが…あの次席が今回の‘‘もしも‘‘であるならば、なぜあのくそ野郎がここにいる?
まずい繰り返しすぎたせいで一人以外の名前と顔がマッチしない……
ベッドに寝転んでから考えよう。確かアイツの名前は―――――――――――――
そう言いながらベッドに座った。
その瞬間
カチッ
「まず―――
閃光が走った
ドゴオオオオオオオオオオン
座っていたベッドが爆発した。
こんな時に焦ってはいけない。まず誰がこんな事をしたのか考えないと
「学園は、俺を殺すにはもっと高火力で意識外から攻撃しないといけないと
知っているはず、となると学園が他の誰かを殺そうとした、もしくは学園以外が俺か他の誰かを殺そうとした三択。
ひとまず、学園長に何があったか聞いてから考えよう」
そうして、俺はひどい有様になった保健室を後にした
犯人は誰か考えながら
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