第12話 会議
侵攻歴三十四年三月七日
シンと静まり返った会議室に固有学園の教師達が集まっていた
「で、どうするんですか」
静かだったその部屋にその声が響いた途端
室内の空気が変わった
「だから言ってんだろ、主席は双葉って子でいいとして、次席は四条蓮の方が良い。あいつは、魔力で如何にでも出来るのに、求められている答えを考え、それを実行していた。その判断力を加味すると、次席は四条の方が良いだろう」
蓮の入学試験を担当した教師がそう言った
「いや確かに四条君は優秀ですし、試験の結果もいいです。
ですが、睦月君のセンスには目を見張るものがある。
それで試験の点数が同じなら睦月君の方がいいでしょう」
その子を担当していた女教師が話す
「だが睦月の固有は未発見のものだ
ただでさえ一つの固有で器が100%になるなんて聞いたことがないのに
もしこれでここで成長が止まった場合はどうする。
今の所、剣術が強いだけなんだろう?」
「それは詭弁ではないですか?一つで100%になる様な固有がその程度な訳が無い。おそらく追加の効果があるはず。その効果が開花するまでの間、固有の所有者の身を守る手段として剣術の補正が付いているのでは無いですか?
その他にも生来の戦闘センスが、そして、祖父の道場で鍛えられ、磨かれた物が彼にはあります。だから、彼を次席にしようと言っているのです!」
「もしそれで固有が開花しなかったら、どうするつもりだ!
睦月は他の人間に追いつかれ、追い抜かされて入試では次席だったのにと
嘲笑の的になるんだぞ!それだけ、この学園の次席と言う立場は重いんだぞ。
わかってんのか!」
口論が激しく加速する中
今まで沈黙していた学園長が口を開いた
「はい、皆さん聞いてください。今年の学年次席はよく分かっていない固有があるが、今のところ安定している蓮さんか、スキルに追加効果があると思われるが、それが何か分かっていない睦月さんのどちらかになります。
この学園は危険な事も多い、そのため、実力が高い方がいいのは周知の事実だと思います。ですので、現時点の戦闘能力で決めるのはどうでしょう。
どちらが学年の次席になっても、どちらとも自身の所属する科では主席な訳ですから、変なプライドがあったとしてもそこまで拗れないでしょう」
その学園長の言葉で方針が決まった
学園内には生徒が怪我をしないように作られた、
ホログラムを使ったトレーニングルームがある
これに試験時に見せた固有の効果や魔術を再現することができる
今回はホログラムは片方が100000ダメージを受けると消失する設定になっている。そして試合が開始された結果は
蓮のホログラムの勝利だった
「おそらく、両方とも、まだ本気の状態じゃないホログラムだとして、
睦月に勝つレベルか。末恐ろしいな」
「ともかく、これで決まりましたね。今年度の学年次席は四条蓮君です」
こうして蓮が次席になることが決まった
明空睦月
固有
・空剣100%
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