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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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それぞれの夢

違う道で

4月、入寮を終えて和真かずまを含めて数人の新入社員が「いすみ鉄道」に入社をする。男だけでなく、女の子もいた。お昼ご飯の時になぜここを選んだのかと聞かれ、春の菜の花がキレイで電車がかわいくて惚れたと答える和真かずま


いきなり運転手や車掌になれるとは思ってはおらず、なんでも言ってもらえればという気持ちでいて駅にある売店で会計をするのでも面白そうだなと感じていた。鉄道会社で携われるならば。


研修を終えてた和真かずま。最初に配属されたのは駅員さん。主に定期の購入や更新、道案内、忘れ物の管理といった仕事で行き来する電車を見送ることもしていた。大変なこともありつつもとてもやりがいのある仕事だなと誇りに思っていた。


その中でも常に行っていることは柚那ゆずなちゃんと実夢みゆ、そしてそこに通うバレエ教室の子たちが出る発表会やコンクールがいつあるのか、そして自分の休みと照り合わせて休み日に行けたらな、そう考えていた。


ホームページと毎月配布されるシフト表を見てというのが毎月の日課になっている。偶然、自分の休みとコンクールが重なっている日があった。柚那ゆずなちゃんや実夢みゆたちは出るのか気になっていた。


七夕の日、お昼からで会場が幕張まくはり総合文化センター東京とうきょう公演となっているが忙しいと思ってグループラインで尋ねた。


数時間して返事が返ってきた。

柚那ゆずなちゃんも実夢みゆ、それぞれ演者として出るし教え子たちも出るから見に来て欲しい。舞台に立つの初めての子もいるから緊張して覚束おぼつかないかも知れないけど温かく見てもらえると嬉しいかな。講師目線としては」


そして当日を迎え、電車とバスを乗り継いで会場に向かうと柚那ゆずなちゃんと実夢みゆに会って軽く挨拶あいさつをして会場に入っていった。


自由席の時は中心に座るのが和真かずまとしての真ん中で観るようにしている。全体を見渡せるようにという意味を込めていると勝手に解釈をしている。


演目順として子どもの部でそれを終えたら大人の部へと移っていく。トリは柚那ゆずなちゃんが務めることになっていた。自分が何かをするわけでもないのに緊張してきた和真かずま。時間になり、緞帳どんちょうが開く。


今自分に出来ることを頑張ろうとしている小さなバレリーナたち。始まる前と終わったあとには大きな拍手で包まれていた。


そして子どもたちが終え、まず実夢みゆが踊る。見るものを圧倒するような演技に会場全員が食い入るように眺めていた。そしてトリの柚那ゆずなちゃんの番がやって来た。


実夢みゆを見た時でも会場が食い入るように見ていたのに、柚那ゆずなちゃんが演技をすると目を見開きまるでムンクの叫びのような顔で眺めている。この日、最初で最後のスタンディングオベーションが送られていた。


外を出ようとすると大雨でどうしようかと悩んでいた和真かずま。しばらくベンチで座っていると柚那ゆずなちゃんから途中まで一緒に帰ろうよと誘ってくれた。


クリームソーダのかわいいビニール傘に駅まで行こうと誘ってくれて手を繋ぎながら相合い傘をしながら向かおうと実夢みゆの方を振り向く和真かずま


子どもたちの引率は実夢みゆがするから気にしないでデートしな。小さなバレリーナからも付き合っているのか、ラブラブだねと揶揄からかわれていた。

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