委員会
誕生日会
翌日、通学のスクールバスで隣の席に座ってお互いの誕生日について改めて話していた。柚那ちゃんは花の節句でもあるひな祭りの日。和真の誕生日が端午の節句でもあるこどもの日と偶然、お互いに節句の日が誕生日に運命を感じてる。
花の節句がひな祭りで女の子をお祝いする日で端午の節句は男の子、女の子関係なくこどもをお祝いをする日だとは何となく知っているが、具体的に何を食べて何をする日なのかまでは知らない。
まだ桜が散ったばかりにあるお願いをする。
「和真は次の誕生日だけど柚那ちゃんに誕生日会しようよ。お母さんに聞いたらいいけど誕生日聞いて土日ならいいよって」
するとクスクス笑って気が早すぎるよ。その前に和真君の誕生日だからお誕生日会しないとね。
自分の誕生日会をして欲しいからその話をしたつもりは全くなかったが、ゴールデンウィークでお休みのこともあって開催されることが決まった。
学校に着いて下駄箱に向かう和真。
この前、入学式の時にクッキーを持ってきてくれただけでも嬉しいのに自分のために誕生日会を開いてくれると聞いた時は嬉しくて陽気にスキップしてジャンプをするほどだった。
下駄箱に上履きに履き替える時に我に返った。
小学校1年生が嬉しくてスキップをしたり、ジャンプしたりと燥いでいる姿はかわいいと言ってくれる人もいるが和真自身は恥ずかしい気持ちしかない。
授業が終わって再びスクールバスに乗って寝る。考えていることは早くこどもの日にならないかな、柚那ちゃんと何を食べるのかな。柚那ちゃんと気軽に呼んでいるけど歳上のお姉さんだから柚那お姉ちゃんって呼ばないとなと寝言を言っていたみたい。
隣に座っていたその柚那お姉ちゃんに着いたよと起こされ、寝言で言っていたけど歳上だからってお姉ちゃんって呼ぶ必要ないよ。今まで通り柚那ちゃんでいいよ。それか柚那でも。
歳上のお姉さんを呼び捨てにする?そんなこと出来るわけがない。でもあのかわいい声で起こしてもらうのは嬉しいし、隣の家に住んでいる特権だなと感じていた。
こどもの日、当日を迎えて和真の家には柚那ちゃんとご両親も来てお寿司とオードブル、そしてピザを注文をしてみんなで食べていた。
柚那から手作りでポメラニアンのぬいぐるみを作ってくれた。和真は思わず柚那ちゃんにどうしてこんなにも優しくしてくれるのか尋ねた。
「柚那には兄妹いなくてさ、隣の家にいる和真君を見ていると何だかかわいい弟が出来たような感じがしてね。遊んでいる時もスクールバスで寝ている時も愛おしくて」
その話を聞いてかわいいと思ってくれているということは嫌いではないのかな。年下だからかわいい、そうだよな。こんなかわいい女の子が自分のことを男として見ているわけないよなと実感した瞬間だった。
それでも年下で弟のような存在って言ってくれるだけでも嬉しいと思わないとな。