ヒロVSメルヘイヤpart.2
Aが気にしていた、ヒロの左手とは違う、右手が青龍のように伸びた
「蒼天牙龍撃!!!」
「本命はそっちか!?」
左手に集中していたAは右腕の突然の攻撃に全く反応ができなかった。
青龍の姿に変身したヒロの右腕はそのままAに巻き付いた
「くそっ…動けねえ…」
Aはヒロの拘束から逃げようともがくが、ぐるぐるに巻き付かれており、ほどくことができなかった。まるで、有線イヤホ…
「お前は強かった…じゃあな、戦えてよかった。」
ヒロは左手をAに向けた。しかし、撃たずに、Aを見つめた。そして、何を思ったのか、右手で捕えていたAを離してしまったのだ
その行動にはジロもあっけにとられてしまった。
「な、なにしてるんだ!?お、俺をおちょくってんのかよ!!」
Aはヒロの行動に驚きながらも、馬鹿にされているように感じた
「俺らはメルヘイヤだろ…なら、ならもっと仲良くしてもいいんじゃねえか?」
ヒロは息を切らしながら言った。その目には覚悟と希望が見えた
「な、なにいってんだ…早く拳を出せ!!正々堂々と戦え!!」
Aはだんだんとイラつきが大きくなっていた。
「お前が俺と戦う理由はなんだ?」
ヒロはAを見た。その目は真実を見る、そんな目をしていた。
「…っ、お前らが俺にとって邪魔だからに決まってるだろ!!」
Aは、ヒロの目に何かを感じた。
ある日、俺は神獣・青龍を操る少年、新しいメルヘイヤが誕生したことを知った。
「奴は……俺と同じ“選ばれし者”だと?」
だが、ヒロは人を助け、仲間を信じ、誰もが自然と彼に心を開いていた。
エイの中に、微かな苛立ちが芽生える。
「“信頼”など幻想だ。あんな奴が王になれば、また弱者が笑われる世界になる」
だが、それは言い訳だった。
本当は、ヒロの姿に“昔の自分”を見てしまったのだ。
“家族を愛し、信じることをやめなかった頃の自分”を。
だからこそ、彼はヒロに戦いを挑む。
それは王座を守る戦いではなく、過去の自分を否定するための戦いだった。
「お前を完全に倒し…俺がこの世の王になるんだ!!!」
Aは爪を立て、空間を切り裂くように、手を振りかぶった。
「氷王裂牙!!」
その瞬間、巨大な氷の槍がヒロに向かって迫った。ヒロは避けることができず、当たってしまった
「ヒロ!!危ない!!」
なんとその時、エンが飛んできて、髪を槍とヒロの間に伸ばし、貫けないようにした。
「エン!?な、なんでここに!?」
ヒロはエンに助けられ、少しの安堵があったが、すぐに危ないことに気が付いた。
「遠くから見ていたの、私だけ何もできないのに、二人ばかりに戦わせてしまっていた…」
エンは今にも泣きそうだった。
「なんで…大丈夫だよ!!」
ヒロは泣きそうなエンを遠くに運ぼうとした。
「私は勝手に、二人についてきたんだ。守られるなんて都合のいいことを私はできない!!」
「雑魚が一人増えただけで、なんだというのだ!」
Aは突然出てきた、エンを構うことなくまた攻撃しようした。
その時、エンはAの首元に何かが見えた。それは、見覚えのあるペンダントだった。
「そ、その首のペンダント……私の家族の写真だ!もしかして……あなたが……私のお兄ちゃん…エイなの!?ずっと、ずっと探してたんだ!!」
だが、Aは目を伏せ、無言でペンダントを握りつぶすように隠した。
「……そんなもの、知らん。くだらん幻想だ」
「な、んで……認めないのよ……!」
Aの瞳には、一瞬だけ迷いが見えたが、それはすぐに氷のように冷たく閉ざされた。
「俺はあの家を捨てた。弱者に囲まれ、誰一人信じられず、力もない家族の中で……“強さ”だけが俺を救ってくれたんだ」
「お兄ちゃん……」
エンの目には涙が一筋垂れた…
「もう、“家族”などという甘ったれた言葉に縛られるつもりはない。俺は白紋結界のリーダー、“A”だ。それ以上でも、それ以下でもない」
「おいおい、部外者の俺が言うのも場違いかもしれないが、お兄ちゃんなんだろ?なら、そんな冷たくする必要はないだろ?」
ここまで、頑張って探した兄がこんなに冷たいとは、エンがとてもかわいそうだ
「世間知らずのお前に教えてやろう…家族とは、弱いものだ!!私は自分から、家族を捨てた!!今更何があろうと、それは揺るがない!!」
エイはエンを睨んだ
「てめぇ…それは絶対に間違ってるぜ…!!俺が旅をしているのは、家族を殺したやつを見つけるためだ!!
それでここまで、強くなれたんだ!!」
ヒロはエイの言っていることに猛反発をした。
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!お前に何が分かるんだ!!」
エイは顔が変形するほど怒りに満ちていた。
「氷王裂牙!!!」
エイの周りには先ほどとは比べ物にならないぐらいの量の氷の槍ができていた。
「やばっ…!!」
ヒロはとっさに、遠くにエンを運ぼうとした。しかし、エイの攻撃が早く移動する余裕は無かった。
ドシュン…ドシュン…ドシュン…
エンの声が聞こえてきた
「ヒロ…ヒロ!!!」
ヒロは逃げられないと思い、エンを庇い、背中でエイの攻撃を受けていたのだ。
「エンが無事なら…よかった…」




