天地五大国
「早く竜神様を出すのだ…!!私の堪忍袋の緒は爆発寸前だぞ?」
風の国の国王は、玉座に座りながら、憤怒の顔でヒロ達を見ていた
「お、おい!ヒロどーするんだよ!?このままじゃ、この国王何するかわかんねぇーぞ!」
ネルは、ヒロの肩を掴んで言った
「俺も頑張って青龍を説得してんだけどよー、お前は俺をコキ使いすぎだ!って言って話を聞かねぇーんだよー」
「んー、この場を切り抜ける策は無いかなー…あ!ヒロ!これなら…」
と、ネルはヒロに耳打ちをしてから、前に出た
「ん?やっと、竜神様を出すことが出来るのか?」
「そ、その事なんですが、今出てこれないらしくて…」
「じゃあ、死ね。」
国王は、右手に''風をあつめて''ヒロ達へ向けた。
「うわぁ!待ってくれ待ってくれ!!俺らがここに来たのには、理由があるんだ!!」
「…ん?」
国王は興味を示した
「じ、実は俺らは名防省から来たんだ!この国を調査するために、派遣されたんだ!!」
ネルは、この文言ならリトを探すことができるし、怪しまれることもないだろうと思った
「ほう…ならば竜神様の件はどういう意味なのだ?」
国王は冷静に、顔色変えずに聞いた
「そ、それは、このおっさんの妄言で…!!」
ネルはキャスを指指した
「そうなのか…?兵士長!」
国王はキャスを睨んだ
「い、いえ!私は確かに見たのです!!まるでこいつらを守るように現れになった竜の姿を!」
「う、嘘つくなよ!!俺らはそんなの全く知らねーぜ!!」
ヒロは大声で言った。が、
「黙れガキ共…!嘘をつくにも、名防省の者だという見え透いた嘘…誰がお前らなんかが名防省のやつだと信じると思った!」
国王はヒロ達を睨んだ。
「この場から早く出ていけ!!!」
そうして2人は、お城から出させられた。
「兵の者よ!この不届き者共を国の門まで連れて行け!!」
兵士2人に、連れられてそのまま、門の外へと向かっていた
「俺らが名防省に居ることは本当なのに…あのクソジジイ!!」
「おいおい、それよりリトってやつはどうするんだ?」
「本当だよ…このままじゃ、またリトから離れちまう…」
「しっかし、なんでお前はそんなに、リトに拘るんだ?」
「ん〜、わかんねぇ。ただ、俺とあいつが一緒にいるともっと強くなれると思うんだ!それだけだよ。」
ヒロの笑顔は輝いていた
――と、その時
「ぐへぇ!!」
ヒロ達を監視して着いてきていた、兵士の1人が殴られた
「お、おい!どうしたんだよ!」
ヒロが、その男に駆け寄ったが、気絶しているようだった
すると、一緒に来ていた、兵士のもう1人がこちらを見ていた
「お願いだ!!この国を守ってほしい!!」
「はぁ?何言ってんだよ!俺らはこの国から追い出されてるんだぞ?気でも狂ったのか?」
「いや!違う!本当に君たちにこの国を守ってほしいんだ!!俺は、君たちが青龍を出しているのを見たんだ」
「み、見てたのか?まさかお前さっきの兵士共の中にいたやつじゃないだろうな?」
「ち、ちげぇよ!!俺はあの場に居なかったって!!」
「じゃあなんで知ってんだ?」
「ま、まぁそれはいいだろ?それより、あんた達名防省のやつらなんだろ?近々起こる大戦争を止めてくれ!!」
「大戦争??なんだよそれ?」
「ここアリメカ大陸には、天地五大国と呼ばれる巨大な王国が五つある。
風の国、炎の国、水の国、光の国、森の国。今それぞれの国には、対立が芽生えつつあるんだよ」
「対立…?」
「俺らの国の名前からわかる通り、俺らの国は五大元素に特化している国同士なんだ。もちろんたくさん資源が手に入る」
兵士の口から洩れた言葉に、ヒロとネルは息を呑んだ。
「資源って……そんなもんのために、戦争しようってのか?」
ネルが苛立ったように問い返す。
兵士は唇を噛みしめ、首を横に振った。
「ただの資源じゃない。五つの元素を集めることで、軍事力的にも経済的にも、世界最強になれるからなんだ!!
だから、五大国は戦争をしようとしている…」
ヒロは眉をひそめる。
「でも、資源を奪い合うなんて、そんな……」
「ヒロ、俺らには分からないことさ…」
ネルがため息混じりに肩をすくめた。
「権力持ってる連中は、自分の国さえ良けりゃ他はどうでもいいんだ。歴史ってのはそういうもんだろ?」
ヒロは唇を噛んだ。
すると、兵士は小声になり、ヒロたちに近づいた。
「しかも……各国には《四影》がいる。」
「……しえい?」
ヒロが聞き返す。
兵士は頷き、真剣な眼差しで説明を始めた。
「《四影》とは、大陸における怪物の総称だよ。一匹の力は、都市一つを滅ぼしてしまうほどの力があるとされているんだ…」
「国を滅ぼす……怪物……」
ヒロの心臓が早鐘のように打ち始める。
「僕たち風の国だけがその四影を持っていない。だからこそ、この戦争を止める中立として僕たちが、頑張らなくてはならないんだ」
ネルは目を丸くし、呟いた。
「おいおい……そんなバケモンを国が飼ってんのかよ。」
「飼っている、というより……封印しているんだ。未だに、四影を手名付ける者などこの世には存在しないからね…」
兵士の声は低く震えていた。
ヒロは無意識に自分の胸を押さえた。そこには、まだ拗ねている青龍がいた。
――青龍……。
兵士は続けた。
「だからこそ、君に頼みたいんだ。……竜神を宿す者、メルヘイヤ。君なら、四影をも抑えられるかもしれない。」
「……!」
ヒロの瞳が大きく見開かれた。
ネルが慌てて口を挟む。
「ちょ、ちょっと待て!こいつにそんな大役を押し付けんのかよ!?第一、俺らが戦争を止めるなんて、無理だろ??」
兵士は目を伏せ、苦しそうに吐き出した。
「君たちは名防省の人間なんだろう!?俺の父親もそこに行っていたが、弱いものを守るのが名防省の役目じゃないのかよ!!」
ヒロは言葉を失った。
ネルは頭を掻きむしりながらも、兵士の必死の声に押され、黙り込むしかなかった。
「どうするヒロ?このまま残ってもいいと思うぜ?リトを探すことも出来るんだし」
「ん…少年に、ここまで説得されたら断るわけにもいかねえよな…」
そして兵士は名乗った。
「……俺の名は、エレナー。お願いだ!どうか、この国に残ってくれ。君たちがいなければ……風の国は、すぐにでも飲み込まれてしまう……!」
エレナーの出した右手に、応えるかのようにヒロとネルも右手を出した。
「見捨てられるわけないよな!!」
「やったぁ!!ありがとう!!」
少年は満面の笑みで、抱き着いた




