ひと段落
任させることを
川崎星南女子大学文化芸術を卒業する柚那ちゃんと実夢。卒業式にかわいいクリーム色で出席をした柚那ちゃんとカッコイイ黒色の袴で出席をした実夢。
イタリアに行った時に常に不安を抱えながら生活をしていた柚那ちゃん、もっとバレエについて追求しようと大分の地から遠い神奈川県川崎市にやってきた。
内定が決まっていたが、粉飾決算で話がなくなって話しが去っていったかと思えば昔通っていたバレエ教室の恩師から大学時代の友達とイベント会社を設立してくれてそこにメンバーとして、講師として雇ってくれた。
世の中捨てたものじゃないなと感じつつもバレエ教室の宣伝、自分たちもバレリーナとして踊る場所を探したりと全て任せるのではなくて出来ることをしようと柚那ちゃんと実夢は考えていた。
ひと足早く会社登記を終えて卒業後、スーツにて本社に行って改めて挨拶をして数ヶ所にバレエ教室を開校予定で運営や軽量などは専門の人を雇うからと伝えられた。
このことにより柚那ちゃんと実夢、それぞれバレリーナとしてだけでなく講師として出来る環境を用意してもらったとそれぞれからラインが届く。
久しぶりに和真君も含めて3人で話そうよ。予定を合わせないと中々会えなくなるかも知れないからとそれぞれ個人ラインでやり取りをしていたのに突然グループラインでそう送ってきた実夢。
どこに行くかグループ電話で話していると京葉線と京王線を聞き間違えてなぜか東京都の調布に行ってしまった人がいる。当の本人でもある実夢自身は全く記憶にないからと翌日、駅周辺にあるカフェに行こうよと提案する。
どこがいいかは柚那ちゃん、実夢に任せてとりあえず洋服を用意する。忙しいし、あとこうやって何度顔を合わせることが出来るのだろうか……。そう思って眠りについた。
翌朝、東京の調布駅に行くとちゃんと水色のワンピースの柚那ちゃんと白のブラウスに白のミニスカートを穿いている実夢が改札にいた。
今回は電車を乗り間違いをしてなかったとひと安心した。迎えに行くか、遅れてくるかどっちかだと思っていたから。
どこかオシャレでかわいいカフェに入るのかなと思っていたら昔ながらの純喫茶に入ってブレンドセットを注文をして、先にサンドウィッチが運ばれる。
和真としては寂しくなる気持ちも伝えつつも必要とされている場所で輝いて欲しい。会う機会も減るからこれからは公演があればいつでも顔を出すよ。これからは予定を作って会おうねと柚那ちゃんと実夢、それぞれと握手を交わす。
今後の夢に向けて話し合っていた。
柚那ちゃんと実夢の夢は同じような感じだった。
「自分たちがバレリーナとして輝くことも大事だけど、教えた子たちが頑張ってくれたり世界に羽ばたけるようなバレリーナを育てていくこと。後、好きな子と結婚することかな」
和真の方を見てウィンクをする柚那ちゃんに顔を赤くしてしまう。
続いて和真も夢を述べた。
「鉄道会社に入れるのならば北は北海道南は沖縄県まで面接を受けてでも鉄道に携わりたい」
そういうと飛行機乗る時に柚那や実夢の手を繋いでないと怖いって言っているのにと揶揄ってくる。
この他愛な時間も貴重な時間だなとブレンドを飲みつつ濃い時間を過ごしていた。




