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神の名を求めて  作者: ササン木
神獣編
9/49

争闘 part.1




ヒロ――「な、なんでバレた……!?」


ドン――「ククッ……お前らの仲間らしきジジイがな、俺の船の鍵を盗もうとしてたんだよ。怪しいと思って来てみりゃ――案の定リトのところにお前がいたわけだ。……あの日以来だな、クソガキ!!。二度も俺を裏切るとはいい度胸だ。ぶち殺しってやる!」


ヒロ――「……ハタのやつ…、何やってくれてんだよ……!」


リト――「ヒロ!やるしかないわよ!こいつを倒すのよ!」

そう言うと、リトはヒロの耳元で作戦を囁いた。


ヒロ――「……わ、わかったぜ!」


次の瞬間、リトの掌から放たれたのは――眩い閃光。

それは太陽のようにドンの視界を焼き尽くした。


ドン――「ぐわぁッ!何しやがる!」

視界を奪われたドン。その隙を突き、ヒロはジロから託されたナイフを振り下ろす――。


刃がドンの肉を裂いた。


ドン――「ぐっ……!? この俺に、傷を……!? ガキの分際でぇぇ!」

怒りに歪む顔。次の瞬間――「まずはリトからぶっ殺してやる!」と、光を振り払うように跳びかかる。


ヒロ――「リト!気をつけろ! あいつはSネーム持ちだ!」

「……あいつの能力は《五眼》。目を三度見た者の精神を狂わせる。だが制約がある――大人にしか効かねぇ! しかも両目はそれぞれ一回判定、偽物の目は全部で一回分だ! 

あいつはそれを利用して奴はポスターやサーカスで目をばら撒き、カウントを稼いでいたんだ!……裏カジノで人を操るためにな!」


ドン――「フン!よく知ってやがるじゃねぇか! だが知ったところで意味はねぇ!」

怒号と共に殴りかかるドン。光が届かぬ死角からの一撃――ヒロの肋骨が数本折れた。


ヒロ――「……ゲホッ……やってくれたな!ゴミ野郎が……!」

血を吐きながらも、ヒロの目には闘志が燃え上がっていた。

「ブチ切れたぜ……!」


――そのとき。ヒロの姿が揺らめいた。


ヒロ――「《Wander》!!」


ドンの目に映るのは、何人ものヒロ。

ドン――「!? この技……まさか、あいつの……?いや、気のせいだ……!」


次々と襲い来る残像。殴っても殴っても空を切り、逆に傷だらけになっていくドン。

焦燥の中、ドンは叫んだ。


ドン――「……このままじゃ……やべえな!」


筋肉が膨張し、全身が獣のように変貌していく。目が妖しく緑に輝いた――。


ヒロ――「まさか……《Sネームの覚醒》だと!?」


リト――「っ……!!」

だが警告は遅かった。光を放っていたリトの視界に、ドンの瞳が映り――リトはその場で気を失った。


ヒロ――「くそっ! リト!!」


ドン――「ガキ……次はお前の番だ」

巨躯が迫り、ヒロの体は地面に叩きつけられる。

立ち上がれない。――その時。


突然、奥の茂みが大きく揺れた。

空気を震わすような低い唸り声――。


「――――グルゥゥゥォォォォオオオオオオオッ!!!」


それは獣の雄叫びではなかった。大地そのものが震えているかのような、魂を揺さぶる咆哮。

ヒロの心臓がドクンと跳ね、ドンの背筋が粟立つ。


茂みを突き破って現れたのは――黄金のたてがみを揺らすライオンだった。

ただの獣のはずなのに、その目は知性を宿し、王者の威厳を纏っていた。


ドン――「はぁ? サーカスで飼ってる獣が逃げてきやがったか……!」


もちろんドンの能力は動物に効かない。

ライオンが注意を引いたその刹那――。


「今だぁぁああああ!!!!」


ヒロは目を塞ぎながらドンの背後に周り、ジロのナイフが、ドンの背中を深々と貫いた。

致命の一撃。まるで、雷に撃たれたかのような衝撃がドンには入った


ドン――「お、お前……う、うおおおおぉぉぉッ!」

絶叫と共に全身から無数の眼球が噴き出した。

足からも頭からも。個数には限度が無く、100個はゆうに超えていた。


ヒロ――「……ッ!?」

回避不能――ヒロの瞳に、ドンの《五眼》が映る。

全身が痺れ、意識が闇に沈んでいく。


ドン――「はぁ、はぁ……クソ痛ぇじゃねぇかガキが……。だが……まだ遊び足りねぇ」

拳が振り下ろされる。

一撃、二撃、三撃――その攻撃はヒロの体中を真紅へと変えた。

殺さぬように、ただ苦しませるために。血飛沫が舞った。


そのとき――。


リト――「やめてぇぇッ! もうそれ以上はやめて! ドン様の所に戻るから!ごめんなさい!お願いだから!」


ドン――「……戻る場所? フッ、裏切り者にそんなもんは最初(はな)っからねぇよ。お前もここで死ぬんだ」


リトの心に戦慄が走る。もう何を言っても意味は無いのだと。ドンは最早、制御が効いていない状態だった。――目の前の怪物は、もはや“人”ではなかった。


ドン――「最後は……このガキのナイフで心臓を刺してやる。自分の刃で死ぬ感覚……味わってみろやぁ!」


ナイフを握るドン。だが――その瞬間。


……違和感。

足技。ナイフ。さっきからドンに蘇る''ある人物''の記憶。


ドン――「お、思い出した……トラウマが……! な、なぜ……こいつが、あいつの技を……!?」

瞳に狂気が走る。

「いや…ならばもっと痛めつけてやる! 苦しみ抜いて殺してやるよぉぉぉ!」


その瞬間だった。


――空が裂けた。

夜明けを迎えるはずの空が、轟音と共に黒く覆われる。


???――「……ドン……お前を待っていた……」

少しでもこの拙い文章を「面白い!」「続きが読みたい!」と思って頂ければぜひ星を付けてたり、ブックマークなどして貰えると作者が泣いて喜びます感想もいっぱい待ってます\^^/

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