ダメで元々
それぞれの夢
和真としては何が何でも鉄道会社で働きたい、鉄道に携わりたい。それがどこであろうとも。その気持ちではるばる大分県から千葉県までやってきた。そのためには単位を全て取り終えて就活に専念をした方がいいと考えた。
柚那ちゃん、実夢に聞いてもその方が絶対にいいしどの道に進むにしても単位を早めに取り終えるに越したことはないと先輩のアドバイスをもらって選択必修や教養科目などをどう履修登録をするか考えていた。
グループラインで柚那ちゃん、実夢それぞれどこのバレエ教室に行くことになるのかまた分かったら連絡して欲しい。その進捗具合によって予定を合わせると伝えた。
柚那ちゃん、実夢だけでなくその教え子のバレリーナたちが舞台に立って舞う。その姿を考えるだけで感慨深い気持ちになる。周りの人がスタンディングオベーションさせる演技力がありつつも方向音痴な面もある。
これは苦手とはいえど飛行機に乗って全国津々浦々周るくらいの気持ちでいた。そう考えると自分も早めに単位を取り終えて言い方は悪いが手当り次第、鉄道会社をエントリーしようと考えた。
履修登録を終えてアルバイトに専念している和真のもとにラインが届いた。グループラインで柚那ちゃん、実夢とそれぞれ教えることになるバレエ教室が決まった。
柚那ちゃんは東京都の中でも千葉県寄りの亀戸で、実夢は山梨県にある笛吹市という場所にそれぞれ確定したと報告があった。
和真としてはどちらも行ったことないし、かおを見るついでにどういう場所なのか見に行ってみたい気持ちもあって時間を見つけて会いに行くこと伝えた。
まだ卒業や就活には早い時期ではあるものの自分の入りたいと思う業界が定まっていて時間を見つけては虱潰しに検索しては会社内容をこと細かく調べ、近辺は何が有名なのかも調べていた。好きな事だから全然苦にならなかった。
柚那ちゃんや実夢に会いに行きたいと思いつつ、随時ネットでホームページを調べていると発表会やレッスンが講義と重なって行きたくても行けない状況が増えていた。こうなったら先に全て単位を取り終えてから後は就活だけと報告をした方がいい気がしてならなかった。
予定通り、就職活動を始める頃には卒論とあといくつか単位を取ればいい状況に出来て全国にある鉄道会社にエントリーシートを送りつつ履歴書や試験対策として筆記問題やウェブ試験とどちらがきてもいいようにしていた。
エントリーシートで弾かれ、面接でダメで鉄道会社以外も受けてみた方がいいのかもと不安で方向転換も考えたが諦めきれなくて全てダメならばと只管応募と試験や面接を繰り返す。
柚那ちゃんや実夢も頑張っているから自分ももう少し頑張ろうと奮い立たせてやったこともあって前に柚那ちゃんと共に行った菜の花をモチーフにしたかわいらしい電車の「いすみ電車」から内定が決まり、グループラインで伝えた。
その日の夜にグループ電話でおめでとう、時間を見つけてまた行こうねと話す柚那ちゃん。自分も連れて行って欲しいと語る実夢。菜の花が咲いている時期に揃って行けたらいいねと電話で盛り上がっていた。




