恥ずかしい
まさかの
予定を終えた和真。迎えに来て欲しいと実夢に電話をすると近くにいるからもう少し待っていてねという答えだった。この時間、柚那ちゃんとこの時間をどうやって過ごそうかと考えていた。
他愛のない話をしていると実夢の車がやって来た。車に乗り込むと柚那ちゃんがプレゼントとお手紙をもらったのと笑顔で話していた。和真としては数万円の物をもらって数千円だったのがスゴい気が引ける気がする。
カバンから取り出した鉄道模型を眺めてプレゼントこれでよかったのかなと思っていた。でもこのトートバッグとハンカチめっちゃかわいくて日常生活で使えるのが有難いと実夢に話している。
自分は欲しいものをもらって柚那ちゃんは実用的なものを渡せたからよかったかなと安堵な気持ちになっていた。
自分あげたプレゼントを見て喜んでくれるほど嬉しいことはない。時間をかけて選んでよかったと思えるから。お手紙は家で読んで欲しい気持ち。
だが、和真が思っているようには中々ならない。
柚那ちゃんが実夢に話していた。
「お手紙をもらったの。それも直筆ってスゴくない?このネット全盛期に柚那のために時間をかけて書いてくれるって愛おしくない?」
その話を聞いて実夢は柚那愛されてていいね。ねぇ、どんな内容か見た?見てないなら見てみて。
後ろの席でバッテンマークをする和真。その姿を見て頷いているにも関わらず封筒から便箋を出す柚那ちゃん。手紙を読むのはいいけどせめて黙読にしてとお願いをする。
実夢が運転して見れないから音読して欲しい。どんな内容か気になるな〜。これはダメだと言っても音読をされる雰囲気だなと諦めた。
じゃあ読むねと柚那ちゃんが深呼吸をする。
「柚那ちゃんへ
改めてこうやって手紙に綴るのは少し照れくらいですが自分の気持ちを書くね。引越しで隣の家に来ることになった時は顔がかわいくて声がかわいくてまさにひと目で好きになったよ。そこから出かけたり、バレエ教室や発表会での輝いている姿は今でも覚えているよ。会えない時期もあったけどまたこうやって出会えてよかった。自分も就職が決まったばかりだからスグにとはいかないけれど将来的に結婚して欲しいな」
あの柚那と和真君が数年後には結婚するのか。新郎側でもいいし、新婦側でもいいから実夢も招待してねとずっと言っていた。
なぜ手紙で綴ったのか理由も話した。
和真としては大事な事だから直接伝えるべきだなと言うのは分かっていたが緊張して噛んだり、間違えたりしたら台無しの上に雰囲気を作ってもぶち壊しになるのではないかと危惧をしていた。
道の駅で車を停めた実夢。小さい時から和真君は柚那のことを考えてくれているね、背だけ伸びて性格も含めてかわいいまで嬉しい。ずっとこのままでいて欲しいと柚那ちゃん、実夢から言われていた。どうすればいいのかは全く分からない。




