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憧れの幼馴染  作者: 佐々蔵翔人
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何をすれば

気になる文字が

どうしてなのか、和真かずま柚那ゆずなちゃんが日本を飛び立ってから数ヶ月が経つのにまだ気持ちの切り替えが出来ていない。いないと分かっているのに部屋から窓を開けたらそこには柚那ゆずなちゃんがいるのではないかと錯覚をしてしまう。


改めて応援をするとは何か、1番の味方だからと常に考えていたがその答えが見つからない。何をしたら喜ぶのか、どのような事をすれば応援してもらっていると実感をするのか分からずにいた。


実夢姉みゆねえ、いや実夢みゆに今度その問いについて聞いてみよう。きっと答えを導いてくれると考えていた。翌日、学校が終わってスクールバスを降りてバレエ教室に向かう時に聞いてみた。


やぶから棒に難しい質問だね。考え方は千差万別せんさばんべつだから絶対にこうだとは言いきれないけど、実夢みゆとしては応援されているなと実感するのは自分の時間を使ってでも発表会に観に来ようって思ってくれることかな。後、味方って思ってくれているなと実感するのはこうやっていい事だけじゃなくてどこが悪いのか言ってくれることかな」

その話を聞いてスマホでメモをする。


自分は柚那ゆずなちゃんや実夢みゆの様にバレエをやっているわけではないからその感覚がどういうことなのかよく分からずにいた。練習が始まる待ち時間の間に何気なく柚那ゆずなちゃんがどこのバレエ団体に入ったのか気になって調べていた。


テレビで名前を聞いたことのあるようなバレリーナの人もいて、もしかしてスゴい団体に所属をしているのかと帰りにまた実夢に聞こうと考えた。


行きに質問、帰りにも質問と聞くことが多いなと自分でも思いつつも予備知識がなさすぎて何も分からない。やっとバレリーナの人が着るのがレオタードで履くシューズがトウシューズが分かるレベルだからだ。


読み進めているとブログに記事の内容とその日に出演をしたバレリーナたちの写真も一緒に載せられていた。ここに名前や写真が載ったらスゴいこと。なのかというくらいに眺めていた。


練習中はブログを読むのを止めて実夢みゆや他の子たちの様子を伺っている。入ってきた時は小学生にもなっていなかった子達が大きくなったなと誰目線なのかと思うような気持ちで見ていた。


ここに通って何年になるのかな、女性講師がアドバイスをした後に全員が和真のもとにやって来て必死にメモを取ろうとしている。なるべくゆっくり、聞き返されたらまた答えるようにしていた。


実夢みゆが着替え終わるのを外で待っている和真。しばらくしてやって来た。歩きながらまた質問をするといきなり和真かずまのスマホを取り上げた。


柚那ゆずな、このバレエ団体に入ったの?イタリアと聞いたからそれはないと思っていたけどまさか。バレリーナなら誰もが憧れる場所で倍率もスゴいってウワサだよ。日本で例えるなら宝塚たからづか歌劇団に入ると同じくらいかな」


分かりやすい例えを出してくれてホントによかった。毎年テレビで合格発表が報道されるくらいで和真でも知っているくらいだ。


柚那ゆずなちゃんは何をしたらそのようなバレリーナなら誰もが憧れる団体に入れたのか。誰かの斡旋あっせんなのかと歩きながらずっと考えていた和真かずま実夢みゆだった。

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