慣れない環境
新たな発見
大分県に戻って来て柚那ちゃんも実夢もいない生活が始まって今まで誰かといるのが当たり前だった生活から急に孤独になった感じがして寂しい気はするものの、柚那ちゃんと実夢がそれぞれの夢や目標に向かって頑張っているのだからと割り切る。自分も何かそういうものを見つけたいな。
その日の夜に実夢から周りに誰も友達がいなくて寂しいし、逆に自分がいなくて寂しいのかなと思ってライン電話をかけてきたと話している。
その気持ちはあるけどもそれぞれの選んだ道に向かって頑張る姿を見守ることしか出来ない、大学やアルバイト先で仲のいい人が見つかるといいねと年下の分際でアドバイスをしていた。
自分のことをなんでも話せる人が出来るまで月に何回か、いや週に何回かのペースでライン電話がかかってくるのかな。そう考えていた。
だが、実態はそうではなく毎晩電話がかかってきてその日あった出来事を話している。和真も高校生になって科目も増えて分からないことが多くなってはその都度電話で教えてもらいつつ数学等はルーズリーフを用いて教えてもらっていた。
入学したでその次の進路は近くなったら考えようと楽観的に考えていた和真。その時、実夢が放った言葉に引っかかっていた。
「和真君、電車が好きだから将来的に運転士や車掌とかなったりとか考えてるの?もしそうなれば実夢、その電車に乗ってみたいな。日本に柚那がいれば一緒にね」
この時、電車が好きだから運転士や車掌になれたらと直接考えたことはなくて自分には難しいとそもそも選択肢にすら入っていなかったがこの言葉を聞いて受験まで数年ある。勉強を頑張って就職、専門学校、大学とどうなるか分からないが電車に携わる仕事をしたいと改めて考えた。
電話を切って実夢に誓った。もしそのタイミング言ってくれなかったら何を目標とかに向かって頑張っていけばいいのか分からなくなる。そして勉強しなきゃいけないからと毎日の電話を間引きしてもらうことにした。
目指すにしても明確にあった方がいいなと思って鉄道に関することをやっている専門学校、大学について日本全国と調べているといくつかヒットをする。その中でも興味のある大学を見つけた。
幕張産業大学東京キャンパス鉄道学部という場所を見つけた。まずどこからツッコんでいいのか分からない。
そもそも幕張は千葉県にあって東京ではない。東京と名乗るには少し距離があるな。そして鉄道学部には興味があるが、どのようなことを学ぶのか。鉄道のことなのか、歴史なのか。
よく見ると開校予定と書かれていて、募集時期を見ると和真が受験をする年が初年度にあたる。これはどうやって勉強をしたらいいのか分からない。過去問がないから他の学部の勉強をすればいいのかそれとも同じような学部を勉強したらいいのかと。
実夢にラインで聞いたら大変だけどその大学の全学部とその受験したい学部の勉強をしたらいいよとアドバイスをもらう。幕張産業大学は多岐に渡って学部学科があって、複数のキャンバスを所有している。
高校を入学してまだ数ヶ月なのにもう受験勉強しなきゃいけなくなるとは思わなかった。




