去り行くあなた
ヒロとネルは目の前で起きたことが信じられなかった 跡形もなく消えたのだ。今まで散々街を破壊した化け物が、
「エレナー…お前は何者なんだ?」
ヒロはエレナーらしき人物に話しかけるが返答はなかった
「プルーフ!!!何が起きたのだァア!」
共に来ていた男は咽び泣いていた
そんな様子を気にすることなくエレナー(?)は問いかけた
「お前もこうなりたいのか?」
その言葉に、セキスイは涙で充血した目でエレナーを睨んでいた
「当たり前だ。俺にとってプルーフは家族だった
お前は''それ''を奪ったのだ!!」
そう言い、セキスイは右手を上げた
すると、後ろで飛んでいた蛾のような巨大生物が
羽を羽ばたかせた
そのままセキスイの頭上を旋回していた
その状態が22秒続いた。しかし何かしようとする様子は無い
その瞬間、セキスイの周りにいた2匹の怪物はヒロたちに背を向け飛び去ってしまった
「は、はぁ…?拍子抜けだぜ。
それとも生身で戦おうとでもしているのか?」
エレナーがそう煽るとセキスイは明らかに声色の違う声で喋り始めた
「プルーフを殺すなんてやるじゃないか」
先程のセキスイとは声色も高く、心做しか口角が少し上がってるように見えた
「殺すなと命令していたが…まさか此方側が殺されるとはな…プルーフも驕ったな」
セキスイは依然笑っていた
「お前…誰だよ…!!」
その場にいる全員が目の前にした異物に嫌悪感を抱いた
「気になるか?気になるよなぁ、」
セキスイは髪をかきあげた
その次に目を開けた時にはヒロ以外の二人は倒されていた。正確には気絶させられた方が正しい
「っ…!!」
咄嗟に距離を取ろうとしたが上手く体が動かせなかった
「この世には有名人をブスだと云う者達が居るが…しかし、もし目の前にしたらこういう奴こそ声も出せないほど緊張するのが目に見えている。」
そう言いながら近づいてきて居るが反撃しようという行動すら取れなくなっていた
「勿論。君がそうなると云いたい訳じゃない…
ただ、君は私に見蕩れているんだ。」
「それ以上近づいたら本当に刺すぞ!!」
セキスイは歩みを止め無かった。
そしてヒロは有言実行を遂げる事は叶わないとも悟った
「話が逸れたね…私は決して君を傷つけたいは思っていないのだよ。」
セキスイの不敵な笑みのせいか真実は分からない
「それどころか僕は君を勧誘しに来たんだ。」
「勧誘?」
「君に私の作った反乱軍(奈落十三印)に入って欲しくってね。」
セキスイは今日一番の笑みを見せた
しかしヒロにはその笑みは恐怖でしか無かった
「無理に決まってんだろ。早くネル達を治せ」
「安心しろ。彼奴らには死なない程度に気絶させてある。時間が経てば勝手に起きるさ」
「そうか。じゃあお前は此処から早く消え失せろ」
ヒロの心はもう覚悟が決まっていた
「実は伝えたい事はもう一つ有ってね…
リトは私の反乱軍のメンバーさ」
「!!!!!!!!」
ヒロの頭には衝撃が走った
「お前!!!早くリトを返せ!!」
「返せとは人聞きの悪い言い方だな…
勘違いしているようだが、リトは自ら私の仲間になったのだ。」
セキスイは依然として怏々とした態度を取っていた
「嘘だろ…そんなはずは…!!」
と、言いかけた時--
徐ろにセキスイが額をヒロの額に合わせてきた
「それも含めて君に見せたいものがある…」
ヒロは為す術も無くセキスイの頭の中へと入っていった
って話です




