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神の名を求めて  作者: ササン木
神界編
46/51

定例会議

四年に一度――。

大臣四人に副大臣四人。全員が集まったのは実に50年ぶりである

名防省の中枢が一堂に会する定例会議の時が来た。


広間には張り詰めた空気が流れ、誰もが国王の到着を待っていた。


だが、その静寂を破ったのは――。


「……なぜ、こうも面倒なことばかり起きるのだ」


頭を抱えたのは破壊大臣。眉間の皺は、嵐の前触れを物語っていた。


ニヤついた笑みを浮かべ、不気味に口を開いたのは副大臣。

「俺の管轄だけどよ……カイターどもがヤバい。暴走してる」


「……お前もそう思うか」


黒雲に住み、神界の門を守るはずのカイターたち。

人間界に降り、町を荒らすという報告が届いていた。


「放置はできん。魔人の件もあるが……今はカイターが最優先だ」

破壊大臣の声には、重い決意がにじむ。


平和大臣ミカが口を開く。

「とにかく、今は国王様を――」


その瞬間だった。


――名防省全体にサイレンが鳴り響いた。


兵士が駆け込む。

「大臣方!!南から巨大な化け物が発生しました!!」


「南だと……まさか魔界の連中か!?」

ネスが叫び、ミカを振り返る。


ミカは即座に命令を下す。

「兵士を集めろ!進行を止めよ!」


環境大臣ゼンは兵士を引き連れ、国王の安否確認へ走った。


破壊大臣が窓を覗く――

そこに映ったのは、空を割って現れた毛のない巨大な犬のような怪物。マンション一棟を超える規模。


「……ぬりかべだと!?」

国王の声が震える。


「ありえん……!何百年も前に人間界を襲い、忽然と姿を消したはずの災厄……!」

破壊大臣の顔色も変わっていた。


今回のような魔界の扉が開いてしまうことはごく稀に発生してしまう。しかし、今回のような件は別格だ

魔界というのは、一つしか無い「黄色の扉」と呼ばれる扉を開けることでしか、魔人たちはこちらの世界(神界)に来ることは不可能のはずだ。

しかし、今回は黄色の扉では無い所から無理矢理神界へと、来れれてしまっている。

これは、下級魔人の力では不可能であり、上級魔人たちの力によって意図的に空けられてしまったケースだ。


黄色の扉は一晩中兵士が見守っている。

それ以外の魔界と神界の間にはセラのバリアが貼ってある

これを割ることは、不可能に近く、セラよりも名力を多く持っているものしか、能力を破壊することは難しい。

これらからして、今回出てきた化け物は副大臣以上。もしくは大臣に匹敵する力を持っていることが容易に分かってしまう。


ぬりかべは名防省の目前まで迫り、兵士数百の攻撃を浴びても傷一つ負わない。

それどころか、兵士たちの手足は力を奪われたように鈍い。


そして――。


ぬりかべの背に、人影。

その中心に立つ一人の男。後光を背負い、漆黒の四枚翼を広げていた。


「なっ……」

誰もが息を呑む。


男は舞い降りた。桜の花びらのように優雅に。

その存在感に、大臣も兵士も目を奪われる。


「……ここも、変わらないな」


懐かしむような声。


その姿を見たミカの身体が震える。

「……まさか……ルシファー様……?」


男の目が細められる。

「ん?私の名を……なぜ知っている?」


次の瞬間。


――視界が揺れた。


ルシファーの姿が掻き消え、気づけばミカの目の前に。

ライオンに追い詰められた小鹿のように、ミカは動けない。


周囲の者たちも同じだった。

身体が動かない。いや……戦意を完全に喪失していた。


声が、甘く、優しく、柔らかすぎたから。


「……ああ、思い出したぞ。ミカだな?強くなったじゃないか。よかったなぁ!」

ルシファーは笑い、ミカの肩を叩く。


だが、ミカは震えを止められない。


「な、なぜ……あの日、この名防省を出て行かれたのですか……」


問いかけを無視し、ルシファーは大きな声で笑った。

「思い出話は後だ!今日は別件だ!!」


視線は戦争大臣――ヨルへと向かう。


「――私は、君をスカウトしに来たんだ!」



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