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神の名を求めて  作者: ササン木
謎の老人編
1/49

村への襲撃

ササン木です!!

沢山ある作品の中から、見つけていただきありがとうございます!!

これからもたくさん頑張っていきますのでよろしくお願いします!!

 



これは今から数千年も前の話である。


―――深い森の奥底に、巨大な王国が存在していた。


その王国に住む人々は皆、生き生きと暮らし、何よりも王を深く敬愛していた。

誰もが、この穏やかで幸せな日々が永遠に続くものだと信じて疑わなかった。


だがある日、その平和は突如として崩れ去る。


何者かによって王国は襲撃を受けた。

現れた謎の集団は容赦なく人々を殺戮し、最後には国王さえも命を落としてしまう。


炎が巻き上がる中、王国の門のそばでひとり泣いている少年の姿があった。齢は3歳か4歳程度だった。

貴族のような服装をしており、明らかに高貴な血を引く子供であることがわかる。

この惨劇の中、唯一生き残ったのがその少年だった。


そこへ、ひとりの老人が現れた。


「……こりゃあ、ひどくやられたな」


そうつぶやいた老人は、泣きじゃくる少年をそっと抱きかかえ、その場を離れた。


―――数時間後。


老人の住む山奥の小さな村へとたどり着いた時には、既に夜中の三時を過ぎていた。

疲労困憊の少年は、まるで糸が切れたかのように深い眠りに落ちていった。


翌日の昼、少年は目を覚ました。


老人は手作りの温かい食事を差し出した。

少年は何の躊躇もなく、それを夢中で食べ始めた。


だが、老人が少年の表情を覗き込むと、その顔には戸惑いが浮かんでいた。

――まるで、昨日の出来事などなかったかのように。


そう、少年は記憶を失っていたのだ。


村の人口はわずか20人ほど。山間にひっそりと存在するその場所で、

少年と老人は、まず村人たちに挨拶を済ませた後、互いに自己紹介をした。


少年の名はヒロ。

老人は自らをジロと名乗った。


――あの日から、どれほどの時が過ぎただろう。


ヒロは本当にすべての記憶を失っているのだろうか?


(……おそらく、父親が三種の神器のひとつ『緑の勾玉』を使ったせいじゃろうな。

あいつめ、あの力の危険性をまるで理解しておらん……)


「なにをそんなに考え込んでるの?」


「……なんでもないさ。ほれ、キャッチボールでもするか?」


(……罪な子じゃ。何も知らずに笑って生きる。

だが、それこそがこの子にとっての幸せなのかもしれんな。

父親も、ヒロを守るための行動だったのじゃろう)


「うん!」


そうして夜、二人で夕食を食べていた時。


「お前は、ワシが誰か分からんのじゃな?」


「……うん。おじさん、僕のこと知ってるの?」


「もちろんじゃ。ワシはお前の……おじいちゃんじゃよ」


「……おじいちゃん? ジロが……?」


「そうじゃ。とはいえ、会ったのはお前が生まれた時だけじゃな。

お前の父親がワシに会わせようとせんかったからなあ。

……まあ、それもワシの“職業”のせいなんじゃがな」


「職業……?」


「ふふ、気になるか? まあ、それは置いといて……

お前の名前“ヒロ”を決めたのは、実はワシなんじゃよ」


「えっ、そうなの? なんで?」


「……ふふ、それはまだ秘密じゃ。いずれ分かる日が来る。

……ほんとは、こうやって二人で静かに暮らしたかったんじゃがな」


ジロの寂しげな表情を見て、ヒロはそっと彼を抱きしめた。

15歳の少年なりの、精一杯の慰めだった。


「ありがとうなあ、ヒロや……」


二人の間に、確かな絆が芽生えた瞬間だった。


その夜――。


時は丑三つ時。

ジロが突然目を覚まし、激しく咳き込み、口から血を吐いた。


「……ワシの寿命も、もう長くないのう……急がねば……」


そうつぶやくと、ジロはふらふらとどこかへ出ていってしまった。


――そして一時間後。


ピカァァアア――ッ!!


外から、異様なほど強烈な光が部屋を照らした。

その光に包まれると、ヒロは突如激しい苦痛に襲われ、絶叫し、意識を失った。


まるで悪夢にうなされるように、ヒロは震えていた。


そして朝。


目を覚ますと、ジロはもう家に戻っていた。


だが、ヒロの雰囲気は明らかに変わっていた。

その目は暗く沈み、何かに絶望し、怒りすら滲ませていた。


ジロは静かに問いかける。


「……思い出したのか?」


ヒロはうなずいた。


自分の住んでいた王国が襲撃され、父が亡くなったこと。

そして、その襲撃を指揮していたのが――


ジロだということも。


「……あいつ、本当にやったのか……」


ジロはつぶやいた。


「ばれたか……。そうじゃ、ワシがお前の王国を滅ぼした張本人じゃ。

お前を保護すれば疑われまいと思ってな。……利用させてもらったよ」


その言葉を聞いたヒロは、泣くことも怒鳴ることもなく、ただ無言で家を出た。


去っていく背中を見送るジロの目には、抑えきれない涙が光っていた。

少年の最後の顔には何が隠されているのか!?

そして明かされる老人の正体、、!?

次の話も見ていってください♪

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