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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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複雑な心境

何故だろう、自分のことよりも柚那ゆずなちゃんのことや友達の実夢みゆのことを常に気にしている和真かずま。人のことを心配する前に自分のことを心配した方がいいんじゃないかとよく家族やクラスメイトから言われることも多かった。


自分の部屋でゆっくりしているとスマホがピロンと鳴る。何かのアプリ通知だろうと見ると実夢からだった。何かなとラインを開くとある大学についての相談だった。


送られてきたのは翌々年の春に完成する神奈川県かながわけんに出来る予定の川崎星南かわさきせいなん女子大学文化芸術学部に関してのことだった。行きたい大学があるなら受験してもいいのではないかと考えていた。


常に内部進学が出来るか分からない当落線上にいる和真かずまにとって自分の学びたいこと、行きたいと思う学校があるのはスゴいと思うし、仮にダメでも別の進路や希望の大学に入るために浪人する人も珍しい話ではない。


何て返したらいいのか、既読を付けながらしばらく考えていた。出来ることはこれしかないとメッセージを打ち始める。


「そっか、実夢みゆがそう決めたのならば出来ることは応援することだけだよ。ずっと一緒にいた実夢みゆと離れるのは寂しいけれどそれよりも自分の夢を大事にして欲しい」


柚那ゆずなちゃんを見送った時も寂しかったが、実夢みゆも見送ることになるかも知れない。寂しいが本人の夢を応援してあげるのが友達として出来ること。


何かをしたい、目標に向かって頑張る姿は輝いて見えて自分ももっと頑張らなきゃとも思えてくる。自分はこのまま内部進学で高校に行けるのだろうか、ダメならどこの高校に行けるのだろうかと考えているのとでは雲泥の差だなと感じる。


その時、実夢みゆからライン電話がかかってきた。

和真かずま君、ラインを読んで勇気出たよ。実夢みゆね、今スゴい不安に押しつぶされそうな感じで自分の夢を応援してくれるって言ってもらえて嬉しい。いい報告が出来るように今から頑張るね」


電話が切れてから実夢みゆって2年生に進級したばかりだよなとふと考えた。偏差値がどれくらいで難易度がどのくらいなのか分からないが、今から頑張れば間に合うのではないのかと考えていた。


その不安の中でもスクールバスで会うと笑顔で気丈に振舞っている。アルバイト先に行って顔を見てもいつもと変わらない。そしてバレエの発表会では表現力が増していて拍手したくなるくらい感動をする演技をしている。


実夢みゆの受験を考えているという川崎星南かわさきせいなん女子大学文化芸術学部について調べていると受験でも一般入試だけでなく、推薦入試も複数設けられている。


数教科受ける方式の推薦だけでなく面接と得意なことをアピールする時間が設けられている。お金はその分かかるかも知れないがそれぞれの推薦入試を受けた上で振るわなかったら年明けに一般入試に挑めばいいのではないかと考えた。


そのことを踏まえて実夢みゆにリンクと共に送る。

実夢みゆのために自分の時間を割いて調べてくれてありがとう。いい報告が出来るように今年1年、気を抜かずに頑張るねとメッセージが届いた。

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