委員会
委員会
それぞれの役割
小学校にも少なからずルールや役割みたいなものが存在する。例えば授業中は座って黒板に書かれていることをノートに取る。音読をする時は大きな声で読むといった感じに。
それと同じように小学生にも役割分担がされている。日直ならば日誌を書いてその日の号令をする。それ以外にも宿題のノートを回収をして職員室まで持っていく係。給食委員ならば給食を配膳したりとどこまで細分化するかは各学校によって異なるが大まかなところは同じだ。
給食の時間に放送委員会が学校であったことや日常生活の出来事、本日の1曲として学校にCDを持ってきて流すことが出来る。流す曲は基本的に児童に任されており、流行りの曲から往年の曲や自分が好きな曲を流す人と個性が表れる。
大体の人は校内放送を惰性で聞いている人もいれば、これが楽しみで給食の時間が早く来て欲しいと思うのかとどちらかに分かれる。
ある日、いつものように給食の時間に校内放送が流れる。担当は柚那ちゃんでかわいい声が学校中に響き渡って周りがザワついていた。
普段何とも思わない人たちもこのかわいい声は誰なのか、クラス中の話題をジャックしていた。給食が食べ終わってもまだ校内放送のかわいい声の持ち主は誰なのかと声が聞こえていた。
この時、和真としては4年生の椎名柚那ちゃんだよ。とは気軽に言うことが出来なかった。理由としては柚那ちゃんが他の人に奪われてしまう、そう考えて同じクラス、同じ学年の人は仕方ないにしてもそれ以外の人には言わないようにと頑なに決めた。
柚那ちゃんが校内放送をする時には毎回ソワソワした思いをしなきゃいけないのかと思うと気が重くなる。あくまでもお姉ちゃんを守る弟くらいなものだと勝手に思っている。
帰りのスクールバスでいつものように和真は柚那ちゃんと座っている。学校お疲れ様と話しかけてくれたけど、人差し指を立ててシーと喋らないようにする。
嫌いになったのかと聞かれたがそうではない伝え、柚那ちゃんのかわいい声がみんなにバレるのが嫌だったから。
バスを降りてしばらく家の前で喋っていた。
「柚那の声ってそんなにかわいいかな?自分ではこの声、あまり好きじゃないの。クラスや同じ学年の子にはぶりっ子するなってすぐに言われてさ、そんなつもり全くないのに……」
沈黙して柚那ちゃんは急にこんな話してゴメンね。和真君からしたら隣に住んでいる女の子にしか過ぎないのにこんな話しても困るよね。もう和真君の前では弱音吐かないようにするね。
じゃあ話を聞いて欲しいと和真も口を開く。
「別府駅で初めて見た時、温泉で会った時にまた会いたいって思ったの。そして引越ししてきて隣の家に住むと決まった時は心の中でガッツポーズするくらい嬉しかった。だから幼馴染以上の関係になれるのが理想だけど、それがムリでも仲のいい幼馴染でありたい、お願いします」
小声で柚那ちゃんは和真に囁いた。
「嬉しいよ、ありがとう。柚那は好きだよ」
この好きと言うのは幼馴染としてなのか?それともそうではなくてなのか?どっちなのだろうか。




