新しい生活
話はドンと戦ったあの日まで遡る。リトがあの日、どこにいったのか――
リト――「あ、あの……お名前は?」
シュラ――「私の名前はシュラという。名防省で働いている者だ」
リト――「な、名防省……? なんですかそれ」
シュラ――「知らないか。名防省とは、Sネームを使って悪を討ち、世界を守っている機関だ。
君のように戦闘に長けていないSネーム持ちと、戦闘型のSネーム持ちとでは、その後に保護される地区が変わってくる」
リト――「じゃあ、あたしはこれからどこに行くの?」
シュラ――「君には、家族を失った子供たちが保護されている街――《N.S.city》に来てもらう」
ポスタの街から船に揺られて二日後。
ついにその街が見えてきた。
そこは完全に一般人の土地から隔離されており、外観はまるで某ネズミーランドを思わせるような華やかさだった。
シュラ――「私はここには入れない。この雰囲気はどうも苦手でな。……じゃあな」
船着き場の正面には、大きな門がそびえ立っていた。
そこには宇宙飛行士のような格好をした人物が立っており、顔はシールドに覆われていて見えない。
???――「コンニチハ! テンプです! こちらへどうぞ!」
リト――「勝手に通しちゃって大丈夫なの……?」
テンプ――「ダイジョウブ! 大丈夫! 君のオーラを見れば大体わかるよ! 君のSネームは危険じゃなさそうだから!」
リト――「……まあ、間違ってないけど」
テンプ――「さあさあ! こちらへどうぞ! ちなみに、ここには誰の案内で来ましたか?」
リト――「名防省ってところの、シュラって人に連れてきてもらったの」
テンプ――「ええええっ!? シュラ様に会ったんですか!!!」
リト――「ど、どうしたの?」
テンプ――「シュラ様っていうのはですね……名防省の副大臣様ですよ!」
リト――「ふ、副大臣? それって……めちゃくちゃ偉い人ってこと?」
テンプ――「偉いなんてレベルじゃありません! 名防省には世界中の戦闘型Sネーム持ちが集められていて、その数は三千人にも及ぶんです!
シュラ様は、その組織で世界の争いを管理するチームの――No.2ですよ!」
リト――「争いごとを管理……? そんなことまでしてるのね。(たしかネスが、シュラと知り合いみたいに話してたけど……どういう関係なんだろ)」
テンプ――「あのシュラ様に送ってもらえるなんて、本当にすごいことです! あっ、無駄話しちゃいました! ではこちらへどうぞ!
ここ《N.S.city》にいるのは全員がSネームを持っている人たちです! 中には、自分のSネームの本当の名前を知らない人もいますけどね!」
テンプ――「シュラ様から説明を受けたと思いますが、ここは非戦闘型Sネームを持つ人々が集められた街です。……ところで、君のSネームは何ですか?」
リト――「あたしのはね、体のどの部分でも光らせることができるのよ。……変な能力でしょ?」
テンプ――「いえいえ! とってもいい能力だと思います!」
リト――「じゃあ、ちなみにテンプのは?」
テンプ――「す、すみません! それは言えないんです!」
リト――「なるほどね……まあいいわ」
テンプ――「はい! ではこちらを真っ直ぐ進んでください! 君は見た感じ16歳くらいかな?
だから、君には学校に通ってもらいます! いってらっしゃい!!!」
リト――「……なんか最後は随分と雑だなぁ。……まあ、行ってみるか」




