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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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この日に合わせて

何か何でも

どうしてもひな祭りの日にプロポーズを考えていた和真かずまとしては柚那ゆずかちゃんにラインのメッセージを送り、電話もかけたが繋がらなかった。


翌日の夜、電話がかかってきた。

「どうしてその日にこだわる必要あるの?バレエの発表会やコンクールの予定はないけど、バレエ教室のレッスン入っているから早くても夕方から夜になると思うよ。場所はどこに行けば……?」


決めているのは「いすみ鉄道」沿線ということだけ。だが、これだけではどこに行ったらいいか分からない。沿線のご飯屋を急いで調べた。


柚那ゆずなちゃんにはその日にご飯屋に行きたいから予約してまた伝えて電話を切った。


前に実夢みゆ柚那ゆずなちゃんと3人で旅行をした時、東雲しののめ姿の菜の花を撮りに行ったことを思い出して検索すると日本料理のお店を見つけ、ネットでそのまま予約を取った。


前日までに購入をした指輪を調布ちょうふまで取りに向かっていた。そこで態々《わざわざ》買わなくても参考程度で別の店で買えばよかったかもと思いつつ電車に揺れている。


このかわいい指輪をもらって喜ばない女の子はいないよと実夢みゆのお墨付きをいただいたような感じ。決して口で言っていたわけではなく、表情がそう語っていて真意は聞いてはいない。と言うより聞けるはずがなかった。


前日、お店のホームベージを柚那ゆずなちゃんの個人ラインに送信してひとまず午後8時に予約しておいたと伝え、送れそうなら改めて連絡して欲しいと併せて送信をする。


翌日も仕事なのにプロポーズの言葉をちゃんと噛まずに言えるかと考えていると全く寝られず朝を迎え、カバンに指輪を入れて向かった。


寝ずに仕事をしていたため、支障が出ないか心配だったが何とか乗り切った。そして菜の花電車に乗って大多喜駅おおたきえきで下車をする。


駅で柚那ゆずなちゃんを待って直接向かうのでもいいがお店を予約しているため、誰もいないわけにはいかず駅から歩いて向かった。先に中で待っていると小走りで柚那ゆずなちゃんがやって来た。


予約をしておいたコース料理を持ってきてもらう。何を喋ろう、何てプロポーズをしようと脳内で何度もシミュレーションをしたのに柚那ちゃんを前にすると緊張をして言葉が出てこない。


料理が届いたらお誕生日おめでとうと言って今年のプレゼントだよという流れで結婚しようと伝えよう。それならサラっと緊張せずに言えるかもと考えていた。


そう考えていた和真のもとに料理が届いて柚那ゆずなちゃんに話があると切り出した。


「今日、柚那ゆずなちゃんお誕生日おめでとうございます。今年のプレゼントとしてあるものを用意したから受け取って欲しい。結婚してください」


フタを明けて指輪を見せる和真かずま。どういう表情をしているのか怖いと思いつつも確認をすると笑顔で幸せそうな顔をしていた。


こちらこそ宜しくお願いします。こんなかわいい指輪を買うために態々《わざわざ》調布ちょうふまで行ってくれたの嬉しいよ。実夢みゆにもお礼を言っておかないとね。


これは和真かずま実夢みゆしか知らないこと。なぜその事を知っているのか聞いてみた。新しく出たアプリで位置情報とボイスレコーダーの付いたのを入れてどこで何をしているのか見させてもらったよ。

恐怖とか監視とか言わないでとウィンクをする。

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